櫻井孝宏さん×内田雄馬さん、アニメ『宝石商リチャード』振り返りインタビュー|ゲストキャラを介して理解を深め、変化していくリチャードと正義の関係性と、リチャードの持つ背景と決着の着け方に注目!
現在放送中のTVアニメ「宝石商リチャード氏の謎鑑定」は、美貌の敏腕宝石商・リチャードと、彼が店主を務める宝石店「ジュエリー・エトランジェ」でアルバイトをすることになった正義感あふれる大学生・中田正義が、宝石店に持ち込まれる様々な“謎”を紐解いていくジュエル・ミステリー!
物語は中盤に差し掛かり、二人の関係性やキャラクターそれぞれが抱えているものが何か少しずつ判明し、今後が気になる展開に。
そこで、リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン役の櫻井孝宏さんと、中田正義役の内田雄馬さんに放送を振り返っての感想や、印象に残っているシーンなどについて伺いました。
内田さんが「正義やっちゃったな」と思ったシーンや、櫻井さんが「苦い」と感じたエピソードとは?
――まず、出演が決まった当初と比べて、作品への印象が変化したなど、放送を振り返っての感想をお願いします。
中田正義役の内田雄馬さん(以降、内田):『謎鑑定』ということで、どんな謎なんだろうと思っていたのですが、悩みを抱えながら、いろいろな人生を歩んでいる人たちが宝石を求めてエトランジェにやって来るというお話だったので、人の心を探っていく作品なんだなと感じています。
毎回いろいろなお客様がいらっしゃるので、宝石を通してその人生をたどっていくのは面白いなと思いながら収録させていただいています。
リチャード・ラナシンハ・ドヴルピアン役の櫻井孝宏さん(以降、櫻井):そうですね。ストーリーは中盤に差し掛かってきて、リチャードと正義の関係性……呼吸といいますか、リズムができ上がってきています。
毎話エピソードがシビアというか、あまりハッピーではなく、少し傷付いたり、暗い影を落としたり、切なかったりという話が続く中で、ゲストキャラを介しながら、お互いがお互いの情報を少しずつ積み上げていっているような。
そういうやり取りを重ねているので、5話くらいまでくると、なんとなく時間の流れも感じるというか。第1話から考えれば、日常的な二人の姿が、だいぶこの作品にもフィットしてきているのではないかな、その積み重ねが感じられるなと思いました。
――ここまでの話数で、印象に残っているシーンやセリフはありますか?
内田:第4話の「戦うガーネット」に、美人(みと)さんというキャラが登場するのですが。
櫻井:そうそう。“美人(びじん)”と書いて“みと”と読むんだよね。
内田:珍しいですよね。
ガーネットを探す美人さんのルビーと比べる様子に、正義が「ルビーよりも手頃で、どのガーネットも似合いますよ」というような言葉を掛けたら、美人さんに「ガーネット程度の価値ということですか?」とムッとさせてしまった時に、「正義やっちゃったな」という気持ちと、その繊細な反応に「人の心は難しいな」と。
正義の気持ちからすると、純粋にガーネットの美しさが似合うと思って悪気なく言ったんですけど、彼女は「自分には価値がない」みたいな葛藤を持っていて。そこに正義の言葉が悪い意味でハマってしまったんですよね。
自分がどう思おうが、言葉の掛け方一つで相手はどう感じるか違うんだなと思いました。
――リチャードからも、不用意な言葉が多すぎると指摘されていますよね(笑)。
内田:そうですね。
櫻井:毎回のように見られますよね。
一同:(笑)。
内田:でも、悪い意味では言っていないので。
櫻井:悪気がないのはリチャードも理解しているんですが、彼があえて触れなかったり口にしないところを、正義がズバッと言って。まるでテレパシーのように正義が絶妙なところに触れてしまうので……困っています。
一同:(笑)。
櫻井:僕は、正義の先輩が登場した第5話「巡り合うオパール」かな。
内田:啓吾ですね。
櫻井:彼が現れて、ふいの再会には「こういうことあるよな」と思いました。
10年越しくらいに、急に再会して「あれ?」と。相手にも思われているかもしれない可能性を理解しつつ、そう思うこともあるじゃないですか(笑)。
――ありますね(笑)。
櫻井:憧れていた先輩が身をやつすような登場の仕方をするのは、正義の気持ちを考えると、なんとも苦いなと思って印象に残っています。
印象に残っているシーンといえば、正義の友人である下村くんが毎回、絶妙にピントがズレていて。
一同:(笑)。
内田:そうですね(笑)。
櫻井:それが面白いんですよね。だいたい冒頭で……。
内田:もしくは、AパートかBパートの頭に(下村が)登場して。
櫻井:場を温めるみたいな(笑)。
内田:正義も普通に対応はしているんですけど、あまりきちんと取り合わないのが、また(笑)。
櫻井:そうなんですよ、この二人は本当に仲が良いのかなと。
一同:(笑)。
内田:そういうところも面白いですね。
櫻井:レギュラーメンバーの個性も、ここまで進むとわかってくるので、その辺も楽しんでいただけるとうれしいなと思っております。