声優
『Machico 10th Anniversary Live ~Trajectory~』レポート

ソロアーティストデビュー10周年を記念した『Machico 10th Anniversary Live ~Trajectory~』で全27曲披露!「これからも私の夢を見守っていてください!」

圧巻のクライマックス

最新シングルのカップリング「向こう見ずFORWORD」では、前のめりな気持ちを表すかのようにバンドメンバーも一歩前に出てエネルギッシュに演奏。さらに『この素晴らしい世界に祝福を! ファンタスティックデイズ』テーマソング「Happy Magic」では力強く拳を上げ、<進め 進め もっと先へ 虹の向こうまで>と明るい歌声でファンの背中を押していく。

ムードを変えたのがミディアムナンバー「Everlasting Glory」。「Everlasting Glory」は『マチビトサガシ』のリード曲であり、リード曲としては初めてとなるクール系のナンバー。当時は挑戦だったマイナーコード&ハイトーン多めのこの曲を、魂を込めて歌いきって見せた。

ラストは最新シングルより「ENISHI」(TVアニメ『幻想三國誌 -天元霊心記-』オープニングテーマ)。<旅立ったあの日から夢見た 一人じゃ見えない景色と 探し求めた強さはここに>──壮大なバラードに10周年分の感慨を乗せながら歌い、最初と同じ階段の上へ。そして<いつでも旅路を これからも描いていこう>と伝え、バックステージへと戻っていったのだった。

アンコールは「Only my railgun」から

アンコールでは他のブロックと比べるとラフなシャツ姿(と言っても肩出し&ファー付き)に着替え、 fripSideの「Only my railgun」のカバーからスタート(!)。2011年、ホリプロ主催による 「第36回ホリプロ タレントスカウトキャラバン ~次世代声優アーティストオーディション~」 のファイナルステージで歌った曲で、1stアルバム『COLORS』にも収録されている。ほぼ時系列を追って曲披露してきた中で、今回は“エピソードゼロ”としてこの曲をセレクトしたという。

「あのオーディションのとき黒のワンピースで、スタイリストさんにブーツを選んでいただいていたんですけど。田所あずさが使わなかったスニーカーのロングブーツが落ちていて、勝手に拝借した!(笑)」という当時の裏話に観客のマスク越しから笑いが漏れた。

改めてセットリストを振り返りつつ「みんな聴きたい曲聞けたかな?」と伝えると拍手が。ここで「Soul Believer」についても触れ、「私の活動を語る上でプリキュアというものは外せなくて。今回唯一のキャラソン。あやねさんの気持ちになって皆さんにお届けしました」と伝えた。

アンコールラストの曲は、Machicoがはじめて作詞を手掛けた「ミライロケット」。キミへと、夢見る明日へと、宇宙へとその思いを飛ばすかのように明るく歌った。バンドメンバーを送り出し……「今日は私が初めて主演を務めさせていただいた『ライフル・イズ・ビューティフル』の小倉ひかりちゃんの誕生日なんです」と話し「私は大人に相談した! ひかりちゃんの曲が歌いたいと!」と語尾に力を入れる。「本当は「ミライロケット」が最後だったんですけど……ひかりちゃんの曲を歌えることになりました!」と、とびきりキュートな「Everything’s OK」をサプライズプレゼント。曲を終えると大きな拍手が。そして、地続きにWアンコールを求めるクラップへと変わる。

最初で最後の、特別な10周年ライブ

ファンの応えたMachicoが再びバンドメンバーと登場。改めて感謝の気持ちを伝える。

「明日でアーティストデビュー10周年を迎えます。自分が10年を迎えられるとは本当に思ってなくて。10年間、がむしゃらに突っ走ってきました。前から応援してくれる人も、最近知ってくれた人もいると思うんですけど……私はまわりと比べると歩みが遅い方で、アニメや声のお仕事、お歌の活動を応援してくれている方々に恩返しできないかなって、もどかしい気持ちをずっと過ごしてきました。何回も挫けそうになったんですけど、先輩たちに“いかに腐らずにいられるかが続けられる秘訣だから”って言われてきて、そういう時こそ周りを変に羨むのではなく“自分には自分の良さがある、武器がある”って自分を見つめる期間になりました。それは先輩方や、応援してくれる方のおかげです。だからこそ歩んでこられた10年。最近Twitterのフォロワーも増えてきて、いろいろな作品に出会えることができて。改めてありがとうございます」

万感の思いを込めたMCのあと、事前に発表があったデビュー10周年を記念したベストアルバム『10th Anniversary Album -Trajectory-』に収録されるシド・明希の提供による「Shall we…?」について改めて報告。

「今回10周年を記念したベスト・アルバムがリリースされることになったのですが……その中に収録される10周年記念曲として、シドの明希さんが曲を提供してくれました! 私はすごくシドが好きなんです。イベントで歌うだけでなく、カラオケでお兄ちゃんと一緒に歌うことも。だから、まさか10周年記念曲を書いてもらえるとは思わず、決まったときに震えました。私が作詞をさせていただいてさ。もう嬉しすぎて“わああ~!”って!」

その興奮を伝えると、ジャジーで艷やかなナンバー「Shall we…?」を最後に披露。これまでの曲とはまた違った“今だからこそできる表現”でファンを楽しませ、メドレーも含めると全27曲という大ボリュームのライブを締めたのだった。

「これからももっともっと精進していきます! 30歳という節目の年を迎えたわけですが、まだまだ元気に、若い子たちと並びながら、へそなりなんなりを出しながら!(笑)体型維持も頑張っていきたいなと思います! 私、若い子と一緒にステージに立てることが嬉しいの。私が先輩たちの背中を追ってきたように……自分が経験してきたことが届けられるように、背中を見せられる存在になっていけたらいいなと思っています。まだまだ元気に、たくましく、健やかに走っていきたいと思いますので、これからも私の夢を見守っていてください!」

エネルギッシュに走っていくことを約束し、キツネの手のポーズでいつもの「サラバダ~!」の挨拶。メモリアルなライブが幕を閉じた……かと思いきや、ステージを去ったあと「Shall we…?」のMVを初披露。さらに2023年5月に、地元・広島県呉市で凱旋ライブを開催することが発表された。

「Shall we…?」が収録されるベストアルバム『10th Anniversary Album –Trajectory-』は7月20日(水)にリリース予定。10周年の活動も、ソノサキも、今から楽しみだ。

[取材・文/逆井マリ]

 

神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。

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逆井マリ
神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。

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ベストアルバム「10th Anniversary Album -Trajectory-」商品情報

発売日:2022年7月20日(水)

【初回限定盤 CD+Blu-ray】COZX-1930~1 ¥4,400
【通常盤 CD Only】COCX-41809 ¥3,300

<CD収録内容>
・アーティストデビュー10周年記念楽曲
「Shall we…?」
作詞:Machico/作曲・編曲:御恵明希(シド)
他、未定

<Blu-ray収録内容>
「Shall we…?」ミュージックビデオ+メイキング映像 予定

アニメイト・ゲーマーズ特典

・アニメイト:ブロマイド
・ゲーマーズ:ブロマイド2枚セット

※特典は先着順となっており、無くなり次第終了となります。ご了承ください。
※一部お取扱いの無い店舗もございます。予めご了承ください。
※購入や詳細は、各販売サイトをご確認ください。

 

Machicoさんプロフィール

3月25日生まれ。広島県呉市出身。ホリプロインターナショナル所属。

代表作:
『ウマ娘 プリティーダービー』(トウカイテイオー)
『アイドルマスター ミリオンライブ!』(伊吹翼)
『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』(草薙寧々)
『ライフル・イズ・ビューティフル』(小倉ひかり)など。

 
公式Twitter(@MachicoOfficial)
公式Instagram(@machico_3s25)
オフィシャルHP
音楽情報サイト
公式YouTubeチャンネル

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