実写映画『ハケンアニメ！』声優・群野葵を演じる高野麻里佳さんインタビュー！「ハケン」争いで感じた「知ってもらわなければ、楽しんでもらうこともできない」の意味は？

声優役のお芝居と劇中アニメのアフレコと二刀流に挑戦！　吉岡里帆さんとの掛け合いも！

――葵を演じる時に意識したり、心がけたことはありますか？

高野：吉岡里帆さん演じる新人監督の瞳さんと、うまくかみ合わないシーンがありますが、葵ちゃんは演技をすることが苦手な人ではなく、アニメが好きでこの業界に入って、自分が表現したいことがあったからこそ、衝突してしまったと思ったので、彼女の演技がヘタクソだったり、セリフを読むことが苦手という表現よりは、瞳監督とうまくかみ合わない部分を表現したくて。「監督が求めたことの真逆をやろうとしているように」と意識しました。

また、葵ちゃんは劇中で瞳監督が作るアニメ『サウンドバック 奏の石』でトワコ役を演じていますが、最初は監督がやりたいこともわからないし、でも自分が表現したいことはあるというクリエイター同士のぶつかり合いがあったけど、アニメが進んでいくことで、作品の理解度や監督が表現したかったこともわかってきたし、監督も葵の想いを理解してくれて、お互いに歩み寄ることで一緒に成長できた気がします。

――演じる時に吉野耕平監督からディレクションやアドバイスはありましたか？

高野：逆にアニメ業界についてたくさん質問されました。「声優から見て監督って怖いの？」とか（笑）。声優の服装や現場に持っていく筆記用具などのアイテムのアイディアを私から出させていただきました。この業界に向けて、しっかりと情熱と興味を持っていただいていたので、お互いに教え合うことが多かった気がします。

――吉岡さんとしっかり掛け合いをするシーンがありましたが、一緒にお芝居をされた感想は？

高野：吉岡さんのオーラがすごすぎました。吉岡さんが出演されたドラマや映画を見る側だった私がまさか一緒にお芝居できるなんて思いもしなくて。掛け合いをした後にカットの声が入った瞬間、感動したし、心が震えました。また楽屋裏では声優へのリスペクトを持ってくださっていたので、アニメ界にちゃんと目を向けてくれる役者さんたちが集まってくださったんだなと実感できて、嬉しかったです。

映画【#ハケンアニメ！】
撮影終わりに吉岡さんと記念撮影！
瞳監督、素敵でした！
ご一緒できて本当に嬉しかったです！

5/20（金）公開！！！！

とうとうあと一ヶ月になりました。
劇場でお会いしましょう！✨✨ pic.twitter.com/SnsxWptI2q

— 高野 麻里佳 (@marika_0222) April 19, 2022

――先日リリースされたご自身のアルバム（ソロ1stアルバム『ひとり』）を吉岡さんに差し上げたとか？

高野：そうなんです！　撮影終了後にアルバムが完成しましたが、なかなか直接お会いする機会がなかったので、吉岡さんの事務所にお送りさせていただきました。お手元に届いた後、SNSにUPしてくださって。ありがたかったですし、優しい方なんだなと改めて思いました。

アフレコシーンも先輩声優陣に見られる緊張感も。高野さんは「ハケン」争いは気になるほう？

――劇中では、瞳監督作＆葵が主演する『サウンドバック 奏の石』と、中村倫也さん演じる天才監督の王子千晴作の『運命戦線リデルライト』の2本のアニメ作品も見られますね。

高野：不思議な感覚でした。『サウンドバック』のアフレコシーンで、トワコを演じている時は「私が今演じているのは誰？」と迷うこともあったりして（笑）。声優として培ってきた技術で、『サウンドバック』を表現したいという気持ちがあったので、声優としての高野麻里佳なのか、群野 葵なのかという境目が段々わからなくなってきましたが、すごく力が入った映像作品だったので、「声優としてしっかり取り組まなければ」と気合いを入れて演じさせていただきました。

▲『サウンドバック 奏の石』

▲『運命戦線リデルライト』

――2本共、劇中アニメとは思えないクオリティで、ビックリしました。

高野：そうなんですよ！　その力の入れ具合はさすが東映さんだなと。いつかTVアニメシリーズとして作っていただきたいですし、私も演じてみたいです。

――アニメやアフレコシーンで注目してほしいポイントは？

高野：初めてトワコの気持ちがわかったシーンがあって、監督やスタッフさんも「よくなったね」という反応をされていて。そのシーンは葵ちゃんの成長がうかがえるようなアフレコシーンですし、葵ちゃんが演じているトワコのセリフにも注目してほしいです。

――アフレコシーンでは、梶 裕貴さんや潘めぐみさん、木野日菜さん、速水 奨さんという声優陣と一緒でしたが、ホッとしたのでは？

高野：ホッとはしましたけど、皆さんの前で実写としてのお芝居もしなくてはいけなかったので。普段のアフレコでは台本と映像を見ながら演じるので、収録中にお互いの顔を見合わせることがないから、気恥ずかしかったです（笑）。

――そのアフレコシーンで共演するキャストさんと何かお話されましたか？

高野：たまにしかお会いできない方ばかりで、しかも大先輩なので、「こちらから話しかけるのは失礼かな」と思っていたら、梶さんが「写真撮ろうよ」と言ってくださって。梶さんの自撮りでみんなで記念撮影したのも思い出深かったです。緊張をほぐしてくださったり、いい空気感を作ってくださって、ありがたかったです。

――2作品は同じ時間にテレビ放送され、まさにアニメ界の「覇権」を争う形で視聴率に一喜一憂しているシーンもありましたが、視聴率や売り上げなど気になりますか？

高野：私はすごく気にする人で（笑）。声優としてアフレコが済んだら終わりというわけではなく、作品を最後まで作り上げてくださるスタッフさんがいて、完成するまで見届けてこそ、チームの一員だと思っているので、視聴者の皆さんがどう感じてくださったのか、どんな反映をされているのかは気になります。

でも作品がどうなるのかは視聴者の方次第だと思うので、結果にこだわるというよりは、作品を盛り上げる一員として、葵ちゃんのようなSNSを通じてインフルエンサーみたいになれたらいいなという想いが強いです。

だから「知ってもらわなければ、楽しんでもらうこともできない」というセリフは私にも刺さったし、みんなで盛り上げたり、頑張った結果、「ハケン」を取って笑い合えたらいいなと思っています。