アニメ『キングダム』-合従軍編- 音楽担当 澤野弘之さん&KOHTA YAMAMOTOさん対談|第3シリーズで音楽とハマったなと思ったシーンとは
2021年4月から始まった人気アニメ『キングダム』の第3シリーズ「-合従軍編-」も2クール目に突入! 6国で編成された合従軍と秦との戦いは激しさを増し、山場と名場面が目白押しですが、そのサントラアルバムが7月21日発売!
第3シリーズより音楽を担当されている澤野弘之さんとKOHTA YAMAMOTOさんによるこん身の楽曲たちをすべて収録! 第3シリーズに使用されるトータル67曲を3枚組で収録! 更にブックレットには原作の原泰久先生とお二人との座談会、スリーブケースは原先生描き下ろしなど、『キングダム』ファンならマストアイテム間違いなし!
サントラアルバム発売を記念して、澤野弘之さんとKOHTA_YAMAMOTOさんによる対談が実現! お二人が本作の音楽を担当されることになった経緯や制作秘話などについて語っていただきました。
壮大な世界観と武将たちが残す言葉にひかれて。「合従軍編」は最大のピンチを乗り越えるプロセスがおもしろい
――原作やアニメをご覧になって感じた『キングダム』の印象と魅力を感じる点をお聞かせください。
澤野弘之さん(以下、澤野):エンターテイメントしている壮大な世界観の作品が元々好きですし、際立ったキャラクターたちの戦いや残す言葉にひかれました。また各武将たちの過去も描かれることでより魅力的に映るし、戦う時もドラマチックになり感情移入できるんですよね。そんな魅力があるから多くの方から愛され、ひかれるんだろうなと思いながら原作を読んでいました。
KOHTA YAMAMOTOさん(以下、YAMAMOTO):信は天下の大将軍を目指し、政は中華を統一するという明確な信念があり、彼らが成長し、目標に向かって歩んでいくプロセスが見られるストーリーにハマりました。その中でも、現在アニメの第3シリーズで描かれている「合従軍編」は、信や政にとっては最大のピンチであり、「秦」が滅んでしまったら、大将軍とか中華統一どころではないですからね。絶対的に厳しい状況をどうひっくり返し、乗り越えていくのか、そこがまたおもしろいんですよね。
お気に入りのキャラクターと原先生に描いてもらったキャラクターは?
――作中で好きなキャラクターを教えてください。
澤野:原作からのお話しですが、尾平が一度、信に突き放された後、やさぐれていながらも信の悪口を言っている兵を見て「あいつのことをそんなふうに言うな」というシーンがあって。原作を読んでいた時にすごく感動したし、『キングダム』は主役の信や政、他の武将にスポットが当たることが多いけど、彼らを脇で支える物語も描かれているんですよね。そこに共感することが多いし、尾平が好きなんです。
YAMAMOTO:僕は恒騎です。サイコな武将なんですけど、結構ひかれてしまって(笑)。極悪非道でアウトローで、『キングダム』の中でも異質なキャラクターですが、色気がすごくて、ロックスターみたいなたたずまいがあるのがいいんです。ただ今、澤野さんが挙げた尾平と絡んだエピソードでは、僕もさすがにドンビキしましたけど(笑)。
澤野:でもひかれる気持ちもわかるよ。ジョーカーがカッコいいと思うのと同じだよね。僕たち、原(泰久)さんにお会いした時、色紙をいただく機会があって。KOHTA君は恒騎を描いてもらったけど、僕は王騎を描いてもらって。主要武将の中では王騎が好きです。ここで王騎の名前を挙げておかないと(笑)。
YAMAMOTO:あの時は尾平と王騎、どちらを描くかという話になって、原さんから「王騎がいいと思います」と言われたんですよね。
澤野:そうそう!
音楽を担当するきっかけは澤野さんと原先生の共通の友人アーティスト!?
――アニメの第3シリーズより音楽を担当されていますが、そのきっかけとお二人での制作体制になった経緯をお聞かせください。
澤野:僕がスキマスイッチの常田(真太郎)さんと知り合いで、常田さんが原さんと交流があって、常田さん経由で原さんが僕の音楽を聴いてくださっていると知り、TVでマンガを描かれる時に『機動戦士ガンダムUC[ユニコーン]』の音楽を聴いているというのを偶然見て。また常田さんを通して、メールのやり取りもさせていただくようになりました。その後、原さんの提案もあり第3シリーズの音楽オファーを制作サイドを通していただきました。。
僕も「ぜひ!」という感じでしたが、ちょうどいろいろな作品の仕事とスケジュールが重なっていたので全部1人で担当するのは難しくて。そこで「僕がメインテーマや数曲制作する共作体制であればやりたいです」とお話しして、了承いただきました。そして、最近いろいろな作品で一緒に作業していたKOHTA君に声をかけさせてもらいました。