声優・青山吉能さん3年振りのソロライブ!「青山吉能 SPECIAL LIVE 2021 よぴぴん家」レポート|音楽を通じて、“門出”の先を見つけに行く
2021年12月4日、声優の青山吉能さんが東京・eplus LIVING ROOM CAFE&DININGで「青山吉能 SPECIAL LIVE 2021 よぴぴん家」を開催した。
この日の主役、青山吉能さんは学生時代から歌と共に生きてきた。
中学時代はコーラス部に所属。その後、高校時代に7人組の声優ユニットとしてアーティストデビュー。数え切れないほどのステージを踏み、最高のステージでピリオドを打ったのが2019年3月のこと。
あの日から約2年が経ったタイミングで、彼女に転機が訪れた。
2021年2月に配信された「鷲崎健のアコギFUN!クラブ」を受け、改めて青山吉能さんの中に音楽活動への興味が生まれたという。
いや、欲、渇望と言った方が正しいか。
2021年にTVアニメ「プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜」発のユニット「SMILE PRINCESS」のメンバーに抜擢されるなど、音楽活動は続いていた。
その一方で、自分が思い描くライブ。声優とは違う、シンガーとしての自分をぶつけられるステージを作りたいという熱も生まれていたのだ。
2021年12月4日。この日、青山吉能さんはセルフプロデュースのステージに立った。
ここから新しくハジマルのだ。そんな気持ちと共に。
優しい歌で包もう
「青山吉能 SPECIAL LIVE 2021 よぴぴん家」。オープニングナンバーは「わたしの樹」だった。
「わたしの樹」は作詞家・只野菜摘さんと青山吉能さん本人が話し合いを重ねて生まれた歌詞。
“青山吉能”が詰まったフレーズで埋め尽くされている。
「見あげてる 蒼葉の先に 白い花咲かせる ナンジャモンジャの樹 懐かしく香る景色は いつの日も私の胸にひろがる」
“アオバの先”にあったこのステージは、彼女のアカペラで幕を開けた。
「わたしの樹」の1番が終わった時点でふとこんなことが頭に浮かんだ。
タチアガリ、右に左にマイクを持ち替えて感情を爆発させて歌っていたあの頃とは違うな、と。
まず、歌い方がかなり違う。これは今回のステージ用に作ってきたものだとは思うが、この点に驚いたファンもいたはずだ。
真っ直ぐ、ストレートに。気持ちをそのまま乗せて歌うのがこれまでの青山吉能さんの歌。
だが、この日はテクニック的なものではなく、表現のアプローチを変えてきた。
これは、これまでのファンにとっても新しくファンになった方にとっても素晴らしいトピックだろう。
あの頃と同じものが見たい訳ではない。変化し、進化した姿が見たい。
新しい青山吉能さんのパフォーマンスが洗練されていく過程を見届けることができる。
これは、これからのアーティスト活動を応援するファン冥利に尽きるのはではないだろうか。
この街で暮らすまでのストーリー
「『青山吉能 SPECIAL LIVE 2021 よぴぴん家』ようこそお越しいただきました。この12月4日のために色んな方に動いていただきました。思う存分楽しんでくださいね」
ここからのライブは青山吉能さんがセレクトしたカバー曲を中心に進んでいく。彼女が尊敬するアーティストの楽曲を実力派ミュージシャンたちが奏で、その音に声を乗せていく。
心地いい時間、音に身を委ねる時間が静かに熱く流れていく。
賑やかなメンバー紹介を終え、“七瀬佳乃ではなく、青山吉能として歌う”「ステラ・ドライブ」へ。
「この街で暮らすまでのストーリー」からこの街に慣れた女性の物語を25になた青山吉能さんが歌い上げる。
ジャジーな雰囲気にアレンジされた「ステラ・ドライブ」はオリジナル・バージョン全く別の表情を魅せた。
ちなみにこの人バンドメンバーは、超絶豪華な布陣である。
日本を代表する声優アーティストたちの隣でギターを弾いている凄腕ギタリストの木原良輔さんを中心に、ベースはメロディアスかつ安定感のあるプレイで有名な前田逸平さん。
キーボードは国内外で実績を持つ杉直樹さん。そして、ドラムはテクニカルなプレイで多くのライブ、レコーディングなどを支えている山崎慶さん。
もし時間があればそれぞれの名前でググってみて欲しいくらいだ。
MCではおじさんたちと呼ばれていたが、本当にとんでもない実力派ミュージャンたち。そんな彼らが楽しそうに演奏できていたのは、この日の主役が本気だったからなのかもしれない。
極上の素晴らしいプレイヤーたちが集ったライブ。ぜひ、一度だけでなく何度でも期間内に視聴して欲しい。