この記事をかいた人
- 二城利月
- 元アニメイトタイムズの編集者で、現在はフリーのライター。アニメ、声優、VTuberの記事など作ってます。
『艦隊これくしょん-艦これ-』(以下、『艦これ』)の7周年を記念して制作中のコンピレーションアルバム「KanColle Memorial Compilation」が11月25日に発売!
フライングドッグとC2機関によるキャラクターソング新曲4曲に加え、TVアニメのオープニングテーマ「海色」、エンディングテーマ「吹雪」に加え、劇場版主題歌「帰還」の3曲がカバーされて収録されています。
書き下ろしの新キャラクターソングは、「榛名の時間/榛名」(CV:東山奈央)、「羊羹恋歌/間宮」(CV:堀江由衣)、「奔りだす風/島風」(CV:佐倉綾音)、「お散歩日和/睦月」(CV:日高里菜)、の4曲。
またカバー曲は、TVアニメ『マクロスΔ』の、戦術音楽ユニット “ワルキューレ” のエースボーカルとしても活躍する実力派シンガー・JUNNAが「海色」を歌唱。また「時雨」を始めとした数々の艦娘の声と、原作C2機関で『艦これ』企画/開発をその初期から支えるタニベユミさんが劇場版主題歌「帰還」を、そして国内外問わず活躍しているバイリンガルアーティスト・ナノさんが「吹雪」のカバーを担当します。
この豪華なCDの発売に先駆け、アニメイトタイムズでは収録されている楽曲を歌った7名のキャスト・アーティストにインタビュー! 連続インタビュー企画として全7回に渡ってお届けしていきます。
第3回は劇場版主題歌「帰還」のカバーを歌うタニベユミさんにたっぷり答えていただきました!
・第1回|榛名役・東山奈央さんインタビュー
・第2回|JUNNAさんインタビュー
──今回劇場版主題歌「帰還」のカバーを歌った感想をお願いします。
タニベユミさん(以下、タニベ):とても大切な楽曲を歌わせて頂けたこと、思いもよらない巡り合わせにただただ感謝です。
「艦これ」「帰還」、作品や提督の皆さんの想い、そして艦、艦娘それぞれ「帰還」に寄り添えたらいいな……と思いながら、私なりに精一杯、心を込めて歌わせていただきました。
──初めてこの楽曲を聞いた時の印象はどうでしたか?
タニベ:自分自身の人生経験では図り切れないほどの想いが詰まっていると感じました。この曲を、歌詞を受けて、経験や心は人それぞれではありますが、誰もが共鳴する部分をどこかに持ち合わせているのではないかと思います。
──歌って難しかった部分や気をつけた部分などありますか?
タニベ:溢れ出すような感情を”出して”表現するのではなく”抑える”ことによって表現する、というのは難しくもあり、歌う時に気を付けた部分です。
──劇場版『艦これ』を当時見た時の感想はいかがでしたか?
タニベ:「希望」という言葉にはたくさんのニュアンスがある……と考えるきっかけになりました。
まぶしく照らす夏の日差しのような希望。薄暗い雲の隙間からかすかに見える光のような希望……。その時々で「希望」は形を変えるんだ。そしてそれを「希望」と感じるのは自分の心次第かもしれない、とあらためて色々とその言葉の意味を考えました。
──劇場版『艦これ』が上映されていた時期の思い出は何かありますでしょうか。
タニベ:劇場版の舞台挨拶に参加させていただいたのですが、ちょうどクリスマスの日だったんです。その日、ブラウザ版本家の自分の艦隊で、「赤城」さんがあと1回出撃すればLv.99になり、ケッコンカッコカリが出来る、というタイミングでした。ステージで「赤城」さんの声を担当されている藤田咲さんに、「私「赤城」さんと「クリスマス婚」してもいいでしょうか?」と直接聞いてみたことがあって。直後、藤田さんより先に、「赤城」さんと一航戦として並び立つ「加賀」さん声を担当されている井口裕香さんに「ダメです!」と一旦止められてしまいました! が、その後無事、お二方からお許しを頂いて、「赤城」さんとクリスマスケッコンカッコカリをさせてもらいました。そんな思い出を持つ私の艦隊「赤城」さんと「加賀」さんは、今も同じLvで活躍しています!
──タニベさんは『艦これ』イベントでの歌唱回数も多く、カバーからオリジナルまで広く歌っていますが、艦娘として歌う時に気をつけていることなどあれば教えてください。
タニベ:その「艦娘」が歌っていると感じていただけるように、ということを何より大事にして歌っています。歌うというよりは、艦娘としてお話している、話しかけている、くらいの気持ちです。なので、裏声を全く使わない艦娘もいれば、そうでもない子もいて、自分の中にある「彼女はこういうタイプ」という艦娘の姿を、楽しく想像しながら歌わせて頂いています。
──今まで歌ってきた『艦これ』楽曲の中で一番印象に残っているものを教えてください。
タニベ:どの曲にもそれぞれ思い出があります。「Bright Shower Days」は初めて歌わせて頂いた曲なので、出来上がった当時はとても嬉しくて何度も何度も聴いていました。また、長く、そして何回も歌っている点では「艦娘音頭」! リアルイベントで提督の皆さんと一緒に踊っているときの一体感は、大人になってからではなかなか味わえない学生時代のお祭りのような高揚感があります。「佐世保の時雨」も、とても大切な一曲です。
──タニベさんはガチ提督(『艦これ』プレイヤー)であり、また多くの艦娘を演じていますが、お気に入り、または、思い入れのある艦娘はいますか?
タニベ:もちろん自分が担当する艦娘たちはみんな大好きです。あえて一提督として、提督目線のみでいうと、実は「村雨」かも知れません。レベルソートで一番上に表示したいがために、「姉妹艦は同じレベルで揃える」という自分の艦隊運用のこだわりをその点においては忘れて、一番高いレベルにしています。
──逆に演じた艦娘以外で好きな、気になる艦娘はいますか?
タニベ:本当にたくさんいます。「大井」っち・「加賀」さん・「山城」とかとか……。「艦娘」それぞれの内に秘めていたり秘めていなかったりする「愛」が激しい感じの子が好きですね。その「愛」を私が受けたいのか、一緒に愛を迸らせたいのかは、自分でも謎ですが……!
──今回のコンピレーションアルバムは7周年記念のアルバムとなっていますが、艦これの歴史の中で印象に残っていることはありますか?
タニベ:もう八年になる「艦これ」の歴史の中で、本当に駆け抜けてきているのかなと思うので、どれも昨日のことのようであり、ずっと昔から一緒にいるような……。特の印象深いことは、1/1原寸大「瑞雲」を見た時でしょうか。こんな機体が実際に空に飛び立つように作られ、そして空を駆けていたんだな……と。その時の不思議な衝撃は忘れません。この作品に出逢わなければ、一生こんな思いを馳せることはなかったかもしれないと思うと、とても感慨深く、強く覚えています。
──『艦これ』と言えば「カレー」のイメージがありますが、想い出の手料理などはありますでしょうか?また、そのエピソードなどをお聞かせください?
タニベ:まだ小学生くらいの小さい頃に、おばあちゃんに納豆チャーハンを作ったことがありました。そもそも微妙な出来で、しかも後から気づいたのですが実はおばあちゃんは納豆が苦手だったんです。でも、美味しい美味しいと食べてくれて……。おばあちゃんのやさしさに、ほろ苦いけど少し気持ちが温かくなる、私の料理の思い出です。
──最後に、提督(読者)のみなさんにメッセージをお願いします。
タニベ:提督の皆さん、いつも「艦娘」たちや彼女たちを感じる世界観を共有して、そして大切にしてくださり、本当にありがとうございます。今回のコンピレーションアルバムでは「帰還」という大切な楽曲を、タニベユミとして歌わせていただきました。聴いてくださる方によって、「艦娘」の誰かであったり、その時の心模様によってさまざまな想いや風景を感じていただけたら嬉しいです。皆さんの人生の一瞬に、共に過ごす時があればとても嬉しく思います。皆さんとであれば、今までに見たことのないものや想像もしなかったことでも、一緒に楽しめる時間とすることができると思っています。どうぞこれからも一緒に、新しい体験をつくっていきましょう!そのために、私も日々、色々なことに挑戦していきたいと思います。
(取材・文:二城利月)
某美少女ゲーム雑誌の編集、アニメイトタイムズの編集を経て、現在はフリーで活動中のライター。主にアニメ、声優、VTuber、ゲーム、車などの記事を作ってます。好きなアニメは『ガルパン』、『艦これ』、『はいふり』、『ラブライブ!』、『ゆるキャン△』、『放課後ていぼう日誌』など。聖地巡礼が好きで、ハマるとすぐ飛んでいきます。
発売日:2020年11月25日発売
価格:3,300円(税込)
≪収録曲≫
【キャラクターソング】
01.榛名の時間/榛名(CV.東山奈央)
02.お散歩日和/睦月(CV.日高里菜)
03.奔りだす風/島風(CV.佐倉綾音)
04.羊羹恋歌/ 間宮(CV.堀江由衣)
※トラック5~8は各曲のインストゥルメンタルを収録
【カヴァーソング】
09.帰還 / タニベユミ
10.海色 / JUNNA
11.吹雪 / ナノ
メーカー特典:スペシャルイラストカード(ジャケット絵柄)
封入特典:特製スリーブケース(初回)
©DMM / C2 / KADOKAWA ©C2Architecture All Rights Reserved.