夏アニメ『平穏世代の韋駄天達』朴璐美さん&緒方恵美さんインタビュー|アドリブは筋肉をパンプアップさせないとできないんだ!!!
超絶強力なスタッフ&キャストが集結し創り上げたTVアニメ『平穏世代の韋駄天達』。平和ボケした韋駄天達と800年ぶりに復活した魔族たち、そしてそれに関わる人間たち……これらがどのように絡み合って行くのか、きっと予想外の展開が待っているだろう。
今回は韋駄天である、ハヤトを演じる朴璐美とイースリイを演じる緒方恵美に、作品の魅力をズバッと語ってもらった。
テンションがぶち上がったという男の子役同士での初の共演!
――お二人がオフィシャルサイトに残していたコメントから、この作品に対する熱意が伝わってきたのですが、原作を読んだときはいかがでしたか?
朴:『凄いな』と素直に感じました。絵はポップで可愛いのに、ダークな部分とのギャップが凄くある所に、ノックアウトされましたね。第1話の収録の際に、絵がついている箇所が少しあったんですけど、その絵のタッチと、カラフルさに驚き、一気に『ワクドキ』しましたね!
それにアニメでは、おそらく初めて、男の子役同士で兄貴(緒方さんのこと)とご一緒できるということで、これは間違いなくテンションが上がるな!と。
緒方:自分がコメントで何を書いたのか、あまり覚えていないんですけど、すごく適当な、勢いで書いたような言葉だった気がします。でも、勢いで書いたのは作品のせいじゃないですかね(笑)。
(実際のコメントを確認しながら)そうそう。ここでの朴さんの言葉を読んで感動して、うちの事務所の若手に「筋肉をパンプアップさせないとできないんだぞああいうアドリブは! 朴さんを見倣え!」と言った記憶はありますね……(笑)。
朴:恥ずかしい!
緒方:それを今、思い出しました(笑)。
――共演することを知ったときは、どう思いましたか?
緒方:今回はオーディションも特になく、候補として挙げていただいていることは伺っていたんです。その後連絡が来たときは自分の決定連絡だけだったので、どなたが他の役をやるのか知らなかったんですね。
1話の台本が届いたとき、キャストが気になっていたのですぐに確認をしたらハヤト役が朴さんで「うわっ!」と叫んで、その場で朴さんにLINEをして(笑)。
主に朴さん企画のお芝居や朗読劇で一緒に絡ませてもらってきたのですが、アニメでは『BLEACH』で戦う役をしたくらいで、アドリブが多くてガチなセリフの応酬はあまりしていなくて。だからこれはガチで絡めるのではないかと、二人で喜んで。
朴:私も兄貴からLINEをいただいたときは凄く嬉しくて、私も「うわっ!」ってなりましたね!『BLEACH』のときもあまりアフレコではご一緒できなかったので。
緒方:なので毎週一緒にいられるのが嬉しかったです。
朴璐美 男の子役同士で共演できるから、テンションぶち上がりました!
緒方:それもおかしな話だけどね、一応生物学上は女同士なのにね(笑)。『ダンガンロンパ』も一緒だったけど、あれも男と女だから、確かに男同士は初めてだね。
――キャスト陣の名前を見たときに、楽しみすぎるキャストだなと思いました。
緒方:ポーラ役が堀江由衣ですし。
朴:切れ味鋭い堀江由衣ちゃんが一緒で、何でもちゃんと言ってくれるあけ姉(リン役・岡村明美さん)がいて……。
緒方:いい感じに力が抜けている石田彰(プロンテア役)君にも久しぶりに会えました。キリキリした役で会うことが多いから。
朴:私的には某作品に囲まれた朴璐美!みたいな感じでした(笑)。
緒方:ん? ちょっと何を言っているかよく分からないけど……?(笑)
――個人的には『平穏世代の韋駄天達』というタイトルが面白いなと思いました。全然平穏世代感が出ていないので、騙されたと言いますか。
緒方:原作でも、平穏と書いて「ゆとり」とルビが振ってある箇所がありましたよね。
――なので声優さん自体も、若い世代の方々がやっているのかなと思ったら、このキャスト陣の名前で。それってすごく意味があることなんだろうと思ったんです。
朴:おぉっ! なんだ~喧嘩を売ってるのかなぁ~(笑)。確かに『平穏世代』だから『ゆとり』と言われるような作品だと思ったんですよ。でも、最初はそういう匂いも出していたけど、めっちゃ『できる』キャラクターばかりじゃないですか。
イースリイなんてハンパじゃなく、いわゆる『平穏(ゆとり)世代』だからこそできるようなことをやっているんですよね。だから、このタイトルにめちゃめちゃ騙された感は凄くありますね。
――実際に今の若い世代を見ているとすごい才能を持っている人が多いし、努力もしているし、何でもできる。僕ら世代とは違う強さや凄さがあると、いろいろな取材をしていても感じるんです。で、このキャスト陣の名前を見たとき、そんな平穏世代の「凄さ」みたいなものを表現するために凄いキャストを揃えたのかなと個人的に思ってしまったんです……。緒方さんは、このタイトルについて何か思いましたか?
緒方:タイトルに関しては正直そこまで引っかかっていなかったのですが、内容に関しては、逆に何でこんなにぶっ飛んでるんだと!(笑) 今までいろんなバトルモノをやってきて、"お約束"みたいなものがあるじゃないですか。原作を読んでいくと、そういうものがどんどん取っ払われて、霧の彼方に飛んでいってしまうんですよね(笑)。そんなところがすごく面白い。そういう意味で「バトルモノのお約束とは」とか考えちゃっている我々こそが"ゆとり"なのかもしれないなと。
――そういうものだと、思い込んでしまっているところはありますよね。それを壊してくれる作品ではありますね。
緒方:進んでるんです、この作品が。イースリイの解説も目から鱗なことがたくさん(笑)。送信機が取り付けられそれが外されていても普通だったらそのまま敵には気付かれないままだけど、韋駄天では、外されてたら相手はこう思ってこういう行動をとってくるからそれを見据えてこうしよう、みたいなことをしっかり考えていたり、魔族が封印されている土地をリンさんはずっと守っていて、今までの物語だったらそのままいつか封印が解かれて魔王が飛び出すみたいな展開になるけど、封印の中では餌が取れないからとっくの昔に全滅している、守っていても意味がないと言っていたり……。この先どうなるんだろうって分からないことが多いから、早く続きを描いてほしいんです……。
朴:本当にそう! 韋駄天たちの実態が知りたい!
――いただいた脚本を読んでいても、続きが気になるんですよね。
朴:何が本当なのかが分からない作品づくりをされているところが面白いんですよね。『神とは・魔族とは・人間とは・何か』『何が正しいのか』が分からなくなるんです。韋駄天ってそもそも何なのとか、人間とはどういう存在なのか、我々も概念をふっ飛ばされている最中なのかもしれないです。