この記事をかいた人
- 篭法
- 内向的で口下手、典型的な陰の者。テーマやメッセージ、登場人物の心情を考えさせられるアニメが好み。小説も好き。
一迅社「comic POOL」にて連載中の、しろまんた先生の漫画を原作としたTVアニメ『先輩がうざい後輩の話』。小柄で強気な入社2年目の“後輩”五十嵐双葉と、面倒見がいいけれど双葉からうざがられている“先輩”武田晴海のふたりを中心に、仕事に奮闘する社会人の日常を描いたラブコメディ作品です。
そんな本作がついにアニメ化!2021年10月9日(土)からの放送に先駆け、9月19日(日)に新宿バルト9にて全2回の先行上映会&スペシャルトークイベントが開催されました!
それぞれ、TVアニメ第1話の上映後、上映前に、五十嵐双葉役・楠木ともりさん、武田晴海役・武内駿輔さん、桜井桃子役・早見沙織さんら声優陣が登壇。作品の見どころやキャラクターを演じる際に意識したこと、アフレコ現場の様子など、さまざまな角度から本作の魅力を語りました。
双葉らが勤める会社「糸巻商事」同様、社員(声優・スタッフ)同士の仲の良さや、和気あいあいとした雰囲気で作品が作られたことが存分に感じられたイベントの模様をお届けします!
TVアニメ第1話の上映が終了し、お客さんの興奮も冷めやらぬ中、本イベントにてMCを務める、武田晴海役・武内駿輔さんが登場。武内さんの呼びかけで五十嵐双葉役・楠木ともりさん、桜井桃子役・早見沙織さんも拍手に包まれながら登壇します。
ひとりずつ挨拶を済ませ、さっそくトークがスタート。武内さんが観終わったばかりの第1話について「いかがでしたか?」とお客さんに尋ねると、お客さんは大きな拍手で返答。その反応を見て、声優陣も嬉しそうに笑みを浮かべました。
第1話から見せつけられた本作の高いクオリティについて、楠木さんも「最初のカットからすごいの来たな、って思うくらい」、早見さんも「原作の絵柄とアニメの絵柄がパチっとはまっている」と、それぞれ絶賛しました。
続いて、声優陣による本作のイベントは今回が初ということで、お互いのこれまでの共演経験や、印象についてがトークテーマに。
楠木さんは武内さん、早見さんともに本格的な共演は本作が初めて。武内さんが初めて楠木さんに会ったときは、(楠木さんが)二十歳になったばかりの頃だったそうで、本作で久しぶりに会った際、「すっかり“仕事人”になっている!」と、楠木さんの成長に驚いたとコメント。
早見さんは「初対面でも気さくに話しかけてきてくれたので嬉しかった」と楠木さんとすぐに仲良くなれたことを嬉しそうに語りました。
一方、早見さんは、武内さんが高校生の頃から共演経験があり、「あのときから既に(風格が)高校生じゃなかったですよね」と懐かしむと、場内から拍手が。「何の拍手ですか!?」と武内さんが思わずツッコミます。
今度は武内さんが早見さんを「ずっと印象が変わらないどころか、日に日に身も心も美しくなられている」と褒めちぎり反撃(?)。再び拍手が沸き起こります。楠木さんも早見さんの声は、いちアニメファンとして楽しんでいるときから聴いていたそうで、同じブースに立ったときの感動を語りました。
キャラクターたちが手と手を取り合う作品の雰囲気同様、声優陣も絆を深めながら収録されてきたことが垣間見えました。
続いては、第1話の場面カットを使いながら、物語やキャラクターについてトーク。武内さんは最初にやったときから、声がピッタリと感じたそうで、楠木さん、早見さんのキャラクターに対するアプローチを絶賛。
収録時に意識したことや、収録の中で変化していったことについて訊かれると、早見さんは「この作品のオーディションは久しぶりに掛け合い形式での実施だったので、緊張していたこともあり、グイグイ行き過ぎた」と話し、本番では「桜井さんの恋愛面の奥手な部分を、風間くんとの掛け合いの中で引き出してもらった」と、意識したポイントを語りました。
楠木さんは、双葉のキャラクターについて「相手の出方によって反応が変わる、相手の言葉に合わせて細かくリアクションしていくところがある」と分析。「アフレコを重ねていきながら彼女の表情感や温度感を詰めていくことができた」と手ごたえをにじませました。
第1話では、武内さん演じる武田ももちろん大活躍。後輩のカバーに尽力したり、優しさにあふれたかっこいい台詞が登場するわけなのですが、その場面を振り返りながら、武内さんが「ああいうことを言ってくれる先輩が俺にもひとりくらい付いてくれればよかったのに!」と冗談交じりにコメント。
自身の新人時代の苦労を語り、会場の拍手(心の笑い)を誘いました。もちろん、武内さんの先輩も、表ではあまり見せないだけで、裏でしっかりフォローしてくれたそうで、武田の持つ魅力とも重なる部分があることを明かしました。
また、第1話において「“おしるこ”のシーンにも注目してほしい」と話す武内さん。ささいな日常の中にも幸せがたくさんあることをアニメーションで美しく表現している、本作の魅力のひとつを表したシーンになっていると力説しました。
ストーリーの話で盛り上がる中、本作のOPテーマ「アノーイング!さんさんウィーク!」およびそのオープニング映像の話に。キャッチーな、気分を上げてくれるメロディといった楽曲面の良さはもちろん、映像面のクオリティの高さや、歌詞とリンクさせた映像内容など、本編同様、こちらも気合の入った必見の内容となっていることが語られました。
楠木さんと早見さんは、演じるキャラクターとして歌唱を担当しているということで、レコーディングのエピソードも披露。双葉は八重歯が特徴的なキャラクターなので、あえて少しだけ滑舌を甘くしている、など工夫している点が明かされました。
また、原作者・しろまんた先生にまつわるエピソードも。先生が収録に毎回参加してくれたことで、より気合が入ったのはもちろん、やりとりも増えたことで作品をよりよいものにできた、と熱く語りました。また、本作には「しろまんた(キービジュアル下方の白い幽霊のようなキャラクター)」が毎話どこかに隠れているそうで、ぜひ“かくれまんた探し”もしてみてほしい、と別の楽しみ方についてもアピールしました。
まだまだトークが止まらない中、惜しまれつつもお別れの時間に。スタッフ・声優陣ともに楽しんで制作された、エネルギーと癒しがもらえる本作の魅力を3人がそれぞれ改めて語り、TV放送を楽しみにしてほしい、と自信をのぞかせたコメントでイベントを締めくくりました。
上映後登壇回と同様、イベントのMCを務める、武田晴海役・武内駿輔さん、五十嵐双葉役・楠木ともりさん、桜井桃子役・早見沙織さんら声優陣が登壇。
まずは、完成したアニメ映像を観たときの感想について。楠木さんは「スゴイとしか言いようがない。最初から引き込まれる」と、早見さんは「原作の温かい空気感がにじみ出ている」と述べ、原作の雰囲気そのままにキャラクターたちが動き出す、本作のクオリティの高さをそれぞれ絶賛。お客さんの期待を大いに煽ります。
続いて、原作の印象について。早見さんはオーディション前に読んだ際、準備のためではなく純粋に面白くて読んでしまう時間が訪れたそう。楠木さんは高校生のときにSNSで友だちから回ってきたことで本作を知り、一気にハマったとコメント。アニメ化の話、オーディションの話を聞いて気合いを入れた、と改めて本作への熱い思いを明かしました。
武内さんもSNSでの展開にマッチしている、毎話まとまりがある作品と紹介し、そのうえでアニメでは、ひとつひとつの出来事の間をより補完しているような内容にもなっているとコメント。楠木さんがそれでいてテンポ感は決して損なわれていないことに触れ、原作ファンにとっても嬉しい作品になっていることをアピールしました。
続いてはアフレコ現場の印象について。初対面の方も多かったにも関わらず、1話の時点ですぐ仲良しになったそうで、糸巻商事同様、和気あいあいとした現場だったことが口々に語られました。
早見さんが後輩たちを優しく見守ってくれたり、武内さんが本イベントよろしく現場でも話を振って先輩らしく振る舞ったりと、まさにキャラクターに近いような環境が不思議と生まれていったそう。本当に仲が良いことがうかがえました。
続いては各キャラクターの紹介や演じるうえでのポイントなどについてトーク。
まず楠木さん演じる五十嵐双葉。仕事仲間にグイグイいける社交性の高さや、外見同様の子どもっぽさの中にも、きちんと社会人の大人っぽさも併せ持っている、表情豊かなキャラクターになっている、と改めて魅力をアピールしました。
武内さんも子どもっぽすぎない、キャンキャンした感じになりすぎない楠木さんのアプローチを賞賛。楠木さん的にもそのあたりは意識したそうで、何に、誰に対して怒っているのか明確に見えるようにした、と演技面でのポイントを語りました。
続いて、武内さん演じる武田晴海。体同様、器も大きい人物ということで、同性から見ても、異性から見ても好かれるような先輩像、上司像になっている、と紹介。「双葉が本作におけるアクセルだとするならば、武田はエンジン」とし、ふたりの関係性にも注目してほしいことを改めて強調しました。
早見さん演じる桜井桃子については、会社のマドンナ的存在で理想のお姉さんのようだ、としながらも、意外と子供っぽい一面もあることを紹介。やり取りの多い、風間との関係については、武内さんが「このふたりに作品を乗っ取られるんじゃないか」と危惧するほどのラブコメっぷりになっているそうで、ふたりの関係についてもぜひ注目してほしい、と語りました。
本作には印象的なキャラクターがほかにもたくさん登場。中でも、大塚明夫さん演じるおじいちゃんはインパクト抜群で3人とも大絶賛。楠木さんは残念ながら一緒にアフレコすることができなかったそうで、テスト時は武内さんが代理で大塚さんのパートを担当していたことを明かします。すぐさま武内さんが大塚さんのモノマネを披露し、会場からは拍手が沸き起こりました。
桃子の弟である桜井優人、双葉の親友の黒部夏美、ミステリアスな同僚・月城モナなど、ほかにも魅力的なキャラクターたちが登場すること、そして彼らの関係性にさまざまなバリエーションがあることも注目ポイントとなっていることをアピールしました。
最後のトークテーマは楽曲について。EDテーマは桜井優人を演じる堀江由衣さんの「虹が架かるまでの話」。毎回が最終回、と思わせるような、余韻にじっくり浸ることができる素晴らしい楽曲であることを3人が力説。
OPテーマは五十嵐双葉、桜井桃子、黒部夏美、月城モナが歌うキャラクターソング「アノーイング!さんさんウィーク!」。表情、動きなど映像面に注目してほしいとともに、元気が出る曲調であると魅力を紹介。元気にやりすぎると子どもっぽく見えるので少しだけ抑えた、という双葉らしさを表現したポイントや、いつもより少しウキウキしている桃子の雰囲気を表現した、といったレコーディング時のこだわりも語られました。
カップリング曲「アイドルソングうたってみた」についても少しだけ紹介。タイトル通り、4人がアイドルソングを歌っている、という本編とはまた違ったキャラクターたちの一面を垣間見ることができる楽曲になっていることが明かされました。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、エンディングの時間に。スタッフさんの原作愛やこだわりが感じられる映像、日常のささいなできごとが美しく描かれている点など、改めて本作の魅力を3人がそれぞれアピールするとともに、ぜひ本作を楽しんでほしい、とコメントしてイベントは幕を閉じました。
TVアニメ『先輩がうざい後輩の話』は、2021年10月9日よりTOKYO MX、BS11ほかにて放送開始です! ぜひお見逃しなく!
[取材・文/篭法]
中学までは運動部だったが、だんだんインドア趣味になり、今では完全に陰の者。小説が好き。ライターを志すきっかけになったアニメは『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』。その他に好きな作品は『91Days』『SSSS.GRIDMAN』『ワンダーエッグ・プライオリティ』など。アイドル系の作品にはあまり触れてこなかったが、1年ほど前から『シャニマス』にハマり、ライブにも足を運ぶようになった。
がんばる社会人の“全力全身”さんさんウィーク!! TVアニメ『先輩がうざい後輩の話』2021年10月9日より放送開始!!
TOKYO MX、BS11:10月9日(土)より 毎週土曜25:00~
とちぎテレビ:10月12日(火)より 毎週火曜23:00~
北海道テレビ:10月14日(木)より 毎週木曜25:50〜
アニマックス:10月16日(土)より 毎週土曜22:30~
テレビユー福島:10月16日(土)より 毎週土曜25:28~
ABEMA:10月9日(土)より 毎週土曜25:00~ ※地上波同時・単独最速配信
dアニメストア:10月14日(木)より毎週木曜25:30~
※その他サービスでも順次配信。詳細は公式サイトにて
糸巻商事入社2年目、早く一人前になりたい五十嵐双葉。 ちょっとガサツだけど面倒見のいい先輩・武田晴海。 双葉は武田先輩をうざいと思いながらも、本当はまんざらでもない様子だったり、 でもやっぱり本当にうざいときもあったり……Twitterでは2017年最高のお気に入り数(1話=415,000いいね)を記録し、 「次にくるマンガ大賞2018 Webマンガ部門1位」を獲得したSNS大人気コミックス『先輩がうざい後輩の話』。奮闘社会人の日常ラブコメディが待望のアニメ化!
原作:しろまんた(一迅社「comic POOL」連載)
監督:伊藤良太
シリーズ構成:成田良美
キャラクターデザイン:阿部慈光
総作画監督:室田雄平、吉川真帆、中川洋未、武藤 幹
プロップデザイン:中島絵里
美術監督:鈴木俊輔
色彩設計:伊藤裕香
撮影監督:桒野貴文
編集:木村佳史子(MADBOX)
音響監督:高寺たけし
音楽:堤 博明
アニメーション制作:動画工房
五十嵐双葉:楠木ともり
武田晴海:武内駿輔
桜井桃子:早見沙織
風間蒼太:土田玲央
黒部夏美:青山玲菜
桜井優人:堀江由衣
月城モナ:古賀 葵
おじいちゃん:大塚明夫