「これが本当の二人の始まり」──人気青春コメディの劇場版「からかい上手の高木さん」高木さん役の高橋李依さんインタビュー|高木さんと西片の中学最後の夏が見られるのは劇場版ならでは!
シリーズ初の長尺にプレッシャー。劇場版は高木さんと西片たちの思春期の素敵な群像劇
──劇場版の脚本を読まれたり、演じてみた印象をお聞かせください。
高橋:『高木さん』ではオリジナルのお話を長尺で演じたことがなかったので、感情のちょっとした機微を丁寧に作り続けてきた30分のアニメの数本分にも及ぶものを果たして演じきれるのだろうかというプレッシャーが大きかったです。
──高木さんと西片にとって、中学生としての最後の夏が描かれるわけですが、PVを見るとせつなさを感じました。
高橋:「中学3年生の夏」と聞くと、ポジティブな印象を抱く方もいれば、寂しさを感じる方もいるように、この映画の中にはいろいろな感情やちょっとした大人へ変わる不安な気持ちなど丁寧に描かれています。
それは高木さんや西片だけでなく、クラスメイトの心情も描かれているので、思春期の少年少女の素敵な群像劇になっていると思います。
──3期では、高木さんたちの中学2年の新学期から3学期の終わりまでが描かれていて、この劇場版では中学3年生の夏休みの始まりからという流れもいいですね。
高橋:徐々に中学時代の終わりに近づいていくわけですが、時間軸を進めるという選択をしたのは今にして思えばすごいですよね。中学3年の夏が見られるのもアニメならでは、劇場版ならではです。
しかも3期の放送が3月に終わって、劇場版は6月という短期間でお届けできることもありがたいです。実は「3期と劇場版が決まりました」とツイートした時、「同じ年にやるのは不可能じゃないかな」と無意識に思ったからか、「2023年に劇場版が公開します」とツイートしてしまって(笑)。
こんなに早くお届けできるのも、スタッフの皆さんが各所で頑張ってくださったから。感謝しかありません。
──ちなみに劇場版の収録はどのように行われたのでしょうか?
高橋:私は1日で収録を終えないといけないチームで、8割方が梶さんと一緒で、あとは太田さん役の戸松 遥さんと途中で合流して、掛け合いをさせていただいてと、3人で回した収録でした。
劇場版の収録は2日間に分けて行われることが多いので、1日であの量を録り切ったのは大変でしたが、途中で止めなくてよかったなと思う仕上がりになっていると思います。集中力も気持ちも途切れず、やり切れたと思っています。
──収録時のおもしろかった裏話を教えてください。
高橋:台本が分厚くて、片手で持てないほど重くて。映画の台本は普通2冊に分かれることが多いのに、『高木さん』はなぜか1冊で。アフレコをしていると持つ指がつりそうになったので、握力のある梶さんに台本を真っ二つに、前半と後半に分けてもらいました(笑)。
台本をもらった時、「どうしようかな?」と思っていたら、最初の段階で梶さんから「2つに分けたほうがやりやすいよ」と。まるで戦った後みたいな台本になっていました(笑)。
──予告編をご覧になった感想は?
高橋:「見せすぎじゃない!?」って(笑)。いいシーンをいっぱい見せちゃっていますが、「あの予告編を見たら、絶対に劇場に行きたくなるはず!」と思っています。
──TVシリーズ同様に、この劇場版でもED曲を歌われていて、更に週替わりで流れる楽曲も変わるそうですね。
高橋:すごいですよね。「本当にそうだったらおもしろいよね」というアイディアを実現してしまうスタッフさんたちの実現力と熱量には驚かされるばかりです(笑)。
方向性は違うけど、どの曲も劇場版にピッタリなので、映画を見終わった後にはきっと爽快感を感じていただけると思います。
できれば全曲聴いていただいて、7月13日に発売される『「からかい上手の高木さん3&劇場版」Cover Song Collection』も合わせて聴いて、楽曲で『高木さん』の世界や雰囲気を楽しんでいただけたら嬉しいです。