やっぱりお前がプリンセスだよ! ドロドロの争いの中で見せる覚悟ーー劇場版『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第2章 古賀葵さん、関根明良さん、大地葉さん、影山灯さん、古木のぞみさん インタビュー【ネタバレあり】
巨大な壁で分断された首都ロンドンは、東側の王国と西側の共和国に分かれ、各国のスパイが暗躍。その共和国側のスパイとして活動する5人の少女・チーム白鳩は、国を揺るがす大きな渦に巻き込まれていくことになる――。
ハードなストーリーとスチームパンクを基調とした斬新な世界観で人気を博したオリジナルTVアニメ『プリンセス・プリンシパル』が劇場アニメ化(全6章)。その『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第2章がついに公開された。
第1章のシリアスで少し切ないエピソードから、第2章では大きな何かが動き出したかのようなハラハラドキドキの展開の連続。アクションシーンも派手で、チーム白鳩の活躍が存分に味わえる展開になっている。
第1章同様チーム白鳩のメンバー、古賀 葵(アンジェ役)、関根明良(プリンセス役)、大地 葉(ドロシー役)、影山 灯(ベアトリス役)、古木のぞみ(ちせ役)に集まっていただき、第1章と第2章について、たっぷりおしゃべりをしてもらった。
前半は第1章の振り返り、後半はネタバレありの第2章振り返りトークとなっているので、ぜひ劇場で映画を観たあとに、楽しんでいただきたい。
※本インタビューは第2章のネタバレを含みます
第1章の振り返りトーク!やはり人気は侍従長のビショップ
――『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第1章のBDも発売されます(9月28日発売)ので、改めて第1章での自身のキャラクターの見どころを踏まえて自己紹介をお願いします。
ちせ役・古木のぞみさん(以下、古木):ちせの見どころ……冒頭以外であったかな。いつもちせってアンジェと一緒に(Cボールを使って)飛んでいくんですけど、その時にアンジェが先に飛んで、ちせが足とかを掴むところが好きなんです。毎回それを見ると、ちせ余裕あるじゃん!って思います。
ベアトリス役・影山 灯(以下、影山):ベアトリスには重い空気の中でほんわかさせてくれる役回りがあります。ほかにも、わからないことがあったら「それはどういうことですか?」とドロシーやアンジェに説明させることがよくあるので、視聴者にとって間接的な案内役なのかもしれません。
それと、かわいいなと思ったのは、5人で車に乗っているシーンで「王室内にスパイがいるんですか?」って言うんですけど、「お前や!」って思いました。自分が何者なのかを忘れちゃっているところがかわいいですよね。
ドロシー役・大地 葉(以下、大地):ドロシーは説明が多いので、全部分かっている体で話すのが大変な役です。そこはボロが出ないように準備はしてやっています。
ドロシーはシーンというより、アンジェに対する信頼と理解度の高さを感じるシーンが随所にあって、ちせやベアトリスが分からないようなアンジェの意図も分かっているので、良い相棒感があります。そういうところは注目していただければと思います。
プリンセス役・関根明良(以下、関根):第1章はTVアニメの続きだったので、アンジェと打ち解けたところが描写されていて、アンジェがいつものクセで1人で抱えてしまいそうなときに、笑顔で怒ったりするシーンとか、仲間を頼るように言ったりするシーンがあって個人的にうれしかったです。
ただ、相変わらずプリンセス自体はミステリアスなので、今後彼女の内面が見られればいいなと思います。また、作中のビショップさんとのチェスシーンは、チェスのことを分かっていればもっと楽しめるのだろうなと! 中盤と、最後の対局の対比などがすごく気になっておりました。
アンジェ役・古賀 葵(以下、古賀):アンジェは、心をみんなに悟られてもいいのかな?というシーンが結構ありました。ドロシーはよく気づいてくれるんですけど、気づかれてもいいかっていう心の許容範囲が広くなったと感じられてうれしいです。あとプリンセスに対しては「支え合って生きようぜ!」みたいなところが見えてくるようになっていて良いなって思いました。
私は劇場版からこのチームに参加させてもらったので、最初に発した「来て」というセリフが心にものすごく残っています。緊張していて何度も録り直したんですけど、アンジェとして参加するにあたり、このひと言を大事に大事に発したなと思っています。
あとは最後に「少しだけ、寂しいわ」と言うところも良かったです。アンジェから気持ちを言ってくれたところに「うあぁあ」ってなりました。
――第1章全体でいうと、印象的なシーンはどこでしたか?
影山:私はケーバーライトの石が光る洞窟の中で、アンジェがビショップを送っていくところが良かったです。1人の人間として、しがらみなく同じ時間を共有しながらチェスを通してコミュニケーションを取っているところは、景色の美しさと相まって素敵なシーンだなと思いました。
大地:最後にビショップが「私の負けだ」と言うところも、チェスと自分自身とも重なって、なんて深いセリフなんだろうって。ビショップは声に人生が乗りすぎているんですよね。
影山:深みがある。
関根:ひと言ひと言が深くて……。
大地:飛田展男さんは、TVシリーズをすべて見届けていてくれたかのようなお芝居をされていたから、もう人生なんですよ。
影山:この第1章を表すならば「人生」です(笑)。
――ビショップは、チェスのあと、船に乗る直前に暗殺されてしまいます。嘘を付くのが疲れたと言っていましたが、1人の男の人生を見た感じはしましたね。
関根:あと紙袋のお菓子(※アンジェがビショップを救うための脱出ルートと共に紙袋に入っていたジャム付きのスコーンのこと)! それと同じお菓子が、最後のお茶会のシーンで置いてあって、「うわー!!!」ってなりました。
――アンジェの「少しだけ、寂しいわ」は、そのお菓子を見ながら(ビショップを思い浮かべて)言うんですよね。
大地:そこからエンディングテーマが流れるから「もうやだ!」ってなります。でもやっぱりチェスのシーンは印象的で、ビショップとプリンセス(=アンジェ)のチェスと最後のビショップとアンジェのチェスは、同じチェスをしているのにこんなに違うの?っていう感じでした。
影山:最初のチェスは、チェスの話をしているけど自分たちの話をしている、みたいなお互いギリギリを攻める感じが良かったよね。観衆がいる中でもそういう会話をしているから、見ているほうもドキドキしました。そんな危ないこと言っちゃって…あ、チェスのことでーす!みたいな(笑)。
関根:ノルマンディー公の発言も対局のことを言っているのか、それとも……って感じだったもんね!
古木:そこでのプリンセス(=アンジェ)の返しも「上手に返すよね~」って思った。あれはすごい。
関根:アンジェが焦りながらも周りを見て、誰にも悟らせないように話してる後ろで、ベアトが全部顔で表現しちゃうんだけどね。
影山:ベアトをフォローすると、あれはチェスの勝敗に焦っていただけだから。
――古賀さんは初参加でしたが、アンジェのシーンで皆さんが印象的だったシーンはありますか?
影山:(インタビュアー風に)アンジェとプリンセスの2人だけで会話をするシーンの雰囲気とか、とても劇場版からの参加とは思えない密会感があったんですけど、何か心掛けていたことはあるのですか?
古賀:TVシリーズはしっかり見ていって、プリンセスとアンジェのお互いを思い合う気持ちとかを意識しました。それぞれの考えが違うときに、改めてプリンセスの考えを正面から聞いたときのアンジェの気持ちとかをいろいろと考えつつですけど、2人だけのときはちょっとだけ心を許していいのかな?っていう部分を出しました。
大地:ちょっとだけ声のトーンが違ったもん! 打ち解けている感じがした。
古賀:絶妙なくらいで、あまりやりすぎても「おいおい、やりすぎだろ!」って思われるから。
(一同笑)
大地:ま、まぁそれはそれでいーけど!! 嫌いじゃないけど!!(笑)
古賀:まだそこまでではないけど、少しずつ、そういうところも見せていけたらなと思います。TVシリーズからの心の成長は見せていきたいところなんですけど、人間としてはいいけど、スパイとしては果たしてそれでいいのか?というところが難しいんですよね……。
でも「ここだけは許してくれ!」という気持ちでした。プリンセスにはちょっとコロコロされちゃってもいいんだよというところが声で乗せられていればと思います。
影山:乗ってた! そこがみんなも見たいところ!
関根:2人きりのときのアンジェって、ちょっと幼くなる印象があるんです。スパイになる前のアンジェに戻るような。でも古賀ちゃんはその感じをテストのときにパンっと演じてくださって!だから、初めての2人のシーンというより、今までの流れの中でのそのままの2人のシーンがテストからできていた感じがします。
――こういう濃い話をBDに収録のキャストオーディオコメンタリーでもされていたのですか?
大地:それはどうでしょう……。
影山:どうでもいい話ばかりしてたかもしれないです。美容院の話とか。
古木:私が広げちゃったんだよなぁ。
影山:作品に関する詳しい話は、橘 正紀監督たちが参加しているスタッフオーディオコメンタリーを聴いていただければと思います(笑)。
大地:私たちは、ただのおしゃべりでした。
関根:アニメを見ながらのオタク会議です。