回を重ねるごとに実感していったすずの誠実さと、それぞれのキャラのお当番回となった第9話――冬アニメ『恋する小惑星』鈴矢萌役・上田麗奈さんインタビュー【連載第5回】
ギャップが魅力的なすず。地学部に入らなかったことに対して上田さんは……?
―― 改めてすずの第一印象を教えてください。
上田:第9話では桜先輩にズバッと言われてしまうところもありましたが、普段の言動を素で言っているのかどうなのか、わからないところがありました。自分の感情や想いだけで言葉を発することのないような。
自分を含めてみんなのことを見ているので、場面に応じてどういう立ち位置にいればいいのか、どういう言葉が必要なのかがわかるタイプの女の子だと思っています。人当たりはいいので、その柔らかさを大事に演じようと心掛けました。
だけど自分の目標とか、好きなこととか、そういったところに関しては素直に出していく。そのギャップが大事な女の子だと感じました。
―― アフレコの進む内にその印象は変化しましたか?
上田:変化というよりは、さらに色濃くなっていくような感覚がありました。最初のころは、地学部に入らなかった理由がわからなく、「入っちゃえばいいのに!」とも思っていたのですが、後半に「スズヤベーカリーを世界一にする」という目標を知って納得しました。
すずにはすずのやりたいことがあって、そのためにお店の手伝いに時間を割きたかったんだと。メニューを考えるときもすごく生き生きしていましたから。
だから、回を重ねるごとにギャップとか柔らかさ以上に、すずのまっすぐさ、誠実さというものが自分の中で増えていきました。
―― たしかに、地学部に入部しないことに驚いた視聴者も多いと思います。
上田:すずにはすずの理由がちゃんとあって。キャラクター、一人ひとりの個性がしっかり描かれていて……改めて素敵な作品だと思います。
―― 部員のような存在ではあるけれど、地学部のメンバーとは近すぎず、決して遠くもなく。適度に距離感を保っていて。
上田:そうですね。みんなのことを好きな気持ちや一緒に居たい気持ちはあるけれど入部はせず、でもパンをよく差し入れに持っていくあたりは「やっぱスズヤだな!」と(笑)。
おそらくですが、彼女は「こういうパンを作って持っていったら喜ぶだろうな」とか「この場所にはこのお菓子がいい」とか、そういったことをずっと考えているのだと思っていて。
それがあった上で、みんなに届けに行くのは、すずからすれば目標的にも、好きなもの的にも(地学部は)心地いい空間だったのではないかと思います。
―― お話を聞いていると、改めてよくできた女の子だと実感します。
上田:自分のことを客観的に見られる女の子なので「今なにをすればいいのか」を理解しているのでしょうね。
―― ちなみに、上田さんがゲスト出演されたラジオ「『恋する小惑星』★みらとあおの KiRA KiRADIO◆」第6回放送では、すずに対して共感できるところがあるとおっしゃっていましたね。
上田:可愛い女の子を見て、とてもよい気持ちになるのは共感できますね! 女子の素敵な写真を見るのが好きで、いい一枚を見つけるとつい保存しちゃいます(笑)。
一時、女子の骨格がすごく好きだった時期があって……。中でも顎のエラのラインが好みで、とくに好きな骨格の画像はフォルダ分けしていました(笑)。横顔ばっかり集めて「あぁ……綺麗!」みたいに。暇ができたら癒やされていましたね(笑)。
―― そもそも好きになるきっかけとかは……?
上田:ないです(笑)。そもそも周りの女の子にときめいて……といったこともなかったので。あくまで癒やされるためです。女の子に限らず、綺麗な夜空とかも好きだったので、自分が美しい、綺麗、可愛いと思ったものを目から摂取したいという欲が強かったのでしょうね。
―― ちなみに今はどんなものに癒やされていますか?
上田:今は猫ちゃんです。画像を保存したり、私自身も猫と暮らしているので写真を撮ったり。いろいろな角度から可愛いショットを探して……そこはすずとの共通点と言えますね(笑)。