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- 阿部裕華
- アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター
――2010年から現在まで長い期間描かれている『LOVE STAGE!!』『BACK STAGE!!』のキャラクターたち。思い入れもひとしおなのかなと思うのですが、いかがでしょう。
蔵王:思い入れはあるといえばありますけど、基本的にキャラクターもストーリーも考えているのは影木さんなので、私は割と一般読者目線でキャラクターたちを見ていますね。たまに読み返してみると「あれ、こんなキャラも描いていたんだ!」と思うことも(笑)。
ただ、その中でも唯一私の好みが反映された黒井くんというキャラクターがいまして。彼に関しては影木さんから「自由に描いてもらっていい」と言われたので、キャラデザを自分好みにしています(笑)。見た目はちょっと地味系で、性格はちょっとクールなキャラクターが好きなんですよ。
影木:黒井くんはアニメの声(木村良平さん)があまりにもハマっていたので、私も大好きになったキャラクターです。
とはいえ、私にとってはどのキャラクターも同じ子どもという感覚でいます。ただ聖湖に関しては複雑な思いもありまして。『BACK STAGE!!』の濡れ場を描く時に、聖湖でこんなエッチなシーンを描いていいのだろうか……と勝手に思っています(笑)。
蔵王:(笑)。
影木:すごく葛藤しましたよ。小説の時は気にならなかったのですが、漫画版は絵を描くのですごく気になる。実の弟をモデルにしたキャラクターのエッチシーンのアタリを描いていると、うぅーん? みたいになります(笑)。
蔵王:それでいうと、『LOVE STAGE!!』のキャラクターの初期設定を決める段階で、聖湖を攻めにするか受けにするかどっちがいいかという話になったんですよ。私は受けがいいと言ったのですが、影木さんが「それだけは止めてくれ」って(笑)。
影木:実弟がモデルのキャラクターが受けになることだけは耐えられませんでした。悪いけど攻めにさせてくれ! とお願いしました(笑)。
蔵王:私も自分の身内で考えてみたら、たしかに……と思いましたね。
――そんな議論がなされていたんですね(笑)。『LOVE STAGE!!』『BACK STAGE!!』の執筆を通じて、DAIGOさんとの関係性に変化はありましたか?
影木:何も変わっていないです。強いて言えば『LOVE STAGE!!』の連載中に、(北川)景子ちゃんが加わったくらいですかね。
(DAIGOと景子)2人の姉という立場なのにこんなにドエロい話を描いていてもいいんだろうか……と話したところ、「それが影木栄貴なんだよ」と2人して言ってくれるんですよ。いい弟妹に恵まれたなと思っています。親はその様子を複雑そうな顔で見ていますが……(笑)。
蔵王:華麗なる一族ですからね(笑)。
――ちなみに、『BACK STAGE!!』のアニメ化は……?
影木:DAIGOが声優な限りないです! 『BACK STAGE!!』に関してはドラマCD化も諦めています。だって、どうやってあの演技力で濡れ場シーンを……。それに、TVで「うぃっしゅ!」とか言って親しまれている人間が濡れ場を演じるのはヤバいでしょ。好感度がヤバい(笑)。
本当なら聖湖はDAIGOではない別の声優さんに担当していただき、主題歌をDAIGOにしたかったんですよ。『LOVE STAGE!!』アニメ化の時に提案をしたものの、大人の事情であえなく断念することに。なので、皆様『BACK STAGE!!』のアニメ化は諦めてください……!
――残念……! とはいえ、『LOVE STAGE!!&BACK STAGE!!』オリジナルボイスドラマでは、DAIGOさん含めアニメ『LOVE STAGE!!』でお馴染みのキャスト陣が集結していますよね。
影木:DAIGOのアフレコ音源だけは聞いていないので、すごく不安です。すでに聞いている編集担当は「大丈夫でした」と言ってくれていますが、DAIGOのアフレコで大丈夫だったことがない! あくまでもDAIGOというレベルでの「大丈夫」なだけなので(笑)。出来上がりがすごく心配なのとすごく楽しみなのと半々な状態でいます。
蔵王:私はまだ誰の音源も聞いていないので、とにかく今は楽しみにしています。どういうテイストになっているのかワクワクしています。
――今回のオリジナルボイスドラマは影木先生がストーリーを書かれたとのことですが、どのような内容に仕上がっているのでしょうか?
影木:『LOVE STAGE!!』『BACK STAGE!!』それぞれのカップルはもちろん登場するのですが、個人的に黒井くんの声がとても好きなので、黒井くんをぶち込んだストーリーを考えました。「予算が……」と言われている中でしたけど(笑)。
泉水役の代永翼さん、龍馬役の江口拓也さん、黒井くん役の木村良平さんは3人で「Trignal」というユニットを組んでいるんですよ。そんな「Trignal」が唯一揃っている貴重なアニメが『LOVE STAGE!!』だと言われているのをよく見かけていたこともあり、どうせなら3人揃ってもらおうではないかと。そういう考えもあり、『LOVE STAGE!!』『BACK STAGE!!』カップルの中、無理矢理黒井くんをメインにしています。「あれ、主人公・黒井くんじゃない?」と思われてしまうお話になりました(笑)。
蔵王:黒井くん中心のストーリーになると聞いて、私自身すごく面白い!と思いました。
影木:黒井くんが今までにないテンションで叫ぶレアなシーンもあります。黒井くんの叫び声に萌えました(笑)。とても良かったです。
気になる続きは、『LOVE STAGE!!&BACK STAGE!!』オリジナルボイスドラマ付属の小冊子でお楽しみください!
[文・阿部裕華]
アニメ・音楽・映画・漫画・商業BLを愛するインタビューライター。Webメディアのディレクター・編集を経て、フリーライターとしてエンタメ・ビジネス領域で活動。共著「BL塾 ボーイズラブのこと、もっと知ってみませんか?」発売中。
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