剣と魔法の世界、そしてちょっと過激な表現に惹かれた思い出──アニメ『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』谷山紀章さん、楠木ともりさん、安元洋貴さん、日笠陽子さん インタビュー
累計発行部数3,000万部を超える萩原一至先生による漫画『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』。1988年に「週刊少年ジャンプ」で連載され、“ダークファンタジー漫画の始祖であり金字塔”とも言わしめた今作が、なんと2022年にシリーズアニメ化! Netflixにて全世界同時配信予定です。
今回は待望のアニメ化を果たした今作の見どころについて、先日発表されたキャスト陣にインタビュー! ダーク・シュナイダー役の谷山紀章さん、ティア・ノート・ヨーコ役の楠木ともりさん、ガラ役の安元洋貴さん、アーシェス・ネイ役の日笠陽子さんにお話を伺いました。
当時の面影を残しつつ、現代テイストで描かれたデザイン
──原作の魅力や印象的なシーンを教えてください。
ダーク・シュナイダー役・谷山紀章さん(以下、谷山):全体として背景の緻密さといった絵柄はもちろん、少年誌でありながらあそこまできわきわでエッチなシーンを描いているところでしょうか。
ティア・ノート・ヨーコ役・楠木ともりさん(以下、楠木):色々な要素がてんこ盛りでどれかひとつを選ぶのは難しいですが、ヨーコ役としてはヨーコがルーシェのためにすごく怒るシーンでしょうか。そこでの必死さや愛の出し方が彼女らしくてすごく素敵で印象深いです。
ガラ役・安元洋貴さん(以下、安元):僕はリアルタイムで原作を読んでいたからこそ、特別思い入れが強いかもしれないです。好きなシーンは悩みますが、アニメでご覧いただける中だとダーク・シュナイダーがネイのためにとった、とんでもない行動ですね。原作でも有名なシーンですが、アニメでもぜひ見てほしいです。ダーク・シュナイダーの愛情にかっこいいと思いつつも、「なんて向こう見ずな……!」と。そして復活が早いなとも思いました(笑)。
一同:(笑)
安元:あのシーンには色々な感情が詰まっていました。
アーシェス・ネイ役・日笠陽子さん(以下、日笠):私は出演が決まってから原作を拝見したんですけど、現代の作品に見慣れている身からするとすごく懐かしい絵柄だと感じましたし、先生の絵柄がどんどん進化していく過程を味わえました。
安元:絵柄はだいぶ変わっていくもんね。
日笠:そうなんです。あと個人的に、ダーク・シュナイダーの腹筋はなに筋なんだろう?と(笑)。
一同:(笑)
日笠:6パッド超えちゃってるよね!?と思いましたけどすごく好きです(笑)。
──そんな先生のキャラクターたちが現代のテイストで描かれています。ティザービジュアルなども公開されていますが、ご覧になった感想を教えてください。
谷山:原作の絵柄が徐々に変わっていく中、アニメの基準にする丁度いいところを描いているなと思いました。
スタッフ:たしかに、原作のどの辺りのデザインを基準にしようかと監督たちとよく話し合っていました。あまり先の巻に合わせてしまうと序盤の良さが伝わらないんじゃないか、となりまして…。そういった経緯があり、今回の全24話に関しては、監督個人としても萩原先生の絵柄が固まってきた6~8巻がいいのでは、と考えていたようです。
一同:なるほど。
谷山:(ビジュアルを見ながら)ヨーコさんが原作とはちょっと違って可愛いですね。
楠木:髪型とか衣装は原作の雰囲気を残しつつ、私たちの世代にも違和感がないようなデザインですよね。
谷山:個人的な話ですが、僕は足の指フェチなんですよ。昨今のグラビアとかは足の指が見切れている写真が多くて……(笑)。
一同:(爆笑)
谷山:足の裏が見えるのもまた良いですね。最高です。
──(笑)
谷山:現代に寄せた絵柄でありつつも、当時の面影をしっかりと感じるキャラデザだと思います。原作ファンの方もきっと僕と同じ意見になるんじゃないかな。
剣と魔法の世界の入り口! 男性陣の思い出とは?
──連載当時の思い出を教えてください。
谷山:当時はいけない本を読んでいるような……。
安元:ちょっと悪いことをしているかのようなね。
谷山:そうそう。
安元:僕もばれないように隠していました。
楠木&日笠:へぇ〜!
安元:お姉ちゃんに見つかったらなにを言われるかわからないから(笑)。
一同:(笑)
谷山:僕、学校と家の中でキャラが全然違ったんですよ。だから弟の前では下ネタとか絶対言わなかったんです。
一同:へぇ〜!
谷山:でも学校では下ネタ陽キャだったので(笑)、『BASTARD!!』を率先して読んだりして。そう考えると当時の僕には刺激的な作品でしたね。安元さんもそうですよね?
安元:当時の僕はスケベなことは悪いことだと自分自身を押し込んでいたんです。
谷山:大人になってはじけちゃってね(笑)。
安元:このザマですよ。でも『ロードス島戦記』を見て剣と魔法の世界に憧れていた当時、これだけ剣と魔法の世界をダイナミックに描いてくれた作品という部分でも印象的です。心のどこかでは「スライム、もっと頑張れ……!」みたいなことを考えたりもしましたが(笑)。
谷山:もう、「頑張れ! スライム!!」でしたね。
安元:当時は必ず続きを買ってこの作品を支えていこうと思いましたね。
──やはり男性陣としては世代的にも思い出深い作品なんですね。
谷山:そもそも世代的に、ちょっと上の世代は『ウィザードリィ』とか『アルテマ』を楽しんでいましたけど、僕はまだまだファンタジー作品を知らなかった頃で。そこから『ドラゴンクエスト』をきっかけに剣と魔法の世界にハマっていきました。当時は漫画やゲーム以外に、『コナン・ザ・グレート』とか『レッドソニア』『ウィロー』みたいに、映画でも剣と魔法の物語が多くてね。
安元:その当時は特撮SFが発展しだして、魔法の表現の幅が広がっていく最中でしたもんね。
谷山:そう! 80年代後半から90年代後半のバブルの頃は機運があったんですよね。そしてちょうど思春期に『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』というファンタジー漫画が出てきて。エロを抜きにしても、重厚な世界観に圧倒されて……あれは衝撃的でしたね。個人的にはエロの比重も大きかったですが(笑)。