JAM Project初のドキュメンタリー映画『GET OVER -JAM Project THE MOVIE-』のBD&DVD発売記念インタビュー|「一生ものの映画」と語る映画で一番反響のあったシーンとは?
映像から伝わるアニソンシンガーとしての決意と覚悟。そして「未来」も!
──現在はアニソンシンガーの華やかな部分に注目が集まりますが、決意や覚悟が必要なんだと思わせてくれました。
奥井:続けるのは大変ですからね。
影山:途中でやめていく人もいるけど、JAM Projectは続けていかなくてはいけないし、その力が残っていることも映画を見て改めて感じました。
──インタビューで影山さんが「未来を行きたい」、福山さんが「このままでは終われない」と先を見すえた言葉が「完」ではなく、「続く」なんだと思わせてくれました。
奥井:コロナ禍では先が見えなくなったけど、この映画を作ったことで未来が見えた気がします。
影山:あと福ちゃんの「20年やって、重くなったみたいな」を見て、みんなで「重くなったのは君の身体でしょ!」って(笑)。
福山:(笑)。ツアーがやれないまま終われないと思っていましたが、9月から実現できて良かったです。
「”GET OVER” 打ち上げ座談会」では映画の裏話や初めて知る事実も!
──完全生産限定盤には本編DISCの他、DISC2枚が4時間という大ボリュームで。DISC.2には映画の中にも一部収録されていた『JAM Project 20th Anniversary Special JAM FES.〈JAPAN ANISONG MEETING FESTIVAL〉」を収録!
奥井:この映像だけでも商品化できますよね。実際、ライブ後に映像化してほしいという声も多かったし。
影山:GRANRODEO、FLOW、angela、ALI PROJECTという普段から交流があり、『The Age of Dragon Knights』でもコラボしてくれたアーティストが集まってくれて。
──この状況下でFESを実現するのはすごいですね。谷山さんも「多くの人が救われたのでは」とおっしゃっていました。
奥井:atsukoちゃんも「angelaでライブができていなかったからありがたいです」と言ってもらえて。皆さんのご協力のおかげで開催できて本当に良かったです。
──DISC3では「”GET OVER” 打ち上げ座談会」と記念特番『JAM BANG!』なども収録されています。
きただに:監督を交えて、映画を見ながらを座談会をやったんですけど大変でした(笑)。でも座談会を見ていただくとより映画について知ることができると思います。
奥井:私たちが映画を見た感想を語る機会も少ないし、監督も裏話をしてくださったり。あの映画後のJAMの雰囲気も感じていただけると思います。あとプレミアム上映会での記者会見の様子も収録されていますが、みんな顔の筋肉がピクピクしていて(笑)。
影山:お客さんがいれば、盛り上がってくれてホッとできるけど、記者さんしかいなかったから。
──他にこの作品の見どころや注目ポイントを挙げるとすれば?
奥井:2週間という期間限定で、公開された劇場も限られていたため、「見られませんでした」という方が多かったし、劇場でご覧になられた方も「もう1回見たい」、「何度でも見たい」というパッケージ化を求める声もたくさんいただいていたので実現できて良かったです。
私たちにとっても、遠い未来になってもJAM Projectが存在した証と言ってもいいくらいの作品ができて嬉しいです。
また今は生きていくのが大変だし、夢を見ることも難しいと感じている人たちや、大人になるのが怖いと思っている子供さんや若い人が多くなっている気がします。そんな人たちにも見ていただいて、おじさんやおばさんたちの頑張る姿を見て、勇気やパワーを感じてもらえたらいいなと思っています。
きただに:あとパッケージならではの特典として、オーディオコメンタリーも新たに収録しました。各メンバーと監督が映画を見ながらトークしているので、他のメンバーがどんな話をしたのか楽しみです。
影山:俺、話が途中で逸れて関係ない話ばかりしちゃったかも。1970年代の自分のこととかオフコースのギターとドラムの人のこととか。
奥井:私も自分の推しの話とか始めちゃって。それはカットになってましたけど(笑)。
影山:僕たちの根本にあるのは「世の中を元気にしたい」ということで、ただカッコいいだけでは実現できないんですよね。長く続けてきた生き様やしわの1本1本まで見てほしくて。
ここ数年のソングライティングにも変化があって、『ワンパンマン』の1期OP曲
「THE HERO!!〜怒れる拳に火をつけろ〜」はJAM Projectにしかできないスタイルだと思うし、海外公演でもお客さんやオーガナイザーの人たちから愛され、日本語で歌ってくれて。
いろいろなアニソンがある中で「ロック」や「パワー」、「炎」を前面に出すアニソンは20年間の中でたどり着いた俺たちのやり方なんだと思うし、もっと突き詰めていかなくてはいけないと改めて思いました。
9月からツアー『GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE-』がスタート! 映画のラストの続きはライブ会場で!
──9月10日より待望のツアー『GET OVER -JAM PROJECT THE LIVE-』が始まります。
福山:お客さんに来ていただくライブは2019年以来で。この取材の時点ではどんな内容になるのか、まだ僕らもわからなくて。特に今、ライブではお客さんが声を出したり、密集することが禁じられた中でどうすればいいのか。
僕自身はこの状況下で何度かライブをやりましたが制限された中でも僕らもお客さんも楽しめるようにしなくちゃもったいないし、むしろ今、燃えています。
きただに:コール&レスポンスできない分、すごい手拍子をくれるんでしょうね。
奥井:私個人としては歌ったことがない曲をやりたいな。
影山:そんなのある?
きただに:いっぱいありますよ!
影山:でもB面とかシングルの3曲目とかでしょ。
奥井:そういうのが好きな人もいるかもしれないじゃないですか?
影山:今回の会場はすべて大きめなライブハウスということは神様が「ロックのコンサートをやれ」と言っているのかなと思うんだよね。ずっとお預けを食らっていたバネが一気に弾けるみたいな。
ファンの方が今見たいのも、元気に一番好きなことをやっている俺たちの姿じゃないかなと。華美な演出よりも、魂をぶつける、そんなライブを。
今日から走り込みを始めないといけないなと思っています。
奥井:今回、札幌や福岡に行けないのは残念だけど、遠藤さんの故郷の宮城でやれるのは良かったですよね。
遠藤:気にかけてもらえて悪いなと(笑)。でも地元の人たちもきっと喜んでくれていると思います。
影山:映画のラストシーンの続きがこのツアーなので、見ることができる方には来ていただきたいですね。
奥井:もちろん感染防止のため万全の体制でお迎えする準備をしますので、皆さんも無理せず、気を付けて来てください。
アニメ新番組『ゲッターロボ アーク』の主題歌シングル「Bloodlines~運命の血統~」も発売中! 『スパロボ30』のテーマ曲も担当!
──7月14日にはアニメ新番組『ゲッターロボ アーク』の主題歌シングル「Bloodlines~運命の血統~」がリリースされました。
影山:カップリングを含めて僕が作詞・作曲しています。サウンドはJAM Projectらしいパワフルなロックチューンですが、作詞はかなり難航しました。アニメの原作は、作者の石川 賢先生がお亡くなりになって、未完の状態で。
ゲッターが正義なのか悪なのか、まだ明かされず、宇宙をどんどん支配していくところで終わっていたので、どう進めたらいいのか悩みました。
そこで『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』の主題歌(「STORM」)を担当させていただいた当時、チーフプロデューサーだった方にも相談したら「難しいですね」と言われて。結局、原作を読んで感じた、代々受け継がれてきた宿命や血筋をテーマに書きました。
カップリングの「戦友よ」は、ボコボコにやられている時、「自分は十分頑張った」とあきらめそうになるけど、仲間たちがまだ必死に頑張っている姿が脳裏に浮かんできて。もう一度立ち上がろうとする気持ちを歌詞にしてみました。
最近のJAM Projectの真正面な曲は、このアニメでも音楽を担当している寺田志保ちゃんがアレンジしていることが多いんですけど、ただのロックではない、プログレッシブさや広がりを感じさせるのが彼女の持ち味で。この曲でも彼女らしさ、JAM Projectらしさを存分に出してくれました。
──他に今後のご予定などございましたら、お聞かせください。
きただに:この記事が掲載される頃には終了していますが、7月11日に行われた『スーパーロボット大戦 鋼の超感謝祭2021』で新曲を披露しました。今年発売予定のゲーム『スーパーロボット大戦30』の主題歌です。
影山:7月にNEWシングルと、8月に映画のBD&DVD発売、9月からのツアーと、『スパロボ30』の新曲、夏から秋へかけて燃え上がるJAM Projectにご期待ください!