飯田里穂さん「皆さんの毎日が特別な毎日になりますように」Riho Iida Acoustic Tour 2019 -rippihylosophy-追加公演レポート
僕らのLIVE 君とのLIFE
コラボレーションコーナーが終わると、ここからはいよいよラストスパートへ。一曲目は「Change the World」。ロックテイストなナンバーで一気に引き込んできた。
アウトロで飯田里穂さんが天高く拳を突き上げると、「Reason of birth」のイントロに切り替わる。
僕が「-rippihylosophy-」をはじめて聴いた時に思わず耳が止まったのがこの曲だった。疾走感がある爽やかな楽曲はライブ映えするだろうし、率直にいい曲だと思っていた。
その予感は完璧な形で的中する。とことん盛り上がる新宿ReNY。その勢いを上乗せして、「まだ言えないけど、○○○」へ。
南條愛乃さんが作詞した名曲に思わず客席もざわつく。自然発生的にクラップが巻き起こると、プレス席から見てなんとも微笑まし光景が広がっていく。
会場をぐるっと見渡すと、みんないい顔をしている。聴かせるだけではなく、目の前に集まったファンをとことん楽しませるパフォーマンスもできる。
それがアーティスト・飯田里穂さんの魅力なのだ。そして、ライブ本編を締め括る楽曲「僕らのLIVE 君とのLIFE」のイントロが流れはじめた。
会場のサイリウムがターコイズからイエローへ。星空凛ではなく、飯田里穂が歌う「僕らのLIVE 君とのLIFE」。いや、20周年を祝うために彼女も駆けつけていたのだろうか。
Special Days
会場に集まったファンが「待ちきれない」アンコールで飯田里穂さんを待つ。と、いきなり元気よく飯田里穂さんが袖から飛び出してきた。
アンコール一曲目は「KISS! KISS! KISS!」。ダンサブルなデジタルファンクのアレンジとキャッチーなサビが印象的なナンバーだ。
なぜ、この曲がアンコールの一曲目に選ばれたのだろうか?と、考えていたら「片想い接近」がはじまった。ここで思わず膝を叩いた。
そう、「KISS! KISS! KISS!」はメジャーデビューのファーストシングル。「片想い接近」はセカンドシングルである。
“追加公演”というよりも飯田里穂ベストライブ。改めてその事実を実感するセットリストを用意していたのだ。ここで再び文ちゃんこと畠中文子さんが登場。
アンコールの三曲目、「Special days」がはじまった。
「これからも飯田里穂をよろしくお願いします。皆さんの毎日が特別な毎日になりますように。この曲を歌います。『Special Days』」。
飯田里穂さんは現在28歳。ここから芸能活動21年目がはじまっていく。小学生からスタートした芸能活動をここまで続けるのは当たり前の話だが、決して普通のことではない。
飯田里穂さんだけが歩んできた“特別な日々”。彼女だけの“Special Days”がこんなにも美しい歌声を作ったのかもしれないと考えると、こんなにもエモーショナルな気持ちになってしまう。
そんな「特別な日々の歌」を歌う彼女は、とても美しく見えた。
ライブの最後は「7月29日」。飯田里穂さんソロアーティストデビューを飾った記念日をタイトルに持つ、とても大切な一曲。彼女自身が作詞を手掛けた一曲でもある。
「聞こえてくるよ 君の声がね ステキな場所はそこにある」
この日のライブでも感じたことだが、客席の熱気も素晴らしかった。ステージでパフォーマンスを魅せる演者といい距離感で歓声を贈るファンが双方向からエネルギーを放ち合うからこそ、ドラマチックで特別な時間になるのだ。
最高の一曲「7月29日」で飯田里穂さん“2度目”となる新宿ReNYでのライブは幕を閉じた。
最後のMCで少しだけ早口だったのは、溢れる感情を堪えるためだったのか。その答えは21年目の活動をはじめる彼女にまた取材で聞いてみたい。今後もアーティスト・飯田里穂さんから目を離すことができない。
[文・川野優希/PHOTO:中村ユタカ]