回を重ねるごとに実感していったすずの誠実さと、それぞれのキャラのお当番回となった第9話――冬アニメ『恋する小惑星』鈴矢萌役・上田麗奈さんインタビュー【連載第5回】
『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)にて連載中のQuro氏による4コマ漫画作品『恋する小惑星(アステロイド)』(以下、恋アス)。
2020年1月より、本作のTVアニメが現在好評放送中! 高校の地学部を舞台に、“小惑星を見つけたい”という夢を持つ主人公を中心に展開される地学系女子(ジオジョ)による青春ストーリーです。
アニメイトタイムズでは、声優陣へのインタビュー連載を実施! 第5回は、すずこと鈴矢萌役・上田麗奈さん。キャラクターに懸ける想いや、収録・オーディションの裏話など、作品のこれまでやこれからを語っていただきました!
バックナンバー
第1回 木ノ幡みら役・高柳知葉さん&真中あお役・山口愛さん
第2回 猪瀬舞役・指出毬亜さん
第3回 桜井美景役・東山奈央さん
第4回 森野真理役・上坂すみれさん
第5回 鈴矢萌役・上田麗奈さん
第6回 遠藤幸役・Lynnさん
すずのオーディションにおける大事なプロセスとは
―― 放送もあっという間に最終話を迎えようとしています。
鈴矢萌役・上田麗奈さん(以下、上田):収録もオンエアも本当にあっという間で……。本来なら2話に渡って描いてもいいような内容を1話に凝縮しているので、各話のボリュームがすごくあると思っていて。飽きさせないし、満足感もあるし、スピード感があるのに忙しくはなく、絶妙なバランスで。ここまであっという間でした。
―― 作品に触れた際の第一印象を教えてください。
上田:柔らかくて、細かくて、コロコロしている印象も、ふわふわしている印象もあって女性も入り込みやすい作品だと思いました。
アフレコの際、原作者のQuro先生にもお会いしたのですが、とても物腰の柔らかい素敵な方で「この先生だからこんなに柔らかい作品が生まれたんだ!」と納得しました。それくらい原作を読んだときの第一印象が柔らかく、男女問わず読みやすい作品だと思いました。
―― 最初に原作を読まれたのはオーディションですか?
上田:はい。オーディションでは、漫画のワンシーンを切り取った台本だったこともあり、すずがどういう表情で話しているかがわかりやすくて印象に残っています。
―― オーディションではどんなシーンを演じられましたか?
上田:すずに関してはいろいろなシーンがありましたね。イノ先輩の描いた地図をもとに歩き回るシーンだったり、あとは文化祭の出店コンテストでジオカフェが優勝できなくて落ち込んだ後とか……(笑)
―― 第7話でみらに準優勝だったことを言及されつつも立ち直るところですね。
上田:あとは第3話のお部屋で勉強する日常シーンなども。すずのフラットな状態から趣味が高じてテンションの上がるところとか……彼女の全てをひっくるめてのオーディションでした。
―― すずのオーディションだけあって本当に幅広いシーンを演じられたんですね。
上田:そうですね。やっぱり、すずは突然跳ね上がるエネルギッシュな姿だったり、みんなと距離を保ちつつも見守っている、ちょっとだけお姉さんな姿も魅力だと思います。なので、オーディションにおいてその様々なシーンを演じることは大事なプロセスだと思いました。
―― ちなみに、オーディションではセリフだけが用意されているパターンと、セリフと絵が用意されているパターンではどちらのほうがやりやすいのでしょうか?
上田:個人的には、どちらにも良さがあると考えています。例えば、絵がない状態のセリフを「こういうシチュエーションで、こういう表情じゃないか?」と想像してオーディションを受けるよりも、絵があればスタッフさんたちと意思疎通がしやすいと思うんです。「ここでこういう表情をしているので、このセリフは口角が上がった状態です」とか。
そうするとキャスト側も意図を汲み取りやすいですし、スタッフさん側もいつもよりディレクションが少なくなり、短いオーディションの時間をより効率的に進めていけるのではないかと思います。
一方の絵がないオーディションは、自分で想像を膨らませることになるので、キャラクター自身の可能性を広げることができると思っていて。それぞれに良さがあるのですが、『恋アス』の場合は絵がある形がひとつの正解じゃないかなと思います。