冬アニメ『東京24区』野村智香子(プロデューサー)インタビュー|この作品に関わると決めたことが、思い出深い決断【連載 第9回】
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東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”を舞台に、蒼生シュウタ、朱城ラン、翠堂コウキ、まとめて“RGB”と呼ばれる3人を中心とした物語が描かれる本作。死んだはずのアスミからの電話や3人が見た映像、超人的な能力、突きつけられる“未来の選択”とは一体……? 第8話では、グラフィティ戦争を仕掛けていた真の人物や、カルネアデスの正体が明らかとなり、新たなヴィジョンに対するRGBの決断・行動など息を呑む展開となりました。
そんな注目の『東京24区』について、アニメイトタイムズでは毎週スタッフやキャストにインタビューを実施。第9回は、本作のプロデューサーを務めている野村智香子さんのメールインタビューをお届けします。
原作のないオリジナル作品なので、いかにわかりやすく届けるかを意識しました
――野村さんがプロデューサーとして具体的にどのような役割をされているのか教えて下さい。
野村智香子さん(以下、野村):主にアフレコや効果音などをつけるダビングへの立ち合い、最終的な映像チェックや編集作業を行っております。他にもCDやBlu-ray、DVDの制作作業にも携わっています。
――本作を制作する上で、特に注力した点や意識した点はどこでしょうか?
野村:本編映像制作の外側の立場として意識したのは、原作のないオリジナル作品ということで、物語のなかで出てくる設定やキーワードをいかに視聴者の皆様にわかりやすく届けるか、ということでしょうか。尺の関係で説明し切れていない設定もあったので、公式サイトに用語説明ページを作ってもらったり、宣伝チームにもたくさん協力してもらいました。
――制作していく中で、プロデューサーサイドから監督やスタッフ陣にリクエストしたことはあったのでしょうか? 逆に意見を求められたことなどあれば合わせてお答えください。
野村:私の方からリクエストしたことはあまりないのですが、作品全体を通して「女性目線での意見がほしい」と言われたことはありました。シナリオ制作段階では男性の比率が高かったので、どんなキャラがいいか、キャラの関係性はどうか、女性の意見もバランス良く取り入れたいという意図がありました。
――直近の放送回である第8話の感想や、特に印象に残っているシーン、セリフをお聞かせください。
野村:第8話で個人的に好きなのはシュウタのセリフの「オレはなにひとつ諦めないヒーローになるってアスミと約束したんだ!」という部分です。何か吹っ切れたようなシュウタが本当にかっこいいなと感じましたし、そのあとの全力で未来を変えようとしている姿に惹かれましたね。最後のちくわ(筑紫渉)との会話も印象的で好きなシーンのひとつです。
――野村さんが共感できるキャラクターや、共感に関わらず好きなキャラクターは誰でしょうか?
野村:共感できるキャラクターというとなかなか難しいですね……。それぞれのキャラクターに共感できる部分があるのでこのキャラが、という特定のものはないですが、好きなキャラクターで言うとコウキですね。自分の感情を抑えてでも正しさを追求していくところに不器用さを感じて、愛しいなと思ってしまいます。