『Re:ゼロから始める異世界生活』2nd season後半クール:OP曲「Long shot」歌唱 前島麻由さんインタビュー|「Long shot」はEDMから賭けに出る決意が。英詞からはキャラの内面を描きつつ共感できる言葉がいっぱい!
印象的だったスバルとエミリアのキスシーン。お気に入り2トップにエミリアも!?
――2nd seasonで印象深いシーンとお気に入りのキャラを教えてください。
前島:40話のスバルとエミリアのキスシーンが印象深いです。みんながツライ思いをする描写が多い中でのキスシーンで、しかも甘いラブラブな雰囲気でもなく、感情をぶつけ合った末というのが新鮮でもあり、泣けました。
1st seasonからずっとラムとベアトリスが大好きで。私は女の子キャラにひかれがちで、自分の意見や気持ちをはっきり言ったり、表裏がない子が好きなんです。あとは一番好きな色がピンクという単純な理由もあるんですけど(笑)。
2nd seasonに入ってからはエミリアも私に刺さる女の子サイドに来たなと。1st seasonの時のエミリアは優しいけど繊細であったり、はかない印象があって、笑う時も泣きそうな笑顔だったり。そこが魅力なのかなと思っていたけど、2nd seasonでは40話の感想としてTwitterにも書きましたが、スバルに似てきた感じがして。弱いお姫様ではなく、どんどん強くなっているし、感情を見せるようになったかなと。
キスシーンが印象に残っているのは、そんなエミリアの変化を感じていたことや、その前に言い争いになって涙を浮かべていたからかもしれません。だから今のお気に入りはラムとベアトリスの不動の2トップに、エミリアも加わり、この3人の活躍や変化がすごく楽しみです。
――2nd seasonではラムとベアトリスがフィーチャーされたり、活躍するシーンがあって、前島さん的には嬉しいのでは?
前島:最高です! 今後もワクワクしかありません(笑)。
楽曲と作品が融合する『リゼロ』だからこそ再び歌える喜び。「お帰り」の声にも感謝!
――今回はソロでOPを担当されますが、決まった時の感想やどんな想いで臨まれたのか、お聞かせください。
前島:まさか自分がもう一度、『リゼロ』に関わらせていただけるなんて、想像もしていなかったので驚きました。「えっ!? 私がもう一度『リゼロ』で歌っていいんですか?」と嬉し泣きしました。
MYTH & ROIDとして『リゼロ』の曲をたくさん歌わせていただいて、どの曲にも思い入れがあったし、作中で流れた時の感動も今でも覚えています。『リゼロ』はOP→本編→EDと物語と曲が分離して挟み込むのではなく、楽曲と物語が1つに融合しているなと感じていたからこそ、また戻ってこられたことが嬉しかったし、「今度はどんなふうに曲と作品が溶け込んでいくのだろう?」という期待感がありました。
――発表後の反響はいかがでしたか?
前島:皆さん、とても喜んでくださいました。「お帰り!」とか「『リゼロ』でまた麻由ちゃんの歌が聞けて嬉しい!」とおっしゃっていただけて。でもMYTH & ROIDとして歌っていた楽曲たちの魅力もわかっているからこそ、ソロとして新たに関わることやみんながどう受け止めてくれるだろうという不安や緊張もありましたが、私がまた『リゼロ』に携わるということに意義やポジティブに受け取ってくださる方がこんなにいるんだと実感できてありがたかったです。
OP曲「Long shot」は分の悪い賭けに出る決意をEDMと、英詞ではキャラの内面を
――では2nd season後半クールOP曲「Long shot」のご紹介をお願いします。
前島:分の悪い賭けに出る決意や強い意志がEDMのサウンド感から感じられて、歌っても聞いても気持ちが高揚する曲だなと。そして『リゼロ』の今後の展開にもマッチしていると思います。この曲は英詞が多いんですけど、歌詞の内容がすごくいいんです!
――ほぼ9割が英詞ですね(笑)。1Aの「Tell me what do you want from me」や「Looking for the escape from pain」などスバルの想いや作中のいろいろなシーンが思い浮かぶ歌詞ばかりで。
前島:キャラクターがセリフとして言っていてもおかしくないんですよね。少ない日本語の部分が際立っていて、スバルの心情や今後の『リゼロ』のパワフルさを出していますが、英詞の部分はもっと内面的なところを描いているので、ぜひ意味を知ってほしいし、私自身もいつかお伝えできたらいいなと思っています。
楽曲とスバルのエネルギーを歌声に。英詞だからこそ歌い分けにもこだわり
――ボーカルの力強さはこれから攻勢に出るスバルにリンクしていると思いました。
前島:OP曲という部分もありますが、楽曲が持つ力強さとスバルの心情とのリンクを考えた時、そのエネルギーを歌声でも表現したいと思っていたので、そう聞こえたのなら嬉しいです。
――でもパワフルさだけではなく、ウイスパーっぽい歌い方で神秘性があったりと、1曲の中でいろいろな表情が見えて。特に1サビ前とラスサビ前の「Drop down the reason why I'm standing here alone」から始まる4行は歌い方が違って、ラスサビ前の歌い方は荒々しさやダークさが感じられて、1人の中に違う人格がいたり、作中の魔女を想像させるような。
前島:日本語の場合は歌声と内容を一緒に伝えることができるけど、英詞ばかりだと内容がつかみにくいからこそ、歌い方で印象を伝えることが大切だと思っていて。じっくり聞いていただいて歌い分けしているそれぞれの部分が意味することを想像してみたり、歌詞を和訳することでわかることもあって。聞くだけで終わらない、おもしろさもあり、深い楽曲になっていると思います。
――『リゼロ』らしい作品に寄り添いつつ、考察が捗りそうな曲ですが、ダンスミュージックなのでノレるし、クラブで流れても違和感なく、「カッコイイな」と思うのでは?
前島:『リゼロ』を知らない方でも、海外のアニメファンの方でも、楽しんで聞いていただけるかと思います。そして英詞が多くて、サウンドにも枠を作らず、どんな人でも楽しめたり、ノレる楽曲はある意味、ボーダーレスで、今のアニソンシーンにも合っているし、日本にとどまらず、世界中にファンが多い『リゼロ』らしい曲になったかなと。
(C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会