この記事をかいた人
- 福室美綺
- 福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。親友であり敵のような複雑な関係性が大好物です。
——少し昔のドラマについてもお話を伺いたいと思います。ドラマ版を初めて全話見させていただいて、アニメ版との違いも楽しめましたし、個人的に曽根崎さんがすごくインパクトが強くてびっくりしました。
飯田:僕自身、何だか曽根崎にすごく愛着があるんですよね(笑)。ドラマでは六平直政さんが演じましたが、もともとドラマが始まる前に曽根崎というキャラクターは生まれていて、『常識酒場』にも出てきましたし、その前の作品では敵キャラクターを曽根崎にしていました。曽根崎は自分の中でずっと育っているキャラクターなんです。
——では、逆にアニメを見ていて新鮮さを感じたキャラクターはいましたか?
飯田:君枝がすごく良いなと思いました。最初は、サブキャラクターのつもりで描いたのですが、物語が進むうちに重要キャラになっていって……実は「小林君枝」という名前は適当につけたんですけど、どんどん育って暴れ始めてしまって(笑)。あんな女性が近くにいたら危ないですよね(笑)。
——確かに危険です(笑)。そして、やっぱり気になるのが霧原兄弟。彼らは果たして幸せになるのでしょうか?
飯田:それは最後まで見てのお楽しみです(笑)。
——わぁ〜! もう最終回は絶対に見逃せませんね!
飯田:全話を通して、相手を全否定するのではなく、すべての立場の人間には背負っている事情があるということを感じてほしいです。
環境がすべてその人の立場を作っていて、それを組み換えるにはどうしたらいいのかが大きなテーマになっています。
最終回を見てそれを感じていただければ嬉しいですし、最終回にはすごく思い入れがあって、それがうまく伝われば良いなと思っています。
——また、小説版も読ませていただきましたが、御厨さんの「私たちはみなそれぞれに役目を持つ」というセリフに心を打たれました。
飯田:そのセリフを7話で霧原兄弟に言ったとき、“そんなことを背負わされても……”と思う方もいたと思いますが、僕が伝えたいのは“みんな役割を持っている”ことなんです。
最初に、翔子が「すべては点から始まる」と言っているように、みんな最初は“点”で始まる。特別に何かを持っているわけではなく、みんな1人1人が役割を持っていることを、アニメを見ている人たちにも感じてもらいたいんです。
よく「人間はみな平等」と言いますが、その言葉は大嘘で人間は平等ではない。だけど、あるところで優れていてもあるところではとても劣っている。1人1人にそういうところはありますし、それぞれのカテゴリーでヒエラルキーがあることを認識しないと人間は気が狂っちゃうと思います。
「みんな平等に権利がある」という言葉はとても素敵に感じるかもしれませんが、もっと深く語ると、1人1人はすべて違っていて、優劣をつけられるのが当たり前だと認識しないと人生が楽しめない。
たまたま、直人は特別な立ち位置にいますけど、1人1人がみんなそういうものを背負っているんだと感じてほしいです。
もちろん、生きていれば嬉しいことや辛いこともあります。そういうことを感じるために、人間は生まれてきたのかもしれませんね。
[インタビュー・写真 / 福室美綺]
≪小説「NIGHT HEAD 2041」(上・下)≫
好評発売中
著者:飯田譲治 協力:梓 河人
出版社:講談社タイガ
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7月14日(水)よりフジテレビ「+Ultra」ほかにて放送中!
フジテレビ:7月14日より毎週水曜24:55~25:25 ※初回は25:05~25:35(※10分押し)
関西テレビ:7月15日より毎週木曜25:55~26:25 ※初回は26:10~26:40(※15分押し)
東海テレビ:7月17日より毎週土曜25:45~26:15
テレビ西日本:7月14日より毎週水曜25:55~26:25
北海道文化放送:7月18日より毎週日曜25:10~ 25:40
BSフジ:7月21日より毎週水曜24:00~24:30
7月14日(水)より毎週水曜24:55からFODにて独占配信 ※初回は25:05から配信開始
※放送・配信時間は変更になる場合がございます。
カルト的人気を誇った『NIGHT HEAD』が蘇る―――。
原作者・飯田譲治の脚本で新たに描かれるオリジナルテレビアニメーション『NIGHT HEAD 2041』始動!
1992年にテレビドラマとして放送され、多くの人々の心を掴み、カルト的人気を誇った衝撃作『NIGHT HEAD』。超能力を持つが故に苦しむ霧原直人・直也の兄弟を描いた物語は、SFファンだけにとどまらず、多くのファンを魅了した。
そして30年の時を越え、テレビドラマの監督を務めた原作者・飯田譲治の脚本によるオリジナルテレビアニメ『NIGHT HEAD 2041』として蘇る。テレビドラマ版にも登場した霧原兄弟に加え、彼らを追い詰めていくもう一組の兄弟・黒木兄弟が登場して新たな『NIGHT HEAD』が描かれていく。
制作は、VFXを駆使した実写作品からテレビアニメーション作品まで、数多くの映像作品を手掛ける白組。また『えとたま』や『revisions リヴィジョンズ』にてCG監督を務めた平川孝充が本作品にて初監督を務める。そしてキャラクターデザイン原案には、『エア・ギア』や『天上天下』、『化物語』など数多くの人気連載を持ち、美麗で繊細なキャラクターを描く大暮維人を迎える。
超能力を持つが故に世界から迫害され“逃げる兄弟”霧原直人・直也。国家保安本部特務部隊として能力者を“追う兄弟“黒木タクヤ・ユウヤ。
翻弄される2組の兄弟
彼らは決して出会ってはいけない―――。
人間の脳は容量'%を使用していないといわれている。人間の持つ不思議な力は、この部分に秘められていると考えられている。その使用されることのない脳の70%はこう呼ばれることがある――『NIGHT HEAD(ナイトヘッド)』
ある森の中。二人の男が目を覚ます。超能力を持つがゆえに社会から疎外され、15年もの間、超能力研究所に隔離されて育った兄弟――霧原直人・直也。彼らは、自分たちが外に出られたということは、かつて研究所所長・御厨恭二朗に言われた、能力者が受け入れられる社会が到来したということだと、希望に胸を膨らませる。しかし、外の世界は、精神エネルギーの存在は完全否定され、超能力はもとより、超常現象を扱った書物や映像などの創作物すらも思想統制された2041年の東京だった。
そんな物理主義を掲げる国家の安寧のため危険思想を取り締まる、国家保安本部。その精鋭たる特務部隊に、二人の男の姿があった。幼くして両親に棄てられ、保安隊に預けられた兄弟――黒木タクヤ・ユウヤ。超常現象を偽物と信じ、思想犯罪者を追う日々に疑問のない彼らは、ある日、作戦行動中に、謎の少女・双海翔子に出会う。
「結界は破られた」
タクヤ・ユウヤは、翔子のその言葉に導かれるように、居場所を求めて放浪する直人・直也に邂逅する。
逃げる者と追う者――運命に翻弄される二組の兄弟の物語が、今、始まる――
原作:飯田譲治
監督:平川孝充
構成・脚本:飯田譲治
キャラクターデザイン原案:大暮維人
サブキャラクターデザイン原案:朝来昭子
コンセプトアート:富安健一郎(INEI)
BGコンセプトアーティスト:白田真人
MattePaintディレクター:大西 穣
美術設定:坂本 竜
美術ボード:ビック・スタジオ
色彩設計:中尾総子
撮影監督:高橋和彦
編集:齋藤朱里
音響監督:明田川 仁
音楽:やまだ 豊
企画・プロデュース:スロウカーブ
アニメーション制作:白組
制作:飯田譲治/NIGHT HEAD 2041 製作委員会
霧原直人:小野大輔
霧原直也:島﨑信長
黒木タクヤ:櫻井孝宏
黒木ユウヤ:小野賢章
曽根崎道夫:興津和幸
武藤玲佳:Lynn
本田大輔:間宮康弘
小林君枝:日笠陽子
秋山 唯:上田麗奈
双海翔子:前田佳織里
立花美紀:遠藤綾
柿谷スグル:前野智昭
藤木マイク:小林親弘
風間浩二:杉田智和
新城エミリ:早見沙織
ロシュコフ:廣田行生
ヴィクトル:新垣樽助
霧原直人[幼少期]:七海ひろき
霧原直也[幼少期]:石上静香
黒木タクヤ[幼少期]:藤原夏海
黒木ユウヤ[幼少期]:小市眞琴
奥原晶子:横尾まり
ミサキ老人:清川元夢
御厨恭二朗:銀河万丈
福岡出身。触れた作品にすぐハマる、ちょろさNo.1ライター。好きな作品は『Free!』『NO.6』『十二国記』『ギヴン』『新世界より』など。好きな声優さんは保志総一朗さんと坂本真綾さん。ハッピーエンドよりも意義のあるトゥルーエンドや両片想いが大好物な関係性オタクで、主にイベントレポートやインタビューを担当しています。最近はVTuberがマイブーム。