この記事をかいた人
- 阿部裕華
- アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター
阿部:以前までは攻めと受けって似たような属性を持っているキャラクターが多くて。あくまでも一例ですが、こんな感じ。
石橋:たしかにそうだったかも。男女の恋愛モノもこういうパターンが多かった気がします。
阿部:パッと見ただけで、「あ、こっちが攻めだな(受けだな)」と分かりやすかったような気がします。ところが、最近ではキャラクターがかなり多様化されてきているんですよ。
石橋:はいセンセイ!(挙手)「ワンコ」って何ですか?
阿部:犬っぽい、人懐っこいみたいな感じですかね。
石橋:なるほど、そういう感じの子か。お目々がうるるな感じですね。
阿部:なので、「攻めかと思いきや受け!?」みたいなことも結構あります。もちろんTHE・攻めのようなキャラクターも残り続けていますけど、かなり多様になってきたと思いますね。
石橋:僕が見たことのある作品は攻めが強い人たちばかりだったから、あんまり想像できないな……。
阿部:「ヘタレ攻め × 積極的(誘い)受け」のような組み合わせだと、攻めが受けにタジタジになることもありますよ。
石橋:現代社会の性が多様化している部分にも繋がっている気がしますね。すごいな……無限の可能性がある。宇宙みたいですね(笑)。
阿部:ですね(笑)。しかも、一人のキャラクターに一つの属性というわけではなく、複数の属性を持ち合わせているわけです。私の好きな属性を例に多様化を説明しますね。
石橋:性癖を暴露するわけですね……!
阿部:しちゃいます(キリッ)。私「黒髪メガネ受け」が大好きなんです。
石橋:黒髪メガネ受け……? 何で好きなんですか?
阿部:私が二次元のキャラクターで初めて本気で好きになったキャラクターが黒髪メガネだったんですよね。彼の影をずっとどこかで追い求めているのかもしれません……。
石橋:なるほどね(笑)。
阿部:黒髪メガネ受けの登場する商業BLマンガは無条件で買ってしまうくらい好きなんです。ただ、黒髪メガネはあくまでも外見の話であって、彼らがみんな同じ性格というわけではありません。
阿部:こんな感じでいろんなパターンがあるわけです。どれも美味しくいただけますが、一番好きなのはパターン①ですね。
石橋:これは阿部さんの名刺になりますね。私の好きなシチュエーションはコレですって。
阿部:オススメの黒髪メガネ受けを教えてほしい!!!
石橋:!!!
阿部:……はい。ジャンルとキャラクターの属性がこんなにたくさんあります。なので、組み合わせが無限なんですよ。
石橋:急に冷静になったな。
阿部:学園モノのBLというだけでも、ファンタジーもあればホラーもある。登場するキャラクターも先輩攻めもあれば先輩受けもある。というように、自分の好みに合わせて選ぶことが可能なんです。
石橋:選びたい放題のビュッフェですね。
阿部:自分の中でこういう系統の設定やテーマ、キャラクターが好きというのがあれば選びやすいのがBLの良さでもあります。
石橋:細分化されている分、入りは優しいかもしれない。
阿部:石橋さんは百合がお好きですよね。普段、どんな系統の作品を好まれますか?
石橋:『マリア様がみてる(※16)』のような源流モノも好きですし、最近は大人(どうしの)百合も好きですね。OL百合もいい。あ、あと『ヴァンピアーズ(※17)』という人間と異種族(ヴァンパイア)の百合も最近ハマってます。ジャンル問わず読んでますね。
※16:マリア様がみてる
集英社のコバルト文庫にて刊行された今野緒雪さんの小説作品。ミッション系の「私立リリアン女学園高等部」を舞台に生徒会的な役割を果たす「山百合会」の面々を中心とした学園生活が描かれる。「スール」と呼ばれる独自の上級生と下級生による姉妹関係があるなど、その後の作品にも大きな影響を及ぼした。アニメ化だけでなく実写映画化も行われた。
※17:ヴァンピアーズ
小学館の『サンデーGX』にて連載中のアキリさんの漫画作品。中学生の朝桐一花と吸血鬼の少女・アリアの笑いあり、バトルありな恋愛模様が描かれる。百合のジャンルでは珍しい人間×異種族の関係を描いた作品でもある。
阿部:どこからでも入れそうですな……! BLにも王道な学園モノや大人モノ、異種族系もあるので。いろいろ手が出せそうな予感。
というところで今回はここまで。1回だけで終わらせるつもりが講義がヒートアップ! まさかこんなことになるなんて……。
次回はBLを説明する上では欠かせない「エロ」についてと、初心者にオススメのBL作品をご紹介。
そして、石橋さんが実際に薦められたBL作品を読んだ感想も……!
BL初心者のみなさんは次回をドキドキにしつつお楽しみに! もし、BL愛好家さんがご覧になってくださっているのなら、石橋さんにオススメの作品をぜひ考えてあげてくださいね。
[文/阿部裕華]
アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター。Webメディアのディレクター・編集を経て、フリーライターとしてエンタメ・ビジネス領域で活動。共著「BL塾 ボーイズラブのこと、もっと知ってみませんか?」発売中。