TVアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』村瀬歩さん×石川界人さんインタビュー|“新生ハイキュー!!”の気持ちで臨む本作では、原作から感じた「つないでいく大切さ」を表現!
石川さんがキャラ的にもキャスト的にも、宮野真守さん演じる宮侑に注目!?
――本作で、ご自身が演じるキャラの「ここが変わった」という点があれば教えてください。
村瀬:日向に関しては、『ハイキュー!!』の原作を読ませていただいていて、今回の第1話に当たる部分を読んだ時に、頭をガツンと殴られた感じがしました。
今まで、何か起こった時にどうするかという時に、日向らしいところは、負けて悔しいとか、勝ってうれしいとか、当たり前の感情をベースにしつつ、やりたいからやる、なんでやらないのとか、すごくシンプルでメンタル完成しているんだなと思っていたんです。
でも、今回はどちらかというと、バレーは少しヘタなんだけど、すごく運動神経が良くて、身体を使って着実に上達していた彼が、初めてそれを禁じられたことによって成長するというお話だったので、そこに関してドラマを感じました。
日向のことを話し始めると、禅問答のようになっちゃうんですよね。
僕は「考えなきゃ!」と思ってしまうのですが、彼はスパンと答えが出るし、今これができないなら他に自分ができることを探して強くなって、としているので、自分と思考が違って難しいキャラです。
――影山については、どのように感じましたか?
石川:本作でようやく、過去の自分を受け入れられているのかなという気はします。
全日本ユース強化合宿で全国の猛者と一緒に練習しつつ、必ず烏野高校には戻ってくるわけですけど、そのギャップの中で、一度初心に立ち返るところがあって、その初心の受け入れ方がまた変化しているのかなと思います。
それこそが成長で、ある意味、昔に戻っているんだけど、発露する過程が違うというのが一番の成長なのかなと。
――逆に、ここだけは変わっていないというところはありますか?
村瀬:一言でいうなら、やはり熱量じゃないですか。熱量はずっと変わらない。(石川さんの方を見て)どうですか?
石川:バレーが好き!
一同:(笑)。
――では、新キャラクターの中で注目するキャラがいれば、理由と併せて教えてください。
村瀬:僕はやっぱり星海ですね。
日向の声をやらせていただいているので、(日向にとって)初めて自分と同じくらい小さくて、だけど自分よりも飛べてレシーブもできるし、トスもできるし、自分よりも先に進んでいて、自分よりも圧倒的に磨かれている人、というところが気になります。
石川:僕は宮侑ですね。合宿で、一番影山の心に引っ掛かるような一言を残す人だったので、すごく面白いなと。
高校生で、相手の機嫌を損ねるとか、イラつかせることをせず、なおかつ相手に刺さる言葉を投げられるというのがすごいなと思うので、そういうところは気になっています。
――宮の気になる一言というのはPVにあるセリフですか?
石川:そうです。なおかつ、演じる宮野(真守)さんのお芝居がぴったりというか、僕が勝手に(宮野さんを)尊敬しているので、宮野さんの一言一言の重みみたいなものを考えてしまうんです。
宮野さん自身が深く意図していない発言であったとしても、このタイミングで言われたということはこういう意味なのかなとか。
これをポジティブに考えてみよう、ネガティブに考えてみよう、客観的に・主観的にというように、いろいろな受け取り方ができる発言の仕方をされる方なので、面白いなと思いました。
それでいて、宮野さんを声優という枠で表現するには的確ではないと思いますが、あの声優力なので、(キャラクターの)宮侑と近いところがあるなと思いますね。
村瀬さんが何テイクも臨んだ第2話の印象的なシーンとは?
――今、宮野さんのお話も出ましたが、アフレコ現場や共演者とのエピソードがあれば教えて下さい。
村瀬:アフレコが始まった当初から考えて6年くらい一緒にいるので、だいたい、みんなの雰囲気ができ上がっているんです。
そんな中で、漫画の第42巻同梱版に付いている人形アニメを録った時に、出来もすごく良かったんですけど、シナリオがとても面白くて、みんな笑顔で収録していて、特にうっちー(内山昂輝さんの愛称)や入野(自由)さんがツボに入って、ずっと笑いながらで。
そういうバレー以外のところで、笑顔になって収録している『ハイキュー!!』というのも珍しいなと思いながらも、面白いなと思って印象に残っています。
「王様」というエピソードなんですけど、ぜひ見ていただきたいです。
――なるほど。逆に、そのでき上がった烏野のチーム感に、新キャストの皆さんが入ってきての化学変化みたいなところはいかがですか?
石川:面白いのが、合宿中は烏野のフルメンバーがそろうことはほぼないんです。
特に、(烏野の)チームメンバーが、合宿で出会う新キャラクターのキャストたちと絡んでいるところはあまりないので、今は別々のフラスコ内にいて、化学反応的には何も起こっていない感じですね。
村瀬:(烏野メンバーの中で)どうしても、林(勇)さんが面白くて。
石川:そうなんだよ、ずっと林さんをいじっている(笑)。
一同:(笑)。
村瀬:林さん自身も以前お話していたんですけど、林さんはすごくお人ができていて、とても気が優しいし懐も広いし、何と言っても面白い!
石川:すごくいい先輩で、僕の甘え方は非常に生意気なんですけど、それをちゃんと甘えているとわかった上でいなしてくれるので、すごく居心地が良くて、つい林さんに絡んじゃうんですよね(笑)。
村瀬:そういうところだぞ(笑)。
石川:他校でいえば、花江(夏樹)さんとはずっとYouTubeの話をしていられる。
一同:(笑)。
石川:YouTubeと動画作りの話をしていて、僕は動画を作るにあたる機材のほとんどを、花江さんに教えてもらっています。
村瀬:花江くんは、そういう面でも先を行っているね。
――ここまでの放送で、印象に残っているシーンがあれば教えてください。
村瀬:僕は、第2話の(日向が)一番苦しんだところですね。
日向が向こう見ずというか、すごく猪突猛進さで合宿場に来たはいいものの、練習に参加させてもらえなくて、でもすげすげと帰るわけにもいかず。
ずっとモヤモヤした気持ちを、彼らしく、体育館の倉庫のマットの中にバーンと頭を突っ込んで、そこで自分の気持ちと向き合うというか、光が差すシーンがとても印象に残っていて。
自分自身、そこのお芝居をするのに何テイクもやって、終わった後もやらせてくださいと言ってやらせてもらったんです。
彼にはまだ見えていないんだけど、第2話のところでようやく光が差していく感じを、一生懸命探したのは、自分が演じていたというのもあって印象に残っています。
石川:僕は、第4話で星海に絡まれるところですね。
一同:(笑)。
石川:ユース合宿に来て早々に、佐久早に絡まれ、星海にも、宮にも絡まれて……。
春高では各々が強敵になっていくわけで、そういう意味でも、影山自身が彼らを惹きつける何かがあるのかなと思いましたし、星海の絡み方が“ザ・絡む”という絡み方で。
村瀬:「おい、お前!」って(笑)。
石川:絡まれたのが僕だったら、本当に先生に言い付けに行くくらいの絡まれ方だったので印象に残っています。
一同:(笑)。