アニメ『ゾンビランドサガ リベンジ』巽幸太郎役 宮野真守さん×MAPPA 大塚 学さん×Cygames 竹中信広さん×dugout 岡田拓郎さん座談会|幸太郎が歌う「Never ending saga」思わず泣ける曲に【SAGA_R:11】
岡田さんは『ゾンビランドサガ』が誕生するまで、そして現在までの見届け人
――岡田さんは『ゾンビランドサガ』シリーズについてどう思われていますか?
岡田:いまだに想い出に残っているのは、僕がCygamesさんでゲームの収録をしている時、竹中さんから「今どこにいるの?」とLINEが飛んできて。「今、御社でゲーム収録してますよ」と返したら、うれしそうに第1稿を持って来て、「これ、見てよ」と。
読んでみたらいきなり主人公が車に吹っ飛ばされていて、ゲームの収録をしている現状のテンションではまったく理解できなくて。「まあ、おもしろいっすね」くらいな感じでやり過ごしたんです(笑)。それ以前に、お2人が「アイドルゾンビ」「アイドルゾンビ」と話していて。「『神撃のバハムートGENESIS』のリタがアイドルしたらかわいいんじゃないか」と言っているのを聞いて、すごい発想だなと思ったのを覚えています。
そうやって作品が形になっていく過程を間近で見てましたね。大塚さんからは1期の3話あたりで「大丈夫かな? 受け入れられるかな?」というLINEが飛んできたりして。
竹中:みんな、まあまあ不安だったからね。
宮野:僕らも不安でしたよ。アフレコ中、ずっと。
一同: (爆笑)
岡田:でも、みんないい感じにストレスがかかっているから、一生懸命頑張るので、その結果として1期がちゃんとハネたし、2期も受け入れられている。このお2人であったり、今福(太郎)さん(エイベックス・ピクチャーズ)や村上(貴志)さん(元:エイベックス・ピクチャーズ/現:サイバーエージェント)たちが頑張って、役者さんに渡ったモノを役者さんがちゃんとやってくれて、絵にちゃんと落とし込んでくれて、ファンの皆さんがついてくれて。そういう一連の流れを見られた作品はなかなかないし、いい作品だなと思いました。
竹中:意外とまじめにやっていたと言っておいてもらっていいですか?
岡田:意外とまじめにやってました(笑)。
宮野:意外じゃないですよ(笑)。ふざけつつも真面目にやってますよ(笑)。
岡田:ロケハンもちゃんとしているし、佐賀県での仕掛けもしているし、頑張っているなと。音響って一番最後に入って、比較的早く抜けるので、少し抜けてても成立してしまうことがあると思います。
でも、絵が頑張っているのを見て、迷惑をかけたくないから監督がこの人を呼びたいという希望があれば実現のために何とかするし、できることをしっかりやろうと。その結果が少なからず繋がっていればいいなと思うし、2期までできてよかったと思っています。
1期を超える予想外のキャスティング。7話と8話の気になるキャスティング理由と意図とは?
――2期は特に予想がつかないキャスティングも多くて。
宮野:そうですよ! 大物ばかりじゃないですか! 予算が潤沢なんですか?
岡田:予算は…潤沢ですよ(笑)。
竹中:そうでもない!
大塚:普通ですよ。
竹中:だから逆にすごいと思ってます。
岡田:色々と融通が利かせられるので。
竹中:実は僕らが関わっていない岡田さん発のキャスティングが多くて。舞々役の花澤香菜さんもそうですよね。
岡田:アフレコが始まるずっと前、大塚さんからLINEに何度も「舞々どうする? 舞々どうする?」って聞かれて。まだシナリオもそんなに読んでいない時に、複数ある作品の内どの作品なのかもわからなくて。でも「誰?」って尋ねたら怒られると思って、「う、うん、考えてる」と濁して、頂いている作品のシナリオを読み込んで、やっとキャラがわかった時に「とにかくすごい人を連れてきてください」と。
一同: (爆笑)
岡田:正直、声優という枠さえも取っ払って考えて。でもコメディエンヌで破壊力も振り幅もあって、声に特徴があると言ったら花澤さんかなと。
宮野:舞々、バッチリだったもんね。
竹中:名前を聞かされた時、「やってくれるんだったらお願いします」くらいの感じで。こっちは無理だろうなという気持ちも半分あったから。でも受けてもらえて。
宮野:でも宮野・花澤にするもんだから…。幸太郎が「ありがとう」って言ったシーンはなんかぐっと来ちゃった。
大塚:いい「ありがとう」を貰えましたね。
竹中:あのシーンはむしろ笑っちゃいましたよね。
宮野:彼女が相手だとああなっちゃうんですよね。
大塚:同じ7話では岡田さんの伝説キャスティングが。
岡田:舞々に対峙できる人は田村ゆかりさん(藤子役)と堀江由衣さん(駒子役)しかいないかなと。
竹中:(委員長役の)下野紘さんまで入れてもらって。でも効いているんですよね。
宮野:下野さん、バッチリだったなぁ。8話の(日比谷の旦那役の)平田(広明)さんも。
岡田:伝説の花魁を身受けする人を演じられるのは限られてしまうし、MAPPAさんの作品も出演されているから出てくれるかなと思ってオファーしました。
ベテランも油断できない現場作りを意識!?
――メインキャストだけではなく、脇を固めるキャスト陣も個性的ですよね。
竹中:ちなみにデスおじも岡田さんの提案です。
岡田:最初は深川さんから「イケメン声優」というオーダーが来たんです。でも、あのフォルムだったので、太っているからかぬか(光明)さんでしょ? もう1人は顔色悪いから(佐藤)せつじさんかなと(笑)。
宮野:2人のお芝居、最高ですよね。マスター役の(大塚)芳忠さんも凄いですよね。
岡田:過去の資料を見たら誰からも提案がなくて。たぶん口頭ベースでのやり取りで決まったと思います。
竹中:1期なんて2セリフくらいしかなくて。
宮野:「この役を芳忠さんが!?」って驚いたもん。でも幸太郎と関係がある重要な役だと明かされましたね。
竹中:岡田さんから全体への連絡をあまり見てなくて。当日のキャスト表を見たらビックリという事も多かったです。
岡田:最初のほうは、例えば宮野さんなど手練れの人が楽をできない現場を作ろうと思っていました。場数もすごく踏んでいるし、売れっ子だし、カリスマだし、スーパースターだし。そんな人にどうやってプレッシャーを与えようかと意識はしていました。三石さんは監督ルートだったので、別ですけど。
(C)ゾンビランドサガ リベンジ製作委員会