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『東京24区』RGB鼎談:榎木淳弥×内田雄馬×石川界人がネタバレありで最終回までの物語を振り返る

『東京24区』榎木淳弥さん×内田雄馬さん×石川界人さん 最終回後インタビュー|RGBを演じた3人がネタバレありで全12話の物語を振り返る【連載 第14回】

快適な暮らしのために欲しいものとは?

――これまで演じてきて、キャラクターと自分自身の気持ちがだぶったりすることもありましたか?

榎木:シュウタの「どうしたらいいかわからない」っていうのは、それはそうだろうと思います。どっちみちアスミが生き返るわけではないし、完全に殺すか眠らせるか、ならどうしたらいいだろうってなりますし。自分の大切な人がそうなって、今すぐ安楽死を選ぶか、意思疎通ははかれなくても生きていて欲しいのか、というのに近いかもしれないですよね。

内田:僕は(ランの選択は)アリだと思いました。でも、それは立場が違えばコウキの選択もアリだと思うんですよ。彼には彼なりの信念があるわけですから。みんな考えていることは違っていて、相手に納得させるのって難しいじゃないですか。だから、自分がそうしたいと思ったら、それを信じるしかないですよね。結局は、そのぶつかり合いなのかなって。

石川:3人の思想は全部理解できるんですよ。でも、理解することと納得することは大きく違っていて、全部理解できるけど全部納得していないんですよね。だから、どこにも共感できないし、どこにも共感できる。それがこの作品のテーマであり大事なところだと思います。というのも、全てが合理性をはらんでいて、でもそこに非合理性もあって。だからこそ、「トロッコ問題」が生まれるんじゃないかと思いました。

――では、“KANAEシステム”や“ハザードキャスト”については、皆さん自身どう感じましたか? 劇中では『危険な自由か安全な不自由』といった言い方をしていましたが。

石川:難しいですね。現時点が『危険な自由』の状態なので、どうしても隣の芝生が青く見えてしまって『安全な不自由』を選びたくなってしまいます。例えば、夜道は危険だから、それがなくなるといいよねとか、誰かの汚職がなくなるといいとか、そういうのに憧れてしまいますよね。でも、もし自分たちがその環境に置かれたら、「(危険な自由があった)あの頃は良かったよね……」って絶対に振り返るだろうから、今のバランスが一番いいのかなと思います。あらゆる時代において、「今が一番いい」と思いたいですね。

――素敵な考えですね。隣の芝が青く見えるのは確かなので。

榎木:難しいですよね。監視されてばかりも嫌だし、かと言って犯罪だらけでも嫌だし。

内田:便利にはなって欲しいです(笑)。

石川:それは間違いないね(笑)。

内田:快適な暮らしになって欲しい。

榎木:そうだね。でも、快適な暮らしってなんだろうね。

――ちなみに、快適な暮らしのためにどんなものが欲しいですか?

石川:まずホログラム欲しいよね。

内田:いいね。あったら何に使う?

石川:とりあえず地球儀を出すよね。

内田:いやいやいやいや(笑)。

榎木:なんか支配する時のやつ(笑)。

石川:オシャレじゃん。ホログラムで浮かんだら(笑)。

榎木:でも、ホログラムでリモート飲みとか楽しそうだよね。

内田:確かに。サイバー空間で集まれるような世界になったら面白そう。

榎木:あとは、車が全自動になるとか。

石川:それは嫌だ! 絶対に嫌だ!!

内田:僕は(車が)飛ぶようになって欲しいかな。

石川:いや、地面を走って欲しいな。道路の感覚がなくなるんだよ?

内田:そうしたら“道路モード”を搭載したらいい。道路好きな人と空好きな人とで選べるように。

榎木:快適さは人によって違うからね。

――本作はRGBの友情もひとつのテーマとなっています。皆さんは本作で初対面というわけではないと思いますが、本作を通して仲の良さは深まりましたか?

榎木:界人くんとは、この作品をきっかけでだいぶ話せるようになりましたね。

石川:レギュラーでガッツリ一緒だったのは初めてですし。

榎木:「僕と雄馬くん」「雄馬くんと界人くん」は、これまでも会っていたけど。

石川:だから、友達の友達という感じだったのが、今は友達と言って……い、いいのかな? ……もうひと作品いる?

内田:友達でええやん!(笑)

石川:ということを言い合えるぐらいの仲にはなったかなと思います。

榎木:あとは(このご時世でできていない)打ち上げができれば完璧ですね。

自分が直面したらどうするか、すごく考えさせられる作品でした

――物語はエンディングを迎えましたが、今後こういうものを見てみたい、こういった広がりを期待したい、といったことはありますか?

榎木:シュウタはパン職人として修行に出たので、ここからパンアニメが始まるとか(笑)。手が暖かくなるかもしれないです。

内田:焼きたてで、うまいぜー! って(笑)。僕はそうだなぁ、ランがイギリスに行っていたので、イギリスに行きたいですね。

石川:真面目な話をすると、展開をして欲しくないぐらいいいエンドだったなと思います。

内田:みんなでこうしようって答えを見つけたからね。

榎木:あと、アニメ関係なくでよければ、舞台化とか見てみたいです。

内田:別の媒体でやっても面白そうな題材だからね。

石川:あとは、シュウタが学生時代にやっていたヒーロー活動の詳細を知りたいですね。なぜそこまでヒーロー活動にこだわっているのか。ヒーローとして何をやってきたのか。そこはあまり語られていないので。

榎木:サッカーの助っ人とかやっていたけどね(笑)。

石川:シュウタのヒーロー活動が、よりヒーローっぽくなっていくところも見てみたいです。

――では、物語全体を通して印象が変わったとか、より好きになったキャラクターはいますか?

石川:そうなると、3人ともアスミとしか答えられないですね。

内田:最後に会えたからね。

石川:3人ともアスミを愛しているので、アスミと掛け合えた喜びがやっぱり大きいです。アスミへの愛が物語を通して大きくなったのかなって思います。そうだろ? 2人とも。

内田:お兄ちゃん……シスコン……(笑)。

榎木:「オレの方が愛しているに決まっている!」って(笑)。

石川:コウキだけ「愛してる(好き)」って言葉を受け入れられていないからね(笑)。2人とも受け入れられているのに、拒否られているから。

――ま、まぁ、そこは兄妹ですし。では最後に、ここまで見てくださった皆さんへメッセージをお願いします。

榎木:この作品は、見ていただいた方それぞれで感じることが違ったのかなと思います。関係性や立場によるでしょうが、僕自身も問題に直面したらどっちを選ぶだろう、こっちを選んでしまうだろうなとか考えさせられましたし、最終的に自分で未来を選んでいくのはすごく大事なことだと実感しました。Blu-rayが発売されましたら、ぜひ買ってもう一度最初から見てもらいたいです。この3人はチーム感があって楽しく収録できましたので、それが音にのってみんなに伝わっていればいいなと思います。ありがとうございました。

内田:本当に人によって選ぶことが違うし、自分の環境や立場が違えば選択も変わるし、なにかを選ぶことは難しくて簡単に答えが出ないものです。でも、やっぱりRGBが3人揃って初めて、自分たちや自分自身がどうしたいのか、人との繋がりで気づくことがあったんだと思います。僕としても、みんなで頑張ろうという気持ちに最終的になれた作品でした。皆さんが作品を楽しんでいただけていることが一番の幸せですので、ぜひ『東京24区』引き続き応援していただけると嬉しいです。YouTube番組などもやりましたので、ぜひ味わい尽くしてください。

石川:この作品は「トロッコ問題」を大きなテーマにしています。トロッコ問題には犠牲がつきものですが、最終的にいろいろな視点で考えてみると「そもそもトロッコ問題に乗らなくていいよね」という選択肢が存在するかもしれないと、お伝えできたのかなと思います。皆さんもなにか問題にぶち当たり、どれを選んでもなにか犠牲にしなきゃいけないと思われることが生じた時は、一歩引いて考えてみてください。この作品は、それ以外の選択肢があるかもしれない可能性を提示できたと思いますし、第3の選択肢を探し続けるきっかけになってくれたら嬉しいです。これからも皆さんの中に『東京24区』が生き続けることを願っております。

[文・千葉研一 / 写真・佐藤ポン]

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TVアニメ「東京24区」作品概要

【イントロダクション】
東京湾に浮かぶ人工島「極東法令外特別地区」――通称“24区”。

そこで生まれ育ったシュウタ、ラン、コウキは、家柄も趣味も性格も違うが、いつもつるんでいる幼馴染だった。しかし彼らの関係は、とある事件をきっかけに大きく変わってしまう。

事件の一周年追悼ミサで、偶然再会を果たした3人の電話が突如一斉に鳴る。それは死んだはずの仲間からの着信で、彼らに“未来の選択”を迫るものであった。3人は、自分の信じるやり方で、愛する24区(マチ)と人々の未来を守ろうとするが―――

脚本にアニメ初挑戦の下倉バイオ(ニトロプラス)を迎え、キャラクター原案は多くの女性から人気を集めるFiFSが担当。「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」、「ダーリン・イン・ザ・フランキス」などハイクオリティな作品を手掛けてきたCloverWorksと、「ジョジョの奇妙な冒険」のシリーズ監督を務める津田尚克が初タッグを組んだオリジナルTVアニメーションが誕生!

【放送情報】
TOKYO MX・とちぎテレビ・群馬テレビ・BS11にて2022年1月5日(水)24:00~ 初回1時間スペシャル放送

TOKYO MX:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
とちぎテレビ:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
群馬テレビ:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
BS11:1月5日(水)より毎週水曜 24:30~ ※初回1時間SPは24:00~
ABCテレビ:1月5日(水)より毎週水曜 26:14~ ※初回1時間SP
メ~テレ:1月5日(水)より毎週水曜 26:11~ ※初回1時間SP

【配信情報】
ABEMA:2022年1月5日(水)24:00~
※初回1時間スペシャル
※第2話より毎週水曜24:30~
dアニメストア:2022年1月8日(土)12:00~
dアニメストア ニコニコ支店:2022年1月8日(土)12:00~
dアニメストア for Prime Video:2022年1月8日(土)12:00~
ニコニコチャンネル:2022年1月8日(土)12:00~
GYAO!:2022年1月8日(土)12:00~
バンダイチャンネル:2022年1月8日(土)12:00~
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J:COMオンデマンド:2022年1月8日(土)12:00~
TELASA:2022年1月8日(土)12:00~
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U-NEXT:2022年1月8日(土)12:00~
アニメ放題:2022年1月8日(土)12:00~
Amazon Prime Video:2022年1月8日(土)12:00~
TVer:2022年1月8日(土)12:00~
ニコニコ生放送:2022年1月8日(土)23:30~

【STAFF】
原作:Team 24
監督:津田尚克
ストーリー構成・脚本:下倉バイオ(ニトロプラス)
キャラクター原案:FiFS(曽我部修司・ののかなこ)
キャラクターデザイン:岸田隆宏
総作画監督:髙田 晃・伊藤公規・まじろ
副監督:髙橋英俊
プロップデザイン:髙田 晃
グラフィティデザイン:河原秀樹、添野 恵
美術設定:塩澤良憲
美術監督:春日美波
色彩設計:中島和子
2Dデザイン:久保田彩
特殊効果:清水彩香
CGディレクター:宮地克明
撮影監督:佐久間悠也
編集:三嶋章紀
音響監督:岩浪美和
音楽:深澤秀行
制作:CloverWorks

【CAST】
蒼生シュウタ:榎木淳弥
朱城ラン:内田雄馬
翠堂コウキ:石川界人
翠堂アスミ:石見舞菜香
櫻木まり:牧野由依
きなこ:兎丸七海
黒葛川早紀子:生天目仁美
翠堂豪理:楠 大典
翠堂香苗:大原さやか
クナイ:斉藤壮馬
ヤマモリ:伊丸岡 篤
ラッキー:喜多村英梨
白樺広樹:上田燿司
白樺 梢:日高里菜
筑紫 渉:中村悠一
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