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冬アニメ『プリコネR』第2期 守屋竜史×上内健太インタビュー【連載第1回】

【美食殿】を中心とした“居場所アニメ”を作りたい――冬アニメ『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』守屋竜史さん(プロデューサー)×上内健太さん(アニメーションプロデューサー)インタビュー【連載第1回】

Cygamesが贈るアニメRPG『プリンセスコネクト!Re:Dive』(以下、『プリコネR』)。そのアニメ第2期となる『プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2』(以下、第2期)が2022年1月10日より放送スタートします。

第2期では、第1期(2020年4月〜6月放送)で監督・シリーズ構成を務めた金崎貴臣さんが総監督を務め、引き続きシリーズ構成も担当。【美食殿】を始めとするギルドやキャラクターが第2期ではどのような姿を見せてくれるのか、第1期の後半で明らかとなった核心部分はどうなっていくのか、放送を間近に控えて期待が高まっています。

そんな第2期の放送を記念して、アニメイトタイムズでは毎週スタッフやキャストへのインタビューを実施。第1回は、本作でプロデューサーを務める株式会社Cygames守屋竜史(もりやりゅうじ)さんと、アニメーションプロデューサーを務めるアニメーション制作の株式会社CygamesPictures上内健太(うえうちけんた)さんに、アニメ『プリコネR』の特徴から制作秘話、第2期の見どころまでたっぷりお話を伺いました。

作りたかったのは、【美食殿】の4人を中心とした“居場所アニメ”

――おふたりは「プロデューサー」と「アニメーションプロデューサー」という立場ですが、具体的にどのような役割なのでしょうか?

プロデューサー・守屋竜史さん(以下、守屋):僕はビジネス周りのプロデューサーとして、わかりやすく言えばCygamesPicturesで作ったフィルムを全世界に売って幅広く展開しています。また、制作部分では、本読み(シナリオ会議)などに参加しております。

アニメーションプロデューサー・上内健太さん(以下、上内):僕は実際にアニメのフィルムを作る側の予算や人のスケジュール管理をして、守屋さんと協力して映像を作っていく仕事をしています。

――守屋さんは第1期でもプロデューサーをされていましたが、実際に放送されての手応えや反響はいかがでしたか?

守屋:たくさん反響をいただきました。それまではゲームとしての楽しさだけが語られていましたけど、アニメのストーリーもキャラクターも本当にいいよねと皆さまに思っていただけて。自分の周りでもアニメを見てからゲームを始めた人がすごくたくさんいたんですよ。

――改めて、アニメ『プリコネR』の立ち上げの経緯や、どのようなアニメを目指したのかお聞かせください。

守屋:コンセプトとして【美食殿】の4人を中心とした“居場所アニメ”を作ろうとなりました。女の子がいっぱい出てくるゲームのアニメって、「各話にそれぞれの女の子が出てきて主人公と仲良くする」オムニバス形式の作品もあるじゃないですか。それと同じようにする案もあったのですが、それは『プリコネR』らしくない。やっぱり中心は「【美食殿】の4人が活躍するアニメ」にしたいなと。

当時はSNSが広がりを見せ、世間が「個人」「個々」に注目していた時代。「自分の居場所はどこなんだろう?」と悩まされていた人も多かったので、サークル的に【美食殿】の4人が「ここが自分の居場所なんだ」と思えるような中心線を引き、そこにいろいろなギルドが来る形を目指しました。

――監督に金崎さんを据えたのは、そのような意図があったからでしょうか?

守屋:金崎さんが得意とする仲良くしながらも切磋琢磨して成長し、絆を深めていく要素、コメディ的な要素を入れたら、今までにないアニメが出来上がると思ったからです。

 

――確かに、全話がギルドやキャラクターごとの内容だったら、それはそれで面白さはあったでしょうが、少し物足りなさも感じた気がします。ゲームはメインストーリーの重厚でシリアスなところも面白いですし。

守屋:最初は、可愛い女の子たちを中心に置きつつ、世界の謎に関わる部分と半分ずつくらいのバランスにしようとする案もありました。ただ、どこからみても面白いアニメにしよう、1話ごとに楽しめるものにしようと考えたのは金崎監督の采配です。「絶対そっちの方が第1期は見やすいし、キャラクターの魅力をより見せることができるから」とおっしゃっていて。なので、原作のテイストは忘れずに、(原作と比べて)第1期はシリアスなところを少なめになりました。

――上内さんは、第1期にはどのような形で関わっていたのでしょうか?

上内:僕は途中から制作デスクとして入りました。現場に入る前から金崎監督がつくるフィルムは面白いな、一緒にお仕事できるのは楽しみだなと思っていたのですが、実際に現場に入ってみたら制作会社が未熟なこともあり、結構大変な状況になってました。ただみんな一丸となって制作していて今思えば楽しかったですし、大変だった分やり切った感もありましたね。

守屋:上内くんは『プリコネR』の女の子の可愛さや魅力を出すために、他の制作さん達と協力してたくさんのアニメーターさんや演出さん達に声をかけました。結局はそれが第2期に繋がっています。第2期もその時の方々はそのまま参加していますので、最高の状態でチームが結成されています。そんな上内くんが、今回はアニメーションプロデューサーとなりました。

――ということは、クオリティが最後まで落ちずにいけたのは、上内さんの力も大きいのですね。

上内:いやいや。スタッフみんな「作品を良くしたい!」という思いが強かったので、そこに自分も乗っかった感じです。

金崎監督もスタッフも、作品への愛やリスペクトを持って制作

――ほかの会社でも制作デスクを経験した上内さんから見て、CygamesPicturesの特徴や長所はどこだと感じていますか?

上内:一番はまだ「若い」ことですね。若くて勢いがあります。「これからなんかやってやろう!」とギラギラした人が多く、変に守りに入らないというか。みんなが「CygamesPicturesという会社をもっと知ってもらおう」という目標・命題を持っていて、クオリティにはかなりこだわっています。ただ、経験値はまだ少ないですから、経験を積んでしっかりした土台を作っていかなければならないのが課題としてあります。

守屋:客観的に見て思うのは、すごく風通しがいいなと。昔からのルールがある会社は、そのルールの中で動くのでどうしても決まりきってしまい、それを超えられないことがあります。でも、CygamesPicturesはどのスタッフもすごく近くて同じ目線。どんな意見も言えるし、監督も笑顔で返すんですね。

監督がよく言うのは、「CygamesPicturesは制作進行もスタッフもほんとにいい会社。こっちも刺激を受ける」と。しかも、失敗した時はお互いをフォローしてくれて、もっと自分たちで頑張ろうというチーム感がものすごいんですよ。自分もいろいろな会社と仕事をしてきましたが、ここは圧倒的に団結力があって、みんな笑顔なんですね。そこが本当にいいところだと感じます。

――アニメの制作会社は連日泊まり込みで作業しているイメージを思い浮かべる人もいると思います。でも、CygamesPicturesのスタッフインタビューを見たら、出社時間と退社時間を守るのをスローガンにしていると話していました。

上内:そうですね。ただ、納品直前になると、昔ながらの永遠に終わらない文化祭前夜のような状態にはなりますけどね(笑)。でも、それをいやいややるか、前向きに楽しくやるかで全然違ってきて、フィルムにも表れるんです。やらされるのではなく自ら動き、頑張った分がフィルムに反映されるという意識は、1年目の子もみんな持っていますね。

守屋:それに、関わってくれているみんな『プリコネR』を好きなんですよね。アニメーターさんと話す時も笑顔で「このキャラのこの表情がすごくいいですね」と心の底から言ってくれる。そんな素敵な職場だと感じています。

――描いている人が好きかどうかは、視聴者に伝わりますからね。綺麗だけどなんか違うとか、ポイントを捉えてくれているのが嬉しいとか。

守屋:そう思います。アニメーターさんだけじゃなく、コンテマンや金崎監督も原作をリスペクトして読み込んでいて、「このキャラクターをこういう風に可愛くみせよう」と常にプラスαのことを考えているんです。それに、金崎監督ならこうするはずだから自分はこうしよう、といったツーカーなところもあって。すごく気持ちいいんですよね。

上内:金崎監督は、「ゲームの『プリコネR』が好きなファンに向けて」とすごく気にされていて。ゲームのファンが求めているものと上手くすり合わせながら、本読みを進めている印象がありました。監督の中には、自分がやりたいもの、やりたい映像だけを突き詰めるタイプの人もいると思いますけど、金崎監督は客観視して進められる方なんです。

――イカッチやチャーリーなどのオリジナルキャラクターを見て、金崎監督の色を出してきたと感じたのですが、『プリコネR』への愛もすごく持って作られていたのですね。

守屋:そうですね。チャーリーなど街の人々のことで言えば、“生活感”が大事だと思っています。アニメに落とし込む際は実際にキャラクターが動くので、椅子やテーブルの配置なども生活感を出す必要があります。街の人々はゲームだと“モブ”ですが、そこに生活感を出すために、いろいろとプラスしているんですね。

なぜそうしているかというと、第1期の最後でペコリーヌが実はプリンセスであり、国民を守る立場の人間だとわかりますよね。“ペコリーヌが守る人たち”を見せることで、この人たちの笑顔を守るため、この人たちとの交流を大切にしたいから本気なんだと伝える。そのためにも、街の人々の“生きている感じ”を出しています。この部分は金崎監督が特に最初からとても強くこだわっていた演出の一つです。

――プリンセスであることが判明して、それが第2期ではどういう展開となるのかも楽しみなところです。

守屋:先日公開された第2弾PVでは、ラストにキャルの物憂げな顔やペコリーヌの何かを思う目線が描かれていましたので、そのあたりもぜひご期待ください。

(C)アニメ「プリンセスコネクト!Re:Dive」製作委員会
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