メジャー1stシングル発売記念! バーチャルライバー・樋口楓さんインタビュー |「MARBLE」は、これからの樋口楓の看板曲になる楽曲
音楽との出会いは3歳の頃
――吹奏楽部に入られているとのことですが、そもそも演奏に興味をもったのはどういったきっかけだったのでしょうか?
樋口:両親が大学時代にサークルでドラムをやっていたくらいの音楽好きで、私が生まれた時からハードロック系の曲がずっと流れているような家庭だったんです。そうした環境だったので、3歳の頃からピアノを習い始めたのですが、いまいち楽しさが分からなくて。レッスンの最後に、ソルフェージュっていう音階を歌う練習の時間があって、その5分間だけが唯一の楽しみでした(笑)。
――かなり幼い頃から、音楽に触れられてきたんですね。
樋口:そうですね、それから小学校に上がって、2年生から入れるミニ吹奏楽部のようなものがあったんです。そこでトランペットを試しに吹いてみたら音が出て、「普通はそんなにすぐ吹けるものじゃないから始めてみないか」と誘われたのが、トランペットを始めたきっかけでした。ただ、ピアノとトランペットって結構音階に違いがあって、トランペットを始めたらピアノの楽譜が読めなくなって、ピアノは辞めてしまったのですが(笑)。トランペットは、3本の指と自分の息だけでコントロールができるのが自分にあっていたのかなと。
――樋口さんといえば歌のイメージが強いのですが、例えば合唱部に入ろうと思ったことはありませんでしたか?
樋口:うーん、あまり考えたことなかったかなぁ。学校で合唱の練習をすることはあったんですけど、私の声が浮いていたみたいで、「合唱する気がないのか」と怒られた思い出があって(笑)。
――これまでいろいろな楽曲を歌われてきたと思うのですが、とくに歌いやすいと感じるジャンルはありますか?
樋口:やっぱりギターやドラムがグイグイくるロック系は歌っていて楽しいですし、しっくりくる感じはあります。けど、いわゆるアイドルっぽい曲も逆に新鮮で面白いですし、ジャンルによって歌いやすい、にくいというのはあまりないかな……ただ、歌詞が重い曲を歌う時は緊張しますね。というのも、基本的に私が歌うのはファンの方に送ってもらっている曲なので、樋口楓のどこを見てその歌詞を思いついたのかとか、意外な解釈とか発見もあったりして、いろいろ考えてしまうことがあるんです。
――それは、視聴者から楽曲を提供される側ならではの悩みというか。
樋口:もちろん、それはものすごく恵まれていてありがたいことなんですけど。せっかく曲を提供していただいている以上は、歌詞も含めてその曲をしっかり汲み取った上で歌わなければいけないと考えているので。
――選ぶのが難しいことを承知の上でお聞きするのですが、今まで歌ってきた楽曲の中でも、とくに思い入れがあったり、印象に残っている曲はありますか?
樋口:うーん、難しいなぁ……!「奏でろ音楽!!!」でしょうか。曲の途中にトランペットのソロパートがあるんですけど、それも私自身が家で演奏したものを使っていて。
普段提供していただく楽曲って、私が好きに解釈して歌うことが多いのですが、「奏でろ音楽!!!」に関しては、作者さんから具体的なディレクションやリテイクの要望があったり、私の方からも、何パターンか違う歌い方を提示するというやりとりもしていたので、完成まですごく時間も掛かった曲でした。
――ちなみに、トランペットの音源を提供することになったのは、どういったきっかけだったのでしょうか?
樋口:部活でトランペットをやっていることを配信でも言っていたので、まず作者さんの方から「(トランペットを)吹いてみませんか?」という提案があって。アーカイブには残っていないんですけど、配信で実際に吹いてみたこともありましたから、「この実力でよければお願いします!」とご返事して、という流れでしたね。他の曲でもトランペットを吹いているものはあるのですが、本当にソロでガッツリと吹いたのは「奏でろ音楽!!!」が初めてだったと思います。
――ライブやイベントに関して、今後やってみたいパフォーマンスはありますか?
樋口:技術的に大きな壁があるんですけど、個人的にやりたいのがファンの人の隣に立って歌ったり……あと、一番やってみたいのは握手会ですね! 実現できる日が来るのか分からないですけど、いつかファンの人と直接触れ合えるようになったらいいなと。
――今後、アーティスト活動をしていく上での目標はありますか?
樋口:いつかやりたいのは野外ライブですね。VTuberの屋外ライブはあまりないと思うんですけど、お寺とかにプロジェクションマッピングで登場したくて(笑)。あとは野球が好きなので、甲子園球場でのライブとかもやってみたいですね。私自身は広島ファンなんですけど……(笑)。
――ランティスで共演してみたいアーティストさんや、カバーしてみたい楽曲というのはありますか?
樋口:恐れ多いんですけど、いつかTRUEさんやZAQさんの隣に立って歌える日が来たらいいなと。曲については『ラブライブ!』が好きなんですけど、もう『ラブライブ!』についてはカバーしたいというよりは、目の前で歌っているのをただお客さんとして聴いていたいです。リハーサルの時とかでもいいので(笑)。
一同:(爆笑)。
――『ラブライブ!』については、「僕たちはひとつの光」をにじさんじ元一期生メンバーでカバーされてもいます。あの人数で歌うということはなかなかないと思うのですが、1人で歌う時とはやはり違いましたか?
樋口:まずカバー曲には原曲のファンの方々がいらっしゃるので、その人たちの想いを裏切ってはいけないという難しさはありましたね。歌い方については、そこまで変えてはいないのですが、クセを弱くしようということは少し考えていました。浮きすぎないように、しゃくりを控えめにしたり、最後に伸ばすところはあとから編集で短い人に合わせられるように、長めに声を出しておこうと。