劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のＡＬＦＡ-Ｘ』佐倉綾音さん＆釘宮理恵さんインタビュー｜佐倉さん「ホクトは絶対に理恵さんがいいと思っていたんです」

佐倉さんにとって釘宮さんは特別な先輩

――『シンカリオン』の登場人物たちは、信念のようなものを持って戦っています。お二人には、声優としての信念、心がけていることはありますか？

釘宮：今までは何をするにも仕事を第一に考えていたのですが、最近になって、仕事をするにも健康が第一ですし、アウトプットだけでは行き詰まってしまうので、インプットの時間や、自分自身の幸せであるとかを、総合的に考えるようになりました。

なので最近は自由時間の確保というのを大切にしています。

――やはり仕事を始めた頃は、そこしか見えなかったというか。

釘宮：そうですね。始めたばかりの頃は、ダメ出しを受ける度に泣きそうになっていたのですが、最近はそういうことも減ってきて。今は少し落ち着いて、一本一本の仕事を大切にしていきたいという考えに変わりつつありますね。

今まで忙しい時は、本を読む時間もほとんど取れなかったので。ただ、のんびりしすぎてもいけないので、ほどよく頑張っていきたいなと（笑）。

――身に沁みますね……。佐倉さんはいかがでしょう？

佐倉：気をつけているのは、作品より自分のことが大切になってしまわない、ということです。

やっぱり疲れてくると休みたいと思う時もあって、ただそこで自分に従って休むのは、まだちょっと早いのかなと。まだ、自分よりも作品と他の人の幸せのために尽くしたいという想いの方が強くて。

いつか体力的にきつくなってきたら、そこは誰かにカバーしてもらって、今の内に売った恩を誰かが返してくれたらいいなとか（笑）。

今の私は、きっと理恵さんが歩いてきたキャリアの途中にいるんですよね。私自身も、理恵さんが言うようなインプットの時間を作らないといけない時期が必ず来ると思うのですが、それはまだ今じゃないのかなと。

――やはりそれは、声優としてのキャリアを積んだことで生まれた考え方なのでしょうか。

佐倉：そうだと思います。最初の頃は、現場に出ても無力な時期もありました。そこでいろいろな考え方の先輩方に触れて、自分なりの考えに行き着いた感じでした。

私にとって理恵さんは憧れの存在で、事務所でもよく話をさせてもらうのですが、マネージャーからも「理恵さんの背中を見ていればいい」と言われたこともあるんですね。

声優になる前から理恵さんのお芝居を見ていたので、演技的な部分はもちろんですが、普段の振る舞いや佇まいも憧れで。人に対する気遣いのバランスがすごく絶妙なんです。

例えば先輩でも自分を下げすぎてしまう人は、逆にこちらが不安になってしまい気を遣ってしまうんです。その点理恵さんは一緒にいると安心できて、同時にほどよい緊張感もあるといいますか。

なので私にとっての理恵さんは、いつかこういう先輩になりたいという目標であり、声優としてこういうキャリアを積んでいけたらいいなという、道標になっています。

釘宮：完全に無自覚だった（笑）。私としては、ただ自由自在にやっていたつもりだったので（笑）。

佐倉：無自覚でやっているからこそ、安心してついていけるのかなと思います。

――最後に、公開を楽しみに待つファンの方々に向けたメッセージをお願いします。

釘宮：今回作品に参加させていただいて、スタッフの方々の熱意やキャストの一致団結する雰囲気など、すごく濃密な収録をさせていただきました。

『シンカリオン』について触れるのは劇場版が初めてでしたが、その初めての私がワクワクするくらいすごくいろいろな要素が盛り込まれていて。

ずっとアニメを追いかけていた方にはもちろん、私のように劇場版から入る方にも楽しんでいただける作品になっていると思います。是非是非、お子さんだけではなく、大人の方にも劇場で見ていただけると嬉しいです。

佐倉：私自身待ちに待った劇場版であり、物語・キャラクター・キャスト、すべてにおいて、私の願いが叶ったような内容になっていて、本当に特別感のあるものになっています。

またアフレコを終えて、「これは私だけじゃなく、皆も好きになってくれるやつだ！」という確信を得ることができました。大きなスクリーンで映し出される『シンカリオン』を、老若男女問わず楽しんでいただければいいなと思っています。劇場でお待ちしています！

――ありがとうございました。

［取材・文／米澤崇史］

劇場版『新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のＡＬＦＡ-Ｘ』作品概要

【公開表記】12月27日（金）全国ロードショー

【スタッフ】
監督／池添隆博
脚本／下山健人
キャラクターデザイン／あおのゆか　
メカニックデザイン／服部恵大
音楽／渡辺俊幸
音響監督／三間雅文

【キャスト】
佐倉綾音
沼倉愛美
村川梨衣
真堂圭
竹達彩奈
杉田智和
雨宮天
うえだゆうじ
山寺宏一

釘宮理恵
伊藤健太郎
吉田鋼太郎

【主題歌】「ガッタンゴットンＧＯ！」BOYS AND MEN（ユニバーサル ミュージック）
【アニメーション制作】OLM
【アニメーション制作協力】SynergySP
【CGアニメーション制作】SMDE
【制作】小学館集英社プロダクション
【製作】超進化研究所
【配給】東宝映像事業部
　
公式サイト
公式Twitter(@shinkalion)