声優
久保田未夢 デジタル写真集「片道切符」発売記念インタビュー後編

声優/アイドル・久保田未夢へ21個の質問をぶつけてみた|初のデジタル写真集「片道切符」発売記念独占ロングインタビュー【後編】

 

ファンの皆さんから引き続き愛されたい

――2020年はそういった機会が本当になかったです。いい曲を多数詰め込んだ『Shall we☆Carnival』をひっさげてのツアーも本来なら開催される予定でした。

久保田:ねー……。リハもしてたのに(苦笑)。

――そういう意味でも、この2020年は振り返ってみていかがでしたか?

久保田:ファンのみんなと会える機会がホントにドッと減っちゃって。私は会えたほうが嬉しいタイプなので悲しかったんですけど、下半期に入ってから少しずつできるようになって、先日も京都で有客ライブをやったりしたんですけど、みんなの元気な顔を見れて……なんかホッとしました。「(みんなが)生きてた~!」って(笑)。

ファンって不思議な存在で。別に友達でもないし、身内でもない。いうなれば赤の他人で、街中で会ったとしても「おう!」って声をかけたりもしない。

でも...私の中ではいないといけない存在で、生きててくれなきゃいけない存在で。

「ファンの皆さんって大事なんだな」ってより実感できた一年でした。8年間毎月のようにあったことなので。

会えるのが普通で、喋れるのが普通で、自分の中で特別なことではないと思っていたんですけど。それが特別なことで、貴重なことだということが改めて実感できたというか。

今までの握手会やライブを適当にやってたわけじゃないですけど、より貴重なことだと分かりました。そういったことが来年は少しずつできるようになったら、より大切にしたいな、と思える一年でした。

――活動自体もほとんど白紙になったといっていいほど、激変したことかと思います。

久保田:そうですね。特にツアーとかが全部なくなって。リリイベもなくなっちゃったので、実際にファンと喋れる機会がめちゃくちゃ減ってしまって。大丈夫かなあ。最後に会った時は「就活してる」と言ってた人はちゃんと就職できたのかな、とか思ったりして。

――そう思ってもらえるのはきっとファン冥利に尽きますね。一瞬でも頭によぎってくれる、というのは。

久保田:そうですかね? そうだと嬉しいですけど(笑)。でも、こっちから会いに行くことってできないので。会いに来てくれなきゃ喋れない、というのは日常生活でも悔しいと思いますね。

例えば、握手会でめっちゃ盛り上がった話題があって、数日後に普通に日常を過ごしてる中で、それに関連するものを見つけて、「見つけた! ほらあのときの!」と伝えたくても、ファンが来てくれなきゃ伝えられないので。今はそういう機会もないので、ずっと自分の中ですべてがモヤモヤしてますね(笑)。

――それは悔しいですね。では、2021年、久保田さんはどうなっていたいですか?

久保田:去年、自分のソロのイベントで、真冬の豊洲でバーベキューをみんなでする、というヤバいイベントをやったんですけど(笑)、そんな感じのイベントができるような世の中になっていてほしいなって思います。

――また極寒の中でバーベキューを?

久保田:今は絶対できないじゃないですか。....なんか、喋りたい。

――ファンの方と?

久保田:はい。いろんな感想も聞きたいし、「自粛期間中なにしてたの?」っていうのを実際に会って喋りたいです。

――配信でコメント読んで、みたいなことをすれば疑似的には近い形になると思いますが、それはやっぱり久保田さん的には違う、ということですね。目の前にいて、目を見て話したいという。

久保田:それもあるし、配信だと誰が誰だか分からないじゃないですか。しかもよくある名前だったら、本当にその人が自分の想像してるその人か分かんないですし。「この人と喋ってる!」という感覚がほしいんですよね。存在しててほしい。

――なるほど。僕が『i☆Ris』を担当してから、ずっと思っていたことなんですが、久保田さんってどこか掴みどころのない感じがあるなって。

久保田:そうですか?(笑)。

――変に距離を取っているわけでもなく。いつも自然体。だから、少し距離感が見えなくて。でもこうやってお話していく中で少し分かった気もします。まだまだ全容はまったく分からないですけど(笑)。

久保田:あはは(笑)。でも「掴みどころない、分かんない」とはよく言われます。

――そういう分からないところもまた、ファンを惹き付けているのかもしれませんね。

久保田:別に単純なんですけどね。...フワッとしてますか?

――そうですね。フワッとしてるように見えました。

久保田:へえ~。でも確かに、他のメンバーって分かりやすい夢があるじゃないですか。「私は○○になる!」というような。私はもともと「声優になる!」と思って声優になったわけでも、「アイドルになる!」と思ってアイドルになったわけでもないからなのかな、と思っていて。

ただ、この仕事をやっていく中で「楽しいな!」と感じたことを続けているだけなので、「最終目標はなんですか?」と言われても、ないんですよね。

「じゃあなんでやってるの?」って言われたら、ファンと喋るのが楽しいからなんですよ。写真集もなぜ出したかと言われたら、自分が写真を撮られるのが好きっていうのもありますけど、出したらファンのみんなが喜んでくれるだろうな、と考えてのことですし。

声優として役が決まるのも、「演じることが楽しい!」という気持ちもありますけど、応援してくれてるファンに「新しいアニメの役決まったんだ!」と言ったら絶対喜んでくれるじゃないですか。そういう感覚で基本的に動いてますね。

――ファンから愛されている人ってそういう傾向がありますよね。ファンのみんなが嬉しそうな顔をしてるから、ファンがいるから頑張れるという。

久保田:ホントそんな感じです。ライブもツアーも、あんなに何十曲も歌って踊って大変だけど、ファンの方が楽しんでくれるならやろう、といつも思ってます。

――ファンのために頑張っている、というのが愛されるポイントなんでしょうね。

久保田:引き続き愛されていきたいです。

――ありがとうございます。それでは最後の質問です。改めて「片道切符」を楽しみにしているファンの方へメッセージをお願いします。

久保田:初のデジタル写真集ということで、紙媒体よりも手が出しやすいというか、「見たい! ポチ」で終わるので、ファースト写真集「未夢」よりも気軽に見られる作品になってると思います。

無邪気に楽しんでる姿もあれば、作りこんで大人っぽくしている姿もあって、よりいろいろな表情が見られるので、最近知ってくださった方にも「あのセクシーなキャラクターを演じているところしか知らなかったけど、こんな無邪気な顔が見れるんですね!」とか、「元気なアイドルやってる姿しか知らなかったけど、こんな大人っぽい姿も見れるんですね!」と思っていただけたら、気軽に見ていただけたら、と思います。

「片道切符」という名前は、箱根から連想する電車要素でもあり、「久保田未夢」という駅というか存在にハマってもらって、帰ってほしくないな、という気持ちも含まれてるんだよ、と名付けてくれたスタッフさんから聞かされて「ああ~、納得!」となりました。ぜひ「久保田未夢」という駅から帰らず、ずっとここに永住する勢いでハマり続けていただけたらと思います。

――ありがとうございました!

[取材&構成・川野優希 / 文・篭法]

 

中学までは運動部だったが、だんだんインドア趣味になり、今では完全に陰の者。小説が好き。ライターを志すきっかけになったアニメは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。その他に好きな作品は『91Days』『SSSS.GRIDMAN』『ワンダーエッグ・プライオリティ』など。アイドル系の作品にはあまり触れてこなかったが、1年ほど前から『シャニマス』にハマり、ライブにも足を運ぶようになった。

この記事をかいた人

篭法
内向的で口下手、典型的な陰の者。テーマやメッセージ、登場人物の心情を考えさせられるアニメが好み。小説も好き。

担当記事

関連記事
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』名言・あらすじまとめ|心に響く名台詞とともに、ひとりの少女の愛の物語を振り返り!【『外伝』『劇場版』のネタバレあり】
暁佳奈先生の小説を原作とし、京都アニメーションが制作したアニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。2018年にTVアニメ、2019年に劇場作品『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-』、そして2020年に完結作『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』が公開され、美麗な画作り、心震わすお芝居・音楽、感動的かつ普遍的な物語などが、日本のみならず世界中のファンを虜にしました。幼少のときから戦争の“道具”として生きてきた孤児・ヴァイオレットが、戦争終結後、人々の想いをくみ取り手紙を代筆する職業「自動手記人形(ドール)」として働いていく中で、さまざまな感情と「愛」を知っていく姿を描いた本作。登場人物たちの言葉はどれも、誰かに伝えたい「想い」があふれており、心に留めておきたくなるようなものばかりです。そこで今回は、本作の印象的な名言(名台詞)を紹介するとともに、ヴァイオレットが歩んだ物語を振り返り! 印象的な台詞とともにヴァイオレットの成長と物語に思いを馳せてみてください。本稿の2ページ目には、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝-永遠と自動手記人形-』と『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のネタバレを含み...
関連記事
「お仕事もの」「サスペンス」「恋愛もの」……さまざまなジャンルの要素を内包した、今一番押さえておきたい漫画『【推しの子】』のあらすじや魅力を紹介!【ネタバレあり】
2020年4月より週刊ヤングジャンプにて連載中、そして少年ジャンプ+でのWEB連載もされている赤坂アカ先生×横槍メンゴ先生による漫画『【推しの子】』。芸能界の華やかな部分、シビアな部分双方をリアルに、ドラマチックに、そして膨大な熱量で描いた作品で、斬新な設定と先が読めない展開も相まって、これまでに多くのファンを獲得してきました。2023年4月からは、動画工房制作でTVアニメがスタート。毎週のように関連ワードがツイッターのトレンドに載るほか、YOASOBIによるOP主題歌「アイドル」のMVが、公開約1ヶ月で再生回数1億回を突破するなど、多方面で話題を呼んでいます。本稿では、作品の魅力や、単行本最新巻までのあらすじをご紹介します!※本稿は作品のネタバレを含みますのでご注意ください。第1巻(第10話)までのあらすじ鮮やかなタイトル回収まずは物語序盤のあらすじをご紹介。地方の産婦人科医師・ゴローはアイドルグループ「B小町」の絶対的センター・星野アイの大ファン。患者の病室でライブDVDを流すほどの筋金入りのオタクで(曰く「美しいものを見ると健康に良い」から)、充実した日々を過ごしていました。そんなある日の診察で彼に衝撃が走ります。なんと「病気療養中」の...
関連記事
春アニメ『魔法使い黎明期』ロー・クリスタス役・岡咲美保さんインタビュー|ロスは「役者としての成長につながっている」演じがいあるキャラクター
講談社ラノベ文庫にて刊行中の、虎走かける先生による本格ファンタジー小説を原作としたTVアニメ『魔法使い黎明期』。2022年4月7日(木)よりTBSにて放送開始となります。アニメイトタイムズでは、放送を記念し、声優陣へインタビューを実施! 今回は、魔法学校に通う主人公・セービルたちの“引率の先生”を引き受ける、魔女・ロー・クリスタス(ロス)を演じる岡咲美保さんです。ロスは、外見相応の子供っぽい一面から、何百年もの時を生きる魔女としての顔まで、多彩な表情を見せるキャラクター。さまざまなギャップを持った彼女を演じるうえで意識していることや、彼女の教え子となるセービルの魅力について語っていただきました。ロスとの出会いは、役者としての成長にすごくつながっている――本作に初めて触れた際の印象をお聞かせください。ロー・クリスタス役・岡咲美保さん(以下、岡咲):まず色彩の綺麗さに目が行き、お話を読み進めていくと、キャラクターひとりひとりが背負っているものの重さや、お話の深さにビックリしました。ロス以外のメインキャラクターであるセブ君(セービル)、ホルト、クドーたち、10代の少年少女の成長を見ていると、「彼らがもし出会っていなかったら、きっ...
もっと見る
関連記事
TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』イベント「第一回 敵<ヴィラン>連合総会」レポート|内山昂輝さん、下野紘さんら敵<ヴィラン>声優陣が生アフレコ、朗読劇でお客さんを“悪の世界”へ誘う
「週刊少年ジャンプ」(集英社)にて連載中の堀越耕平先生の漫画を原作とし、第5期まで放送、第6期の放送が22年秋に決定しているTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』(ヒロアカ)。2021年11月21日(日)に、東京・立川ステージガーデンにて、ヒロアカイベント史上初となる、敵<ヴィラン>オンリーイベント「第一回敵<ヴィラン>連合総会」が開催されました。本イベントには、死柄木弔役:内山昂輝さん、荼毘役:下野紘さん、トガヒミコ役:福圓美里さん、トゥワイス役:遠藤大智さん、Mr.コンプレス役:最上嗣生さん、スピナー役:岩崎了さん、オール・フォー・ワン役:大塚明夫さんら敵<ヴィラン>声優陣が登壇。主人公・デクたちのヒーローサイドとはまったく異なる成長を遂げてきた、敵<ヴィラン>連合の活躍を生アフレコやトークで振り返ったほか、オリジナル台本による朗読劇も行われ、敵<ヴィラン>たちの魅力がより深堀りされました。会場が敵<ヴィラン>一色となり、大きな盛り上がりを見せた本イベント。本稿では、イベント昼の部の模様をお届けします!大塚さんは“タルタロス”からイベントに参加!?ヒロアカイベント史上初となる敵<ヴィラン>のイベン...
関連記事
イラストレーターで選ぶライト文芸おすすめ10選|焦茶さん、望月けいさん、loundrawさん、toi8さん、キナコさんなど有名イラストレーターが物語を彩る珠玉のミステリ作品を紹介!
一般文芸よりも読みやすく、若年層から支持を集めている小説ジャンル「ライト文芸」。書籍の表紙には、焦茶さん、望月けいさん、loundrawさんといったネットシーンを代表するような有名イラストレーターが数多く起用されています。そこで今回は、表紙だけで思わず手に取ってしまうような小説を、ミステリ作品を中心に紹介! キャラクターや世界観を一枚で雄弁に語ったイラストと、一気読み間違いなしな謎と物語が織りなすエンターテインメントをぜひ体感してみてください!ライト文芸とは?10~30代をメインターゲットとした小説の1ジャンル。明確な定義は難しく、一般文芸とライトノベルの中間的なイメージというのが一番分かりやすいかもしれません。一般的な文芸書よりも会話文が多く読みやすい、登場人物が個性的でややキャラクター然としている、ライトノベル的な架空の世界観よりも現実的でリアリティのある物語が重視される、といった特徴が挙げられます。また、ミステリや恋愛、感動系の作品が多い傾向にあります。代表的な作品として頻繁に名前が挙がるのは『君の膵臓をたべたい』(著:住野よる)や『ビブリア古書堂の事件手帖』(著:三上延)、『いなくなれ、群青』(著:河野裕)など...

商品詳細

久保田未夢デジタル写真集『片道切符』

発売日: 2020/12/25(金)
価格:2,750円(税込)
発売元: エイベックス・ピクチャーズ株式会社

~デジタル写真集「片道切符」発売記念LINE企画開催中~
久保田未夢オフィシャルLINEアカウントを登録してメッセージを送ると、LINEならでは返信が!キーワードによって返信も変わったり、オフショットなども投稿予定です。ぜひお楽しみください♪

久保田未夢LINEアカウント
久保田未夢(i☆Ris) (@iRis_k_miyu) Twitter
i☆Ris 公式サイト

おすすめタグ
あわせて読みたい

久保田未夢の関連画像集

おすすめ特集

今期アニメ曜日別一覧
2025年冬アニメ一覧 1月放送開始
2024年秋アニメ一覧 10月放送開始
2025年春アニメ一覧 4月放送開始
2024年夏アニメ一覧 7月放送開始
2024秋アニメ何観る
2024秋アニメ最速放送日
2024秋アニメも声優で観る!
アニメ化決定一覧
声優さんお誕生日記念みんなの考える代表作を紹介!
平成アニメランキング