逢坂良太さんが思う主人公・ノルの魅力はメンタルの強さとそこからくる向上心の強さ!|冬アニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』声優インタビュー【連載】
WEBサイトへ投稿され、講談社 Kラノベブックスから書籍化を果たした人気ファンタジー『俺だけ入れる隠しダンジョン』。本作のTVアニメが、1月から好評放送中です。
その放送を記念して、アニメイトタイムズでは出演声優陣へのインタビューを掲載。第1回は主人公・ノルを演じる声優の逢坂良太さんです!
逢坂さんが本作の見どころだと感じている部分や、ノルのキャラクター性について語ってくれています。またサービスシーンのアフレコ時には、男性目線だからこそのこだわりがあるようで……!?
ノルは「とにかくメンタルが強い主人公」
――最初に「俺だけ入れる隠しダンジョン」に触れたときの印象はいかがでしたか?
ノル役・逢坂良太さん(以下、逢坂):「スキル」というものが目に見えて存在する世界なのが、自分としてはすごく新鮮でした。ファンタジー作品って、自分から「俺ってこんなスキル、持ってるんだぜ!」ってあまり言わないイメージがあったので、世界にスキルが自然に溶け込んでいることを自分なりにどう落とし込んでいくかを最初に考えました。
――確かに、どこかゲームのような世界観ですよね。
逢坂:そうですね。相手のスキルが見られたり、「LP」みたいにステータスが数値化されていたりと、どこかVRゲームのような世界観が面白いなと。僕ら現代の人間が入り込みやすい世界観だなと思いながら読ませていただきつつ、例えば「LP」が現実にあるとしたら「生命力」になるんだろうなと別の言葉に置き換えて理解していきました。
――主人公のノルについてはどういう人物だと捉えましたか?
逢坂:とにかくメンタルが強い主人公ですね。最底辺の貴族に生まれ、上位の貴族に蔑まれているけれど、くじけずに前を向いて生きていける。しかも、強くなろう、成長しようという気持ちも忘れないんです。
強い能力を得るとどうしても慢心することがあると思いますが、ノルは一切慢心せずに与えられた能力を使ってどう成長していくかをずっと考えていきます。それがノルらしさ、彼の魅力だなと感じました。
演じていても、真っ直ぐな少年だなと感じさせられます。たまにスケベなところもありますが(笑)。それはそれで年頃の男の子っぽいですし、人間らしい部分でもあるので、共感しやすいキャラクターですね。
――とても強いスキルを持ってますが、制限があるのも大きいのかもしれないですね。
逢坂:そうですね。結局、LPを消費するという制約があるので、使い過ぎると死んでしまうんです。制限がある中で、自分なりのやり方で歩んでいくのもいいなと思います。
――演じる上ではどんなことを大切にされていますか?
逢坂:一番は……若さですね。実は最初に収録したPVで、何度か「もうちょっと若くお願いします」とディレクションをいただいたんです。確かに、最近はノルぐらいの年齢のキャラクターを演じることが減ってきたといえば減ってきたので、その意味ではオーディションに受かったときはちょっとびっくりしたんです(笑)。
でも、無理のある声ではありませんし、重要なのはいかに声を安定させるかだろうなと、PVの収録でだいたいの方向性は掴めました。ただ、こなれてくると地声に近くなってしまうので、大人っぽくなりすぎたかなと気づいたときは、自分なりに修正して演じています。そこが大変な部分でもあり、やりがいのある部分ですね。
――何かアフレコで思い出に残っていることはありますか?
逢坂:この作品のアフレコ方法がけっこう珍しくて、それがいい形で集中力を保たせてくれているなと感じます。いわゆる「テス本」と言われる、テスト(収録)も本番として録るというやり方です。普通のアフレコだとテストはテスト、本番は本番なんですが、こういうご時世なこともあって、いいものが録れたらテストのものでも採用するというやり方をしていて。収録の流れも普段とちょっと違うんです。
普通の流れだと、Aパートのテストをして、本番を録って、休憩を挟んでBパートというやり方ですが、少人数でのアフレコということもあり、(AパートとBパートを区切らず)このカットからこのカットまで録りますという形で細かく区切りながらアフレコをしています。集中力が切れることはまずないので、このやり方はこの作品の強みだなと感じました。ただ、途中から収録に参加される方は大変かもしれないですね。
――というと?
逢坂:最初に役作りをしたらすぐに本番を録るので、役作りに要する時間が少ないという意味では、例えばゲストキャラクターを演じられる方はなかなか大変なのではないかなと。そういうことがあるので、初めて現場にいらした方には「こういうスタイルで録っています」と簡単にフォローすることがあります。ただ、やっぱり皆さんプロなので、うまい具合に合わせてくださってさすがだなと思います。