この記事をかいた人
- 篭法
- 内向的で口下手、典型的な陰の者。テーマやメッセージ、登場人物の心情を考えさせられるアニメが好み。小説も好き。
――2020年はそういった機会が本当になかったです。いい曲を多数詰め込んだ『Shall we☆Carnival』をひっさげてのツアーも本来なら開催される予定でした。
久保田:ねー……。リハもしてたのに(苦笑)。
――そういう意味でも、この2020年は振り返ってみていかがでしたか?
久保田:ファンのみんなと会える機会がホントにドッと減っちゃって。私は会えたほうが嬉しいタイプなので悲しかったんですけど、下半期に入ってから少しずつできるようになって、先日も京都で有客ライブをやったりしたんですけど、みんなの元気な顔を見れて……なんかホッとしました。「(みんなが)生きてた~!」って(笑)。
ファンって不思議な存在で。別に友達でもないし、身内でもない。いうなれば赤の他人で、街中で会ったとしても「おう!」って声をかけたりもしない。
でも...私の中ではいないといけない存在で、生きててくれなきゃいけない存在で。
「ファンの皆さんって大事なんだな」ってより実感できた一年でした。8年間毎月のようにあったことなので。
会えるのが普通で、喋れるのが普通で、自分の中で特別なことではないと思っていたんですけど。それが特別なことで、貴重なことだということが改めて実感できたというか。
今までの握手会やライブを適当にやってたわけじゃないですけど、より貴重なことだと分かりました。そういったことが来年は少しずつできるようになったら、より大切にしたいな、と思える一年でした。
――活動自体もほとんど白紙になったといっていいほど、激変したことかと思います。
久保田:そうですね。特にツアーとかが全部なくなって。リリイベもなくなっちゃったので、実際にファンと喋れる機会がめちゃくちゃ減ってしまって。大丈夫かなあ。最後に会った時は「就活してる」と言ってた人はちゃんと就職できたのかな、とか思ったりして。
――そう思ってもらえるのはきっとファン冥利に尽きますね。一瞬でも頭によぎってくれる、というのは。
久保田:そうですかね? そうだと嬉しいですけど(笑)。でも、こっちから会いに行くことってできないので。会いに来てくれなきゃ喋れない、というのは日常生活でも悔しいと思いますね。
例えば、握手会でめっちゃ盛り上がった話題があって、数日後に普通に日常を過ごしてる中で、それに関連するものを見つけて、「見つけた! ほらあのときの!」と伝えたくても、ファンが来てくれなきゃ伝えられないので。今はそういう機会もないので、ずっと自分の中ですべてがモヤモヤしてますね(笑)。
――それは悔しいですね。では、2021年、久保田さんはどうなっていたいですか?
久保田:去年、自分のソロのイベントで、真冬の豊洲でバーベキューをみんなでする、というヤバいイベントをやったんですけど(笑)、そんな感じのイベントができるような世の中になっていてほしいなって思います。
――また極寒の中でバーベキューを?
久保田:今は絶対できないじゃないですか。....なんか、喋りたい。
――ファンの方と?
久保田:はい。いろんな感想も聞きたいし、「自粛期間中なにしてたの?」っていうのを実際に会って喋りたいです。
――配信でコメント読んで、みたいなことをすれば疑似的には近い形になると思いますが、それはやっぱり久保田さん的には違う、ということですね。目の前にいて、目を見て話したいという。
久保田:それもあるし、配信だと誰が誰だか分からないじゃないですか。しかもよくある名前だったら、本当にその人が自分の想像してるその人か分かんないですし。「この人と喋ってる!」という感覚がほしいんですよね。存在しててほしい。
――なるほど。僕が『i☆Ris』を担当してから、ずっと思っていたことなんですが、久保田さんってどこか掴みどころのない感じがあるなって。
久保田:そうですか?(笑)。
――変に距離を取っているわけでもなく。いつも自然体。だから、少し距離感が見えなくて。でもこうやってお話していく中で少し分かった気もします。まだまだ全容はまったく分からないですけど(笑)。
久保田:あはは(笑)。でも「掴みどころない、分かんない」とはよく言われます。
――そういう分からないところもまた、ファンを惹き付けているのかもしれませんね。
久保田:別に単純なんですけどね。...フワッとしてますか?
――そうですね。フワッとしてるように見えました。
久保田:へえ~。でも確かに、他のメンバーって分かりやすい夢があるじゃないですか。「私は○○になる!」というような。私はもともと「声優になる!」と思って声優になったわけでも、「アイドルになる!」と思ってアイドルになったわけでもないからなのかな、と思っていて。
ただ、この仕事をやっていく中で「楽しいな!」と感じたことを続けているだけなので、「最終目標はなんですか?」と言われても、ないんですよね。
「じゃあなんでやってるの?」って言われたら、ファンと喋るのが楽しいからなんですよ。写真集もなぜ出したかと言われたら、自分が写真を撮られるのが好きっていうのもありますけど、出したらファンのみんなが喜んでくれるだろうな、と考えてのことですし。
声優として役が決まるのも、「演じることが楽しい!」という気持ちもありますけど、応援してくれてるファンに「新しいアニメの役決まったんだ!」と言ったら絶対喜んでくれるじゃないですか。そういう感覚で基本的に動いてますね。
――ファンから愛されている人ってそういう傾向がありますよね。ファンのみんなが嬉しそうな顔をしてるから、ファンがいるから頑張れるという。
久保田:ホントそんな感じです。ライブもツアーも、あんなに何十曲も歌って踊って大変だけど、ファンの方が楽しんでくれるならやろう、といつも思ってます。
――ファンのために頑張っている、というのが愛されるポイントなんでしょうね。
久保田:引き続き愛されていきたいです。
――ありがとうございます。それでは最後の質問です。改めて「片道切符」を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。
久保田:初のデジタル写真集ということで、紙媒体よりも手が出しやすいというか、「見たい! ポチ」で終わるので、ファースト写真集「未夢」よりも気軽に見られる作品になってると思います。
無邪気に楽しんでる姿もあれば、作りこんで大人っぽくしている姿もあって、よりいろいろな表情が見られるので、最近知ってくださった方にも「あのセクシーなキャラクターを演じているところしか知らなかったけど、こんな無邪気な顔が見れるんですね!」とか、「元気なアイドルやってる姿しか知らなかったけど、こんな大人っぽい姿も見れるんですね!」と思っていただけたら、気軽に見ていただけたら、と思います。
「片道切符」という名前は、箱根から連想する電車要素でもあり、「久保田未夢」という駅というか存在にハマってもらって、帰ってほしくないな、という気持ちも含まれてるんだよ、と名付けてくれたスタッフさんから聞かされて「ああ~、納得!」となりました。ぜひ「久保田未夢」という駅から帰らず、ずっとここに永住する勢いでハマり続けていただけたらと思います。
――ありがとうございました!
[取材&構成・川野優希 / 文・篭法]
中学までは運動部だったが、だんだんインドア趣味になり、今では完全に陰の者。小説が好き。ライターを志すきっかけになったアニメは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。その他に好きな作品は『91Days』『SSSS.GRIDMAN』『ワンダーエッグ・プライオリティ』など。アイドル系の作品にはあまり触れてこなかったが、1年ほど前から『シャニマス』にハマり、ライブにも足を運ぶようになった。
発売日: 2020/12/25(金)
価格:2,750円(税込)
発売元: エイベックス・ピクチャーズ株式会社
~デジタル写真集「片道切符」発売記念LINE企画開催中~
久保田未夢オフィシャルLINEアカウントを登録してメッセージを送ると、LINEならでは返信が!キーワードによって返信も変わったり、オフショットなども投稿予定です。ぜひお楽しみください♪
□久保田未夢LINEアカウント
□久保田未夢(i☆Ris) (@iRis_k_miyu) Twitter
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