『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season:スバル役の小林裕介さんが前半クールを総括|インタビュー前編
ショックなことの連続に、意識したのは「立ち直りの早さ」
――2nd seasonの前半の収録でどのような想いでスバルを演じられたのでしょうか? また演じていく中での意識や演じ方の変化や新たに発見したことはありましたか?
小林:今回は最初から最後まで、変わったところはなかったかもしれません。1st seasonで必要な成長を遂げた上での2nd seasonだったので、いかに自分を俯瞰で見られるかにスバルは終始、徹していたと思います。それゆえにどんどん孤立し、誰も頼れなくなっていくわけですけど……。意識したのは立ち直りの早さです。そのスピードこそが彼が培ってきた能力ともいえるし、収録でも「そこはまだ早いです」とか「もっと早く立ち直ってください」というディレクションをいただいていました。
――1st seasonと2nd seasonのそれぞれには絶望感がありましたが、その中身は違うような。1st seasonは強力な敵や過酷な状況への絶望でしたが、2nd seasonでは何度も手詰まりを繰り返し、裏切りや予想外のことも次々と起こって。
小林:周りのキャラが常軌を逸していることが多いからゴールへの道筋も誰を信じたらいいのかもわからなくて、両側面からダメージを受け、袋小路に追い込まれました。1クール終わった時点でも、はっきりと誰が味方なのか、わからないんですよね。味方であるはずのエミリアにも違うトラブルが発生するし、考えなければいけないことが1st seasonと比べても質も量も変わった気がします。
――1st seasonでは途中で仲間が助けてくれたり、希望も見えましたが、今回は光明が……。
小林:ないですよね。その回のループで、光明を見出して戻るということはなく、ただ新しい情報が得られるだけで。ひどい話ですよね(笑)。
――見ている我々もスバルがどんなに過酷な状況になっても反撃へのヒントが見えた時には「待ってました!」と思ったし、章終わりには達成感やカタルシスがあったけど、2nd seasonでは現時点ではそれもなくて。
小林:そうですよね。僕も前半クールが終わって、まったくスッキリしてません。後半の収録が続いている今もですけど(笑)。
収録時に懐かしさも感じることも
――2nd seasonの前半の収録で想い出深いことはありますか?
小林: 2nd seasonから登場するキャラも多く、魔女たちのように途中から登場するケースもあったので、「これはどういうことなんですか?」とか「前回もこんなやりとりしませんでしたか?」とよく尋ねられて、説明をするという。「1st seasonの時もこんなことしていたな」と懐かしさも感じました(笑)。
あと、「魔女たちの茶会」(37話[2nd season 12話])でスバルが死んだ後の世界線に登場するということで、ユリウス役の江口拓也君がスタジオにきていて、江口君は「やっぱり、おもしろいね、『リゼロ』は。ここ来る前に新編集版を全話見返してきちゃってさ…おもしろいよね」と言ってました(笑)。ラインハルト役の中村悠一さんとか、現場で会うこと自体が久しぶりの方が多かったので、近況の話も多かったです。