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スフィア10周年ライブ“ふつかめ”レポート

スフィア10周年ライブ“ふつかめ”レポート|前代未聞の全曲ライブ! 84曲完走の先にあった感動の景色「私の大好きなスフィアは、皆さんのおかげでスフィアです」

ゴールを迎えた4人から見えた景色

ついにラストスパート突入。「いってみよ~!」とはじまったのは「MOON SIGNAL」。セットリストを見てもらえばわかる通り、とびっきりのアッパーチューンの連射となった。「鋼のVictress」ではギター&バンマス・平井武士さんとベース・平本陽一郎さんも前に。「LET・ME・DO!!」ではトロッコに乗り込み、後方の、さらに奥のほうへと進んで、一体感に拍車をかけた。

本当にラスト。全曲集合のゴールに選ばれた曲は、ハートフルなミディアムナンバー「Endless Anniversary」。客席にいるファンに向けて拍手を送った豊崎さんが「みんなの声、聴かせてください!」と声をあげる。観客全員のシンガロングを経て<10年先へとまたここから、一緒に>進んでいくことを誓ったスフィアだった。

曲が終わるとバーーン!と祝福の銀テープが舞う。共にステージを作ったバンドメンバーからもお祝い(スフィア手作りの銀テープを使ったゴールテープを走り抜ける・笑)。最後に84曲を完走した “いま”の心境を語った。

寿さん「年末から準備がはじまっていましたが、ついにゴールテープを切ることができて……はじめて経験する清々しい感覚です。それは皆さんが味わわせてくれました。ありがとうございます。私はこのあとイギリスに行ってくるんですが……イギリスの美菜子になって(笑)、皆さんにお会いできることを楽しみにしています。今日がゴールかもしれませんが、ひとつの通過点として、この良い思い出が未来の力になると思っています。みなさんにとっても糧になるような一日であればいいなと願いながら歌わせていただきました。またどこかで、お互い未来で逢いましょう! いってきまーーす!」

高垣さん「前から全曲ライブをやりたいと思っていて、プロデューサーさんに言ったら“本気か? 正気か? 覚悟はあるのか?”と何回も聞かれました。でもたくさんの曲があって、誕生日を迎える記念すべき日に、こんなに大きなステージができるならやっぱり全曲ライブしかない!と4人で覚悟を決めてやりました! 本当に全曲ライブをやって良かったなって今思っています! 皆さんも1曲1曲聴きのがすまいと覚悟を持ってきていただいたと思います。この10年間のなかでたくさんの曲たちが生まれ、皆さんと一緒に歌い育ててきました。ここからそれぞれ色々な未来に進んでいくと思うんですけど、いつでもここが帰ってこれる最高の居場所です。だから絶対また会いましょう! そして、皆さんの人生のなかで、スフィアの曲が心のそばに在れることを祈っています。これからもついてきてね!」

戸松さん「皆さん今日は本当にありがとうございました! お疲れ様でした! こうやって“終了!”ってゴールテープを切るって初めての感じで、めっちゃくちゃ気持ちいいです! ついてきてくれた皆さまに感謝の気持ちでいっぱいですし、84曲全ての曲を歌えたことを本当に幸せに思っています。応援して下さる皆さんがいなかったらできないことです。改めて、スフィアを好きになってくれて、ありがとうございます! また4人でそろって何かやれるときは、絶対にパワーアップしてきます。今後もスフィアについてきてください!」

豊崎さん「みんなに会えて本当に嬉しかったです。皆さんが5人目のスフィアとして今日ここにきてくれて、本当に嬉しかったです。今日来られた方も、来られなかったかたも、バンドメンバーも、スタッフの皆さんも……スフィアに関わってくださったすべてのかたが、このステージ、今日のスフィアを作ってくれたと思っています。私の大好きなスフィアは、皆さんのおかげでスフィアです。ありがとうございます!」

最後の「ここをはじまりとして、みんなとまた10年先も…… “超ベテランアイドル声優ユニット”を目指して頑張ります!」という宣言に、観客から大きな大きな拍手が沸き起こった。4人がバックステージへと戻ると、スクリーンには「またここから一緒にSphere」の文字が表れる。10年先は100曲越えのライブもやってしまうんだろうか。でもスフィアとここにいる“みんな”ならできる気がする──そんな無限の可能性も感じた眩しいステージであった。

なお、前代未聞のこの全曲ライブは映像化されることが決定している。改めて映像で楽しんでほしい。

[取材・文/逆井マリ]

 

神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。

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逆井マリ
神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。

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