堀江由衣さん、オリヴィアの演技は余裕のある雰囲気を出しつつ、わりとオーバーな感情表現を大事に|冬アニメ『俺だけ入れる隠しダンジョン』声優インタビュー【連載】
WEBサイトへ投稿され、講談社 Kラノベブックスから書籍化を果たした人気ファンタジー『俺だけ入れる隠しダンジョン』。本作のTVアニメが、1月から好評放送中です。
アニメイトタイムズではその放送を記念して、出演声優陣へのインタビューを掲載。第6回は、ノルに世界最強のスキルを授けたオリヴィアを演じる堀江由衣さんです!
オリヴィアはノルにとっては師匠と言うことですが、堀江さんは演じる際にノルをからかうようなニュアンスを乗せ、オリヴィアが“ただ者ではない感”を演出していたのだとか。また、このほかにも作品全体や、自身が演じるオリヴィアの魅力を語ってくれています。
連載は今回が最終回となりますので、アニメの放送とあわせ最後までチェックしてみてくださいね!
欲望でLPを増やすことはなんとなくだが理解できる
――いよいよクライマックス直前ですが、ここまでの率直な感想はいかがですか?
堀江:いい意味でノル君がサクセスしていくお話だなと思います。隠しダンジョンを見つけ、オリヴィアに出会い、スキルを授かって誰かを助けていく。ちょっとずつ強くなりながら自分の環境も変わっていくところが正統派のゲームのようで、見ていて気持ちいいです。
――確かにロールプレイングゲームのようですね。
堀江:そうなんです。頑張ることでいいアイテムが手に入ったり、自分が成長したりと、積み重ねたものが花開いて、報われていくのがちゃんと見られるので、毎回、爽快な気分になれます。
――ノルのスキルとLPの設定についてはいかがでしたか?
堀江:スキルを【編集】したり、【付与】したりと、頭を使ってスキルを書き換えていくのが面白いなと思いました。女の子とイチャイチャしてLPを貯めるという設定も、「合法的にいろいろできるじゃん!」って(笑)。妙に納得してしまいました。
でも、欲望でLPを増やすってなんとなくわかるなと思ったんです。だって、おいしいものを食べたら私だってテンションがあがりますし、テレビでかわいいアイドルやかっこいいアイドルを見たら楽しい気持ちになりますよね? すごくわかりやすい設定だなと思います。
――オリヴィアについてはどんなキャラクターだと捉えていますか?
堀江:最終回まで演じさせていただいた感想は、とにかくカッコよくて素敵な人だな…と。一見、捕らわれていて不幸そうな立場に見えますが、底抜けに明るかったり、いい加減なところがあったりと、つらさを感じさせないところがかっこいいですよね。
それから、ファンタジーの世界観の中で、一人、どこか現代的な感覚があるところが面白いなと思ったんです。言葉使いも今風ですし、どこか飄々と達観しているところがあって。そこに他のキャラクターとの違いを感じました。
――冒険者として酸いも甘いも知っているからこその飄々とした感じなのかもしれないですね。
堀江:きっと楽しかったこともあれば、大変だったこと、つらかったこともたくさん経験してきたと思うんです。それゆえの器の大きさが感じられますし、弱い部分をノル君に見せない強さもあって、私もこうありたいと思いました。
――演じる上ではどのようなことを大事にされていますか?
堀江:余裕のある雰囲気を出しつつ、わりとオーバーな感情表現を大事にしています。テレパシーのように心と心で会話をするので、感情が伝わりやすいだろうなと思ったんです。もちろん、映像として表情が動かない分、セリフでの感情表現が大事になるという理由もありますし、逆に動かない分、自由に出来るな〜って(笑)。
――どこか、ノルを手玉に取るような感じもありますよね。
堀江:そうなんです。泣いたふりもするし、拗ねたふりもするし、全部わかった上でノル君を手のひらの上で転がすようなところがあります。邪気のある無邪気さ、みたいな感じですね(笑)。ノル君をからかうようなニュアンスが乗ると、オリヴィアの“ただ者ではない感”が出るんじゃないかなと思いながら演じていました。
――オリヴィアは口パクがなかったり、表情変化もなかったりと、キャラクターの芝居がビジュアルとして見えませんが、その大変さはありましたか?
堀江:原作を読ませていただいていたので、アニメになったときどうするんだろうって、最初に不安だったのはまさにそこでした。なので、音響監督さんにモノローグ的な話し方のほうがいいですかと伺ったら、「普通に元気な感じでお願いします」と。内側に向けていくモノローグ的な喋り方ではなく、わりとテンション高く、ノル君にしっかり言葉を伝えるように話すことになりました。
ただ、声を加工することになるので、逢坂(良太)さんと一緒にアフレコしながらも声が被らないように注意しないといけなくて。その難しさはありました。
ずっと鎖(死鎖呪)に繋がれて口と目を閉じているので、アドリブもほとんどないんです。例えば、普通だったら体を動かすときやリアクションするときに息づかいのアドリブを入れることがあるんですが、それがなかったのは不思議な感覚でした。