アニメ『キングダム』-合従軍編- 音楽担当 澤野弘之さん&KOHTA YAMAMOTOさん対談|第3シリーズで音楽とハマったなと思ったシーンとは
お二人が音で紡ぐ『キングダム』と音楽アルバムとして楽しめるサントラ盤に!
――「アニメ『キングダム』-合従軍編- Original Sound Track」がリリースされました。
澤野:KOHTA君が作ってくれたサウンドや世界観に、僕が作った音楽がいい具合に差し込まれていく感じになっていたので、お互いにいいバランスで作れたかなと思うし、いいアルバムになっているかなと思います。KOHTA君とは何度も一緒に仕事をしているけど、今回の音楽制作のアプローチに触れて、「また進化したな」と大いに刺激を受けました。『キングダム』の音楽の世界だけではなく、KOHTA君の音楽を聴く楽しさがありました。
YAMAMOTO:澤野さんとご一緒させていただいて、『キングダム』という大きな世界観に負けないような壮大さを1曲1曲に出していきたいと思いながら取り組んできたので、自分にとっても思い入れのあるアルバムになりました。全体的には重く、暗めかもしれないですが、その中にも希望が見える曲もありますし、澤野さんの作られた楽曲と一緒になることで、ボリューム感や聴き応えのあるアルバムになったんじゃないかなと思っています。
――収録曲の中で印象深い曲を挙げるとしたら?
澤野:僕はやっぱりメインテーマの「KINGDOM-DUE」ですね。原さんに名前を挙げていただいた以上、印象に残るメロディを、と意識して作った曲なので自分的にも気に入っています。あと「KINGDOM-VIE」は劇中ではボーカルOFFになっていますが、アクセントとしてオーケストラの中に力強い男性のボーカルをフィーチャーしているし、歌詞のハマりとも合致していて、気に入っています。
YAMAMOTO:先に挙げた「All Ablaze」、そして汗明と蒙武のバトルシーンを想定した「The One」は割と初期に作りました。なるべく壮大な世界観と大きな戦いを表現できればいいなと、ハリウッド的なサウンドアプローチを意識して取り組みました。この曲が最初の頃にできたことで、のちに作っていく曲の目安や指針にもなったので、印象深い曲です。
――このアルバムのブックレットにはお二人と、原先生との座談会も掲載されているそうですね。座談会をされた時の感想は?
澤野:その時にやっと直接お会いすることができたので嬉しかったです。原さんは気さくな方でいろいろなお話をしてくださったし、僕も気になることをお聞きすることができて楽しかったです。
YAMAMOTO:マンガ家の先生と鼎談させていただくことが初めてでした。どういうことを考えられて作品を描かれているのかをお聞きできたことも新鮮でしたし、いい刺激をたくさんいただけました。
澤野:そもそもこういう座組の座談会って珍しいですよね。『キングダム』はすごくエンターテイメントしている作品で、僕もエンターテインメントを感じてもらえる音楽を常に作りたいという気持ちでいたので、僕が狙っているサウンドと原さんの描く世界観には共通している部分があって。話していても、同じ感覚を持っているんだなとわかったこともあって、企画していただいて本当によかったです。
――スリーブケースも原先生描き下ろしの信が!
澤野:僕からスタッフさん経由で「に原さんに描いていただけませんか?」とムチャ振りをしたら、快く引き受けてくださって。そもそも原さんからご指名いただいて、この作品に関わることができたし、座談会だけではなく、サウンドトラックのアルバムを一緒に作れた気がして嬉しかったです。
アニメのシーンを思い浮かべたり、原作を読みながら聞いたり、それぞれの楽しみ方で
――このアルバムの聞きどころや注目ポイント、オススメの楽しみ方などお聞かせください。
澤野:僕が作るサントラでいつも不思議な曲名をつけがちなのは、聞いてくださる方に自由なイメージで聞いてほしいという想いがあります。『キングダム』をご覧になっている方が買ってくださると思うので、アニメのシーンを思い出しながら聞いていただくのもいいですし、原作を読みながら聞いたり、色々な楽しみ方をしていただけたらいいなと思っています。
YAMAMOTO:僕自身も楽曲を制作していく中で、マンガを読みながら作った曲を聞き返したりして密に楽しんでいたので、皆さんにもオススメです。またこのサントラは1枚目から濃度と密度が濃いものになっているので、シーンを思い出しながら聞くのもいいですし、アニメの中ではフルサイズでは流れないことも多いので、それぞれフルサイズの曲として改めて楽しんでいただくのもいいのかなと思います。
――ステレオセットでどっしり聞きたくなる楽曲ばかりですし、試験や試合など勝負どころで聞くと気合やテンションが上がっていいかもしれませんね。
澤野:そんな聞き方もしてもらえたらいいですね。あとこのアルバムには第3シリーズに使用される音楽がすべて収録されているので、まだ劇中で流れていない曲もたくさんあるので、「この曲はどんなシーンで流れるのかな?」と想像していただけたら。
YAMAMOTO:曲名でネタバレする可能性があるので、気にされる方はディスク1から聞いてください(笑)。
――今後、アニメで音楽的に注目や期待してほしい点がありましたらお聞かせください。
澤野:このアルバムに収録されていて、まだアニメでは流れていないけど、今後流れる曲たちにも注目してほしいです。またKOHTA君の曲も僕の曲も、今まで使用されても都合上フルで使われていない曲があるので、今後フルで使われたり、際立つシーンがあればいいなと願っていますし、視聴者の皆さんにも「あれ、この曲、前に聞いたことがあるけど、印象が違う?」など発見したり、楽しんでいただけたらいいなと思います。
YAMAMOTO:僕も同じです。あと第3シリーズも2クール目に入って、1クール以上に山場になるシーンが多いと思うんです。ここから山場の連続なので、まだ使われていない曲や出てきていないパートがどういった形でフィーチャーされるのか楽しみです。皆さんも山場でどんな音楽が流れるのか、注目して見ていただけたら嬉しいです。
――読者の皆さんへメッセージをお願いします。
澤野:第3シリーズも2クール目に入って、より盛り上がっていくし、使われていない曲も徐々に流れると思います。サントラアルバムで先行して聞いていただく形になりますが、既に流れたけどフルサイズは初めてという曲もあるし、まだ流れていない曲がどんなシーンで流れるのか想像したり、または音楽アルバムとして聞いていただくなど、いろいろな形で楽しんでいただけたらと思います。もちろん、よりアニメを楽しむためのアイテムになると思いますし、マンガを今までとは違う感覚で楽しんでいただくきっかけになればいいなと思っています。
YAMAMOTO:このタイミングでサントラアルバムをリリースさせていただき、しかも第3シリーズ用の楽曲をすべて収録させていただけたことはありがたいことです。
第3シリーズで流れる楽曲を余すところなく、収録されているので、1クール目で気になっていた楽曲があれば、このアルバムで改めて聞いていただけますし、フルで聞いていただくことで印象も変わってくると思うので、そんな部分も楽しんでいただけたら嬉しいです。2クール目ではこの難局を信や政がどう乗り越えていくのか、山場はどう描かれるのか、僕も楽しみです。ぜひより一層盛り上がるアニメと一緒に、このサントラアルバムも楽しんでください。
リリース情報
■TVアニメ「キングダム」 -合従軍編- Original Sound Track
2021年7月21日(水)/3枚組/価格:3,800円(税抜)
【収録内容】
原作・原 泰久先生自ら参考音源提供の「汗明の登場シーン」の楽曲など、計60曲以上を収録!
【永続特典】
●原作・原 泰久先生描き下ろしスリーブケース
●アニメ描き下ろしジャケット
●特製ブックレット(原作・原泰久先生×澤野弘之×KOHTA YAMAMOTO鼎談掲載)
※内容や仕様は予告なく変更になる場合がございます。予めご了承ください。
◆TVアニメ「キングダム」-合従軍編- Original Sound Track 試聴動画
URL:https://youtu.be/KS9rGB4OTd4
◆ご購入:https://avex.lnk.to/KKqPDxfs
◆配信サイト:https://avex.lnk.to/H37IyXfz
アニメ公式サイトにて、原泰久(原作者)×澤野弘之(音楽家)×KOHTA YAMAMOTO(音楽家)のスペシャル鼎談を掲載中!
https://kingdom-anime.com/special/interview07.php
TVアニメ『キングダム』作品情報
毎週日曜深夜24:10~NHK総合にて放送中!
※放送予定は変更になる場合があります。
あらすじ
紀元前、中国西方の秦国(しんこく)に、今は亡き親友と夢見た「天下の大将軍」を目指す若き千人将・信(しん)がいた。
かつて王都で起きたクーデターに巻き込まれ、現在の秦王・嬴政(しんおう・えいせい)と運命的に出会った信は、自身の夢をかなえ、?政が目指す「中華統一」をともに成し遂げるため戦場に身を置くことになる。
戦地で散った師・王騎(おうき)の死を乗り越え、蒙恬(もうてん)や王賁(おうほん)ら同世代の隊長たちと切磋琢磨しながら、着実に夢への階段を上ってゆく信。一方、嬴政もまた、壮大な目標に向け、相国・呂不韋(りょふい)から国の実権を奪い返すべく宮廷内での勢力拡大に力を注ぐ。
そんな中、軍事最重要拠点のひとつ山陽(さんよう)の攻略に成功した秦国は、これにより中華統一へ一歩近づくこととなった。だが、七国の勢力図を塗り替えかねないこの一手に危機感を抱く趙国(ちょうこく)の天才軍師・李牧(りぼく)は、楚国(そこく)の宰相・春申君(しゅんしんくん)を総大将に、楚、趙、魏(ぎ)、燕(えん)、韓(かん)、斉(せい)の六国による合従軍を興し秦国への侵攻を開始する!
未曾有の危機に、秦国は持てるすべての武力を結集して、合従軍を迎え撃つ!!
スタッフ
原作:原 泰久(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:今泉賢一
シリーズ構成:高木 登
キャラクターデザイン:阿部 恒
美術監督:水野雄介
色彩設計:阿部みゆき
撮影監督:野上大地
3DCG制作:ダンデライオンアニメーションスタジオ
編集:柳 圭介
音楽:澤野弘之/KOHTA YAMAMOTO
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
音響監督:小泉紀介
音響制作:神南スタジオ
アニメーション制作:ぴえろ/スタジオ サインポスト
オープニング・テーマ:『TOMORROW』/BiSH(avex trax)
エンディング・テーマ:『Deep inside』/waterweed(maximum10)
キャスト
信:森田成一
嬴政:福山 潤
河了貂:釘宮理恵
呂不韋:玄田哲章
昌平君:諏訪部順一
昌文君:仲野 裕
桓騎:伊藤健太郎
蒙武:楠 大典
張唐:浦山 迅
騰:加藤亮夫
麃公:斎藤志郎
王翦:堀内賢雄
蒙驁:伊藤和晃
王賁:細谷佳正
蒙恬:野島裕史
李牧:森川智之
春申君:内田夕夜
汗明:田中美央
オルド:木下浩之
呉鳳明:浪川大輔
成恢:鳥海浩輔
慶舎:平川大輔
媧燐:田中敦子
項翼:鈴木達央
白麗:上村祐翔
他