TVアニメ『アルゴナビス from BanG Dream!』橋本祥平さん、橋本真一さん、毛利亘宏さんインタビュー｜舞台役者が演じるからこその魅力に迫る！

ライブのステージと演劇の違いとは？

ーー『BanG Dream! Argonavis 2nd LIVE「VOICE -星空の下の約束-」』の映像を見させていただいたんですけど、ライブをする感覚を伺いたいです。というのも、舞台上では自分ではなくキャラクターになるので、そこがすごく難しいのではないのかなと思ったんです。特にジャイロの里塚賢汰はクールにギターを弾きますよね？

真一：それは、すごく難しくて（笑）！　2nd LIVEはシークレットで出させてもらったんですけど、楽器を練習する時って本人だから、楽器を弾くとどうしても本人の部分が残ってしまうんですよ。だからそのバランスがすごく難しいなと本番をやって感じました。

アフレコやボイスドラマでは声で里塚賢汰を演じてきたけど、ライブ会場だと全身が里塚賢汰なんですよ。これが舞台なら全身役として稽古をしてから本番を迎えるけど、ライブだと全身里塚賢汰は本番だけなんです（笑）。だから全部がぶっつけ本番で。

毛利：やることがいっぱいあるね（笑）。

真一：そういう意味では、役に入るのがかなり難しいと思いました。

祥平：でも、見ててめちゃくちゃすごいなって思いました。真一さんはこう言いますけど、里塚賢汰にしか見えなかったんですよ！　僕ら普段は舞台役者ですけど、舞台役者がやる意味って、ここにあるなとすごく思ったんです。本当に勉強になりました。

毛利：『アルゴナビス from BanG Dream!』って、Argonavisのメンバーを見て本を書いたんですけど、GYROAXIAって書き始めてから役者が決まったんです。だから賢汰像は自分の中であったけど、ライブを見たときに「あっ！　いた」って思った。

祥平：僕のこれからの道を照らしてくれましたね。

真一：すごくうれしー！　うちのバンドって、こうちゃん（宮内告典）はプロのドラマーで誰よりも知識と技術があるから音楽では引っ張ってもらってて、声優陣はアフレコで引っ張ってくれているから、自分はどこで役に立つんだろうと思っていたんです。経験としてみんなよりあるのは舞台上だなと思ったので、そこはどうにか自信を持ってやりたいなと思いました。

祥平：本当にそうですよね。僕もライブでお客さんを楽しませたいと思うけど、そう思えば思うほど、自分の中で刻んでるリズムと狂ってしまうんですよね（笑）。ここが器用にできないんです。

だから映像を見たとき、必死な顔して頑張っているなと感じました。僕もお客さんを楽しませつつ、自分も楽しんでリズムを刻めたらなと思って、最近は練習してますね。

ーードラムこそ、演じながら叩くのは難しいですよ。

祥平：やっぱり自分のミスで音楽を止めたくないというのが頭の中にあるけど、守りに入っちゃ駄目だなって。

でも、2nd LIVEでGYROAXIAの宮内さんのドラムを聴いたときは、よくわからない気持ちになりましたけどね（笑）。これは努力では埋められないものがあるなと。だから結構裏でArgonavisはシュンとしてたんですよ。

このままじゃやばいから、もう一度士気をあげよう！　って気合いを入れて出た一発目の「ゴールライン」が、僕ら的にすごく良かったので、GYROAXIAがArgonavisを強くさせてくれてるなと思いました。相乗効果が生まれてるというか。

毛利：ちゃんとアニメ通りの関係になってるよね（笑）。

真一：それは僕らも意識してます。実際の経験はArgonavisのほうが上だけど、設定だと僕らが上にいないといけないので。だからArgonavisのサウンドを聴くとソワソワするし、緊張します。この人たちに勝てるんだろうかと。でもGYROAXIAとしてのプライドは意地でも守ろうと。

ーー2nd LIVEでの「ゴールライン」は、本当に素晴らしかったですけど、まさか裏でそんなドラマがあったとは思いませんでした。特に七星 蓮役の伊藤昌弘さんのボーカルが素晴らしくて、アニメの1話で、蓮が一人カラオケしているところに航海と結人が乱入する理由もわかりました（笑）。

毛利：あれ、絵で見ると、こいつらおかしいなって思いますよね（笑）。

真一：実際にあったら、めっちゃ怖いですよ（笑）。

毛利：でも、あの熱量を出したいなと思って。

ーーArgonavisとGYROAXIAのバンドの魅力ってどこにあると思いますか？

祥平：Argonavisは、みんなで歌えるというのはありますね。イェイイェイとか、ウォウウォウと言えるので、みんなで一つになれる音楽なのかなって思います。曲調も王道だし。

真一：GYROAXIAは、ボーカルの那由多ですね。歌っている声優の小笠原 仁の歌唱力とパフォーマンスが圧倒的なので、それにバンドも引っ張ってもらっています。2nd LIVEでも、仁を見たとき、那由多がいると思ったので、そのカリスマ性は大きな要素です。

あとは曲の一部で、音がぶつかり合う感じがあったんです。そこは「音で殴り合う」というテーマが練習中に出てきたので、GYROAXIAの音楽性としてそういうところがあるのかなと思いました。バンド内でもそうだけど、お客さんに対しても、届けはするけどぶつける感じ？　そういうのもカラーとしてあるのかなって。

ーー確かに、圧倒するようなイメージはありますね。

祥平：それ、すっごく面白いですね。うちは逆に、次はキーボードの見せ場です、ベースの見せ場ですって感じだったので真逆かもしれない。音で殴り合うなんて発想がなかったです。

真一：面白いよね。

ーー逆にお客さんは、2つの音楽性を楽しめますしね。

真一：似たようなサウンドだったら優劣とか意識しちゃうかもしれないけど、真逆だから本当に違う味を楽しめるというのはあるかもしれないですね。

ーーちなみにバンドの仲良しエピソードとかありますか？

祥平：うちは、毎回練習前にラジオ体操をやってます（笑）。あと休憩中は最年長の森嶋（秀太）さん筆頭にふざけてますけど、GYROAXIAも仲いいですよね？

真一：うちは僕が舞台の関係でガッツリ筋トレしてたときは、みんなで筋トレをして汗だくになってからバンド練を始めるっていうのがあったけど、3回で終わりましたね（笑）。

祥平：あははは（笑）。