『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』Blu-ray&DVD発売記念! 宮野真守さんインタビュー|【ネタバレあり】
TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス3』の続編となる、シリーズ最新作『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』が、2020年3月27日より劇場公開された(※Amazon Prime Videoで編集版を日本・海外 独占配信中)。そして待望のBlu-ray&DVDが、7月15日に発売決定!
今回、アニメイトタイムズでは、Blu-ray&DVDの発売を記念して、ミステリアスなキャラクターである法斑静火役を演じる宮野真守さんのインタビューを実施した。
TVアニメでは謎のベールに包まれていた法斑静火。宮野真守さんは一体どんな気持ちで演技していたのだろうか。その胸中に迫る。
※本記事は『PSYCHO-PASS サイコパス 3 FIRST INSPECTOR』(以下、PP3FI)の一部ネタバレを含んでおります。
オーディションではラスボス感を出した
――法斑静火の配役が決まった時のお話を聞かせて下さい。
宮野真守さん(以下、宮野):法斑静火はオーディションで決まりました。絶対に何かあるだろう感があるキャラクターですよね(笑)。
――確かに、スタイリッシュなビジュアルや含みのある台詞回しだったりと、明らかに何かがあるだろうなって感じが伝わってきますよね。オーディションの時はどのような準備をされたのですか?
宮野:こういった言い方をしていいのか分かんらないんですけど……ラスボス感。これはきっとラスボスだろうなって芝居をオーディションテープに込めましたね。
――実際にTVシリーズで演じてみていかがでしたか?
宮野:TVシリーズの静火はビフロストのコングレスマンとしてずっと“見てる人”でしたよね。実質的に何かをしていたというよりも。
全体的に灼(慎導灼 CV.梶裕貴さん)や炯(炯・ミハイル・イグナトフ CV.中村悠一さん)が紡いでいるストーリーの起伏が非常に激しいので、没入感が高い作品に仕上がっていたと思います。色々な事件に対峙することで、2人の関係性が見えてきたり。
彼らがバディになっていく感動的なシーンもたくさんあって……。でも、静火はそれをただ見てるだけという(笑)。
――あはは(笑)。今回の『PP3FI』についていかがでしょう?
宮野:うーん。実は今回の「PP3FI」を見終わったとしても静火の本質は何も見えて来ないんですよね。ただ、彼の中の目的が見えるシーンがあって。最後のシーンで少しだけ表情に出るんですよ。静火の本心が少しだけ分かるというか。目的に対して感情の動きがあるのが、今回の作品だったと思います。
静火の物語を見ると、動き自体は少ないんですけど「これから何かあるな」というのが伝わったんじゃないかな。
――ラストシーンが特に印象的でした。
宮野:そうですね。まさかあんなことになるだなんて! 僕も収録まで知らなかったのでビッグサプライズでした。しかも本当の本当のラストシーンなので、これからじゃないか…! という感じで。
でも、今回の作品で静火が世界観の中心に入ることができたんだなと思いましたね。
――宮野さんが法斑静火以外のシーンでお気に入りのシーンなどを教えて下さい。
宮野:灼がメンタルトレースで事件を探っていくシーンですね。これは新しいワクワク感があったと思います。ストイックな刑事ドラマにさらなるSF要素が上手く加わったというか。
――確かに。今回はから新しい要素が加わったことで、作品の雰囲気も変わりましたよね。ちなみに、気になったキャラクターなどもあればお聞かせいただければと思います。
宮野:やっぱりメイン2人(慎導灼&炯・ミハイル・イグナトフ)の関係性です。縁深い存在に見せつつ、実はちょっと違うかも?といった雰囲気もありましたし。これから2人がどんなバディになっていくのかが楽しみです。感情を突き動かされるというか。
もしもシビュラシステムが導入されたら
――ありがとうございます。ちなみに『PSYCHO-PASS サイコパス』の世界観についてはいかがでしたか? シビュラシステムが管理してる日本が舞台になっていますが。
宮野:怖いですよね(笑)。システムに管理されて善悪を決めていくというのは。本当の正しさを見極められるのか、とも思いますし。
――今って動画配信サービスなどでもレコメンドってあるじゃないですか。あれも人間の選択をAI(機械)がサポートしていたり、導いていたりすると思うんです。それがメチャメチャ発展したらシビュラの世界になるのかなって。
宮野:コンピューターの発達がすごすぎて……もう怖いですよね。パターンで芝居されたらどうしようみたいな。すでにボカロもあるわけで。これ以上発展したら役者は商売あがったりになっちゃわないかなと(笑)。
――他作品で恐縮ですが、AIの役者が出てくるってお話がありましたね。ベテランの役者さんが心がこもってない! と指摘するシーンがあったり。
宮野:えー怖い! やめてほしい(笑)。僕もどこか古い人間なのでコンピューターには負けねぇ! って思うっちゃうところはあって。でも、凄いですよね。CGで作った表情なんて本当にリアルだし。
シビュラシステムも時代の流れで見えてきた価値観なので、作品としては面白いと思いますね。
でも、だからこそ人のイマジネーションの方が無限大なんだよってことを僕らはエンタメを通じて見せていきたいなって思うんです。