「これが本当の二人の始まり」──人気青春コメディの劇場版「からかい上手の高木さん」高木さん役の高橋李依さんインタビュー|高木さんと西片の中学最後の夏が見られるのは劇場版ならでは!
2018年から3期に渡って放送された人気アニメ『からかい上手の高木さん』(原作:山本崇一朗さん)の初の劇場版アニメが6月10日より全国公開されます。
中学生の西片(CV:梶 裕貴さん)が同級生の高木さん(CV:高橋李依さん)に何かとからかわれっぱなしの日々。
TVシリーズ3期では中学2年生の終わり頃まで描かれましたが、今作ではその後の中学3年生の夏休みの出来事が描かれています。また新キャラクターとなる子ネコのハナを水瀬いのりさん、ペットグッズショップの店員・太田役を戸松 遥さんが演じます。
主人公の高木さん役を演じ、TVシリーズ同様に週替わりED曲も歌っている高橋李依さんに、劇場版の見どころやアフレコの裏話、『高木さん』の魅力について語っていただきました。
いつまでも冷めない『高木さん』熱。
──TVシリーズ3期の放送が終わった時の感想や反響はいかがでしたか?
高木さん役 高橋李依さん(以下、高橋):アニメオリジナル回の反響が大きくて、ホッとしました。特に6話の「文化祭」ではツイッターのハッシュタグを目で追いながらリアルタイムで視聴していたら、「神回だった」など好意的な反響が多くて、「みんな楽しんでくれたんだな」と。
それからオリジナル回への安心感が増していったし、早く劇場版を見てほしいなと思っています。
また劇場版の発表から予告編公開など、何かしらお知らせがあるたびに、ツイッターのトレンドに入ることもあって、みんなの『高木さん』熱はまだ冷めていないんだなと、私も常に感じています。
──TVシリーズ1期から3期までの高木さんと西片の関係性の変化についてどう思われますか?
高橋:ずっと高木さん目線と第三者視点で並行して楽しんできましたが、高木さんが普通の女の子に見えるようになりました。『からかい上手の高木さん』というタイトルではあるけれど、純粋に恋をする等身大の女の子だなと思っています。今でもよくからかっていますけど(笑)。
最初の頃はポーカーフェイスがすごいので、西片目線で物語を追っていると「何を考えているんだろう?」とか思うことが多くて。今は感情や見せてくれる表情が増えたので、「あっ、これは恋してるからなんだな」とわかるようになりました。
3期11話の「2月14日」や12話の「3月14日」にあった、ちょっとモヤモヤした気持ちなど、高木さんがからかわない回に気付かされることも多かったです。
──高木さんは西片をからかいながらも、かわいい女の子っぽさもあって、演じ方のバランスが絶妙だなと思いました。
高橋:ありがとうございます。アフレコの時には、高木さん大好きなスタッフさんばかりで、皆さんそれぞれに思い描く高木さん像があって(笑)。
1期からずっと「高木さんだったらこっちじゃない?」とか「高木さんならこうだろう」とシーンやセリフひとつとっても何パターンも収録してきました。
例えば原作で大ゴマと呼ばれる見せ場で、クリティカルなひと言がある場合、「もっとからかってみてほしい」という方と「あえていつも通りに振舞ってほしい」という方がいたりして、「押すか」、「引くか」の問題が大きいかもしれません。
もちろん私自身「高木さんならこうしゃべるかな?」というイメージやプランもありますが、皆さんの思う高木さん像を出していただいて、実際に声に出してみて、聞いていただくことで、「違ったのでさっきのを使います」と判断して。
そんな試行錯誤を私だけではなく、皆さんと一緒に繰り返してきたことが大きかったと思います。
──スタッフさんだけでなく、ファンや視聴者の皆さんそれぞれにもイメージがあり、愛されているキャラクターということでプレッシャーもあったのでは?
高橋:確かにありました。『高木さん』のアニメがここまで続いているということは、高木さんの声が合っていると思ってくださる方が増えてきてくれたおかげだとも思いますが、原作を読んでいる時に自分の脳内で再生される声って、人それぞれだと思いますし。
更に自分が好きだった子との記憶を思い出させるようなシチュエーションがたくさんがあるので、それだけの正解があるはずで。
「みんなの中の高木さん像をどう形にしようか」といっぱい考えたし、悩みました。今は劇場版まで続いたので自信を持って演じていますし、もし声が合っていないという意見があったとしても「そうかもしれないな。高木さんだもん」と思えるようになりました(笑)。