『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-「CROSS A LINE」』発売記念! イケブクロ・ディビジョン「Buster Bros!!!」山田一郎役・木村昴さんインタビュー|今回のブクロはキープゴーインで“らしさ”を進化させた自信作
熾烈なバトルが繰り広げられた<2nd D.R.B>も終了、物語もひとつの分岐点を迎えた『ヒプノシスマイク –Division Rap Battle-(以下、ヒプマイ)』。今回のディビジョンラップバトルでは、シブヤ・ディビジョン「Fling Posse」の勝利となり、一時の平穏が訪れています。
そんな折に発売されるのが『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-「CROSS A LINE」』。これまでに人気曲だけでなく、各ディビジョンのチームの新曲が収録される他、コミカライズ作品に付属していた楽曲も収録されるなど、これまでのファンも、今の『ヒプマイ』に注目したい方にもマストバイな作品に仕上がっています。
アニメイトタイムズでは本作の発売に合わせて、毎度おなじみのイケブクロ・ディビジョン「Buster Bros!!!」山田一郎役・木村昴さんにインタビューを実施!
今回はバトルが行われていない期間の楽曲ということで、アルバムの雰囲気もいつもと違うようですが、Buster Bros!!!は安心安定のいつもの姿を見せてくれているようです。
木村さんが楽曲に込めた想い、今後の『ヒプマイ』で挑戦したい曲、さらには木村さんが今ハマっている音楽まで、話題は多岐にわたりました。
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Buster Bros!!!らしさが洗練されてきている
ーー本日もよろしくお願いします。今回のアルバムは、新曲も盛りだくさんですね。収録はいかがでしたか?
木村昴さん(以下、木村):レコーディングはスムーズでしたね。プレッシャーが無く、ゆったり心に余裕がありながらできました。
前まではセカンドディビジョンラップバトルのプレッシャーを感じながらの収録だったんですよ。「この曲を聞く人に票を入れてもらいたい!」っていう思いでやっていました。
これまでは「ベストテイクを収めなければいけない!」と気負ってやってたんですけど、今回はスタジオに行ってぺぺっとやって、「良いね! オーライ! それじゃあまた!」って言う感じで(笑)。テキトーにやったわけじゃなくて、リラックスして収録もポンポン進んで。素材を確認しても「いいじゃん! いいじゃん!」って流れで全曲録ることができました。
特に新曲の「IKEBUKURO WEST BLOCK PARTY」に関しては、新曲なんだけどどこか懐かしくて、Buster Bros!!!らしさがある曲です。聞くだけで自然と頭に入ってくるのでそれを歌いました。
自分のバース(パート)とどういうラップをするのかを意識して、後はスタジオのバイブス(テンション)で行こうと思って臨んだんですが、すごくリラックスしてできましたね。
Buster Bros!!!の曲に関してはメンバー1人ずつ収録してたんです。今回はリリックを焚巻さんが書いてくださって、トラックはDJ U-ICHIさん。焚巻さんは池袋ど真ん中の人で自分たちを“IKB”って呼んだりするくらい。
だから池袋っていう地域をすごくよく理解していて、『ヒプマイ』のこともめちゃくちゃ勉強していただいたんじゃないかな。それくらい僕らも歌っていて違和感がないというか、疑問が無い。リリックの言葉選びにも無理がないというか。
なんか変わってなくていいなと。今までのイケブクロがそのまま出ているみたいな。すごく安心するというか、イケブクロらしさが失われず、キープゴーイング(いつもの調子)みたいな感じでした。
リリックの書き方も、1人で1バースを担当するんじゃなくて、1つのバースを掛け合いながら歌うスタイルもイケブクロっぽくてラップしていて楽しかったですね。
ーー楽曲を聞かせていただきましたが、まさにBuster Bros!!!らしさに溢れる曲でした。
木村:これまでにでありそうな曲なんだけどない感じですよね。
今回のアルバムでは、他のディビジョンが今までと違うことをしてきている印象なんです。エモい方向に全振りというか。
だからこそ、僕らの曲はトライしてないってわけじゃなくて「やるじゃん、ブクロ」って鼻が高くなりましたね。
ーー他のチームに比べると、Buster Bros!!!は“リスナーの頭の中にあるイケブクロのイメージ”が多くのファンの中でも共通していることが多い気がします。一郎を中心に仲良くやっていて、地元の泥臭い感じがあり、青春やってますっていうイメージ。それがどのディビジョンよりも明確になっているから、王道なイケブクロの方向に進んでいける。声優陣も一番ラップをしている三人でもありますし、どんどん洗練されていくんだろうなと思いました。
木村:そうなんです! その表現、いいですね……。それ僕が言ったことにしといてもらえます……?
ーーわかりました(笑)。
木村:他のチームに比べると、Buster Bros!!!は“リスナーの頭の中にあるイケブクロのイメージ”が多くのファンの中でも共通していることが多い気がします。一郎を中心に仲良くやっていて、地元の泥臭い感じがあり、青春やってますっていうイメージ。それがどのディビジョンよりも明確になっているから、王道なイケブクロの方向に進んでいける。声優陣も一番ラップをしている三人でもありますし、どんどん洗練されていくんだろうなと思いました。
ーーいいこと言いますね……!
木村:でも、そうそうこれこれ! っていう感じがあって良いなと思います。
あと、ライブ映えする曲ですよ。今月控えているライブがかなり楽しみになりましたね。ライブ前提で作るものではないですが、今までの楽曲もライブで磨かれてきた感じはあるので、レコーディングの段階でライブだったらどうするのかって思い浮かぶんですよねBuster Bros!!!の曲はどれもライブしたくなりますね。
ーー他にも「CROSS A LINE」はおしゃれでびっくりしました。
木村:「CROSS A LINE」の一郎のバースの歌い出しなんて「急な夕立 コーヒー、サイフォン」ですからね。
コーヒー……サイフォン? サイフォン……?
ーー(笑)。
木村:サイファーとかは言ったことありますけど、サイフォン? 夕立がきて茶店に入って……サイフォン? めっちゃおしゃれじゃん……!
曲調もそうですけど、リリックも今まで歌ったことのない言葉が多くて。雨の日の喫茶店感というか。今までで一番ラフにラップしたと思います。力まずプリプリっとするような。新たな一面ですよね、落ち着いた感じ。
この曲はレコーディングしながらライブ難しそう~と思いました。ちょっと歌ったり、ハモりがあったりするので、完璧に決まったらかっこいいんだろうなと。
ーー人数も多くなってパズルみたいな曲ですからね。
木村:18人の歌声がありますから! しかも実際の楽曲はコーラスもあるのでそれが『ヒプマイ』の重厚感のある楽曲の要因にもなっています。
だからこそ、みんなでのライブはどうしようかな~と思いますね。また楽しみが増えました。
この楽曲が物語ってるように、バトルシーズンが終わってみんなでレイドバック(リラックス)しながらチルい(のんびりとした)感じで行こうぜ〜という雰囲気が良いですよね。殺伐としていたり、敵意を持つことなくピースフルな雰囲気が良いですね。
それが一郎をサイフォンへと導いたと言うか。コーヒー、サイフォン!
ーーそれ、気に入ってますね……?
木村:はい。サイフォンがよくわかってないんですけどね(笑)。
ーー(笑)。しかし、『ヒプマイ』では珍しく戦いのない時期なので、聞いてる人たちも新鮮な感覚で楽しめるアルバムではないでしょうか?
木村:バトルをするっていう作品の性質上、どこかしらのディビジョンを応援するわけじゃないですか。箱推しで、『ヒプマイ』全体が好きなんだっていう人もやっぱり推しディビがあるわけですよ。
そうするとバランスと言うか、「全部楽しく聞いてね!」って思ってもやっぱりどこかを応援しようと思っちゃう。そういう性質なので仕方ないんですけどね。
だからやっぱりファンのみなさんも一緒にバトルを終えて、全てを一緒に楽しめる。全体を見直して、他のディビジョンの知らなかった魅力に気づくかもしれません。
そういうピースフルなアルバムだと思っているので、楽に聞いてほしいですね。
1つの大きな戦いが終わって落ち着いている今だからこそのアルバムです。
ーーなんか全員で河原で殴り合った後みたいな感じですよね。『ヒプマイ』は、この青春感がやっぱり魅力です。初めから聴いている側からするとみんな大人になったなと勝手に思いました。
木村:そうなんですよ……。それも僕が言ったことにしてください。
ーーまた(笑)。では初回限定盤Disc2に収録される左馬刻との“サウナ曲”はどうですか?
木村:「Nausa de Zuiqu」ですね! 3年前くらいに収録して、大阪城ホールで初披露しましたね! あれはコミックに付くCDの楽曲でした。コミックが出てからライブで披露するのもだいぶ後でしたよね。いや~熱いな!
ーーファン待望のですよね。
木村:たしかに、売り切れてたし配信も無かったですもんね。しかも今はサウナ大ブームじゃないですか。良いですね、当時はサウナ女子とか居ませんでしたからね。「整う~(※1)」とか言ってね。
そういうブームだからこそ刺さる曲になってたら良いな。この曲からサウナに詳しくなったら良いですね。
曲のコンセプトが面白くて良かったんですよ。サウナでバトル、しかもフリースタイルバトルとかじゃなくてサウナの中でサウナの知識を出し合って答えられるか、どっちが長く入れるかをやるっていう。斬新とかじゃなくてもうちょけてるなと(笑)。
※1:整う
サウナのファンは、サウナと水風呂に交互に入った後の独特の幸福感を「整う」と表現する。
ーーこれは歌うと笑っちゃうんじゃないですか?
木村:笑いそうになる! ライブでも浅沼さんと大阪城ホールで2人で披露するということで、しかも特設ステージだったので、無難にやるわけにはいかない。
だからアイデアを出しあって、ベンチでやりましょうと。サウナの中を再現しましょうって。そうしたら2人でのめり込んでリハーサルできたんですよ。
さらにオレンジのタオルを本番直前に用意してもらって、ベンチにも首にも掛けてみたらよりそれらしくなって(笑)。まじでサウナなんですよ。会場の熱気もあったし、僕ら2人とも舞台役者な部分があって、セットや小道具で盛り上がってしまうんですよね。
だからもうライブ終わったら汗でびっしょびしょでしたね。すごく楽しかったな~。CDのアウトロのところで左馬刻が「ロウリュ!(※2)」とか叫ぶやつがあるんですけど、それをライブでもやったんですよ。
浅沼さんと「お前やるじゃねえかよ!」ってお互い称え合って。そしたら浅沼さんが「続きはスパワールドでやろう!」ってアドリブを仰って。有名な大阪にある施設なんですけど。そうしたらお客さんが爆アガりしましたね(笑)。
「スパワールドであんなアガる!?」って思って(笑)。最後のちょけるところも楽しくやることができました。
※2:ロウリュ
熱したサウナストーンに水をかけて、蒸気を発生させること。その蒸気をタオルなどを使って、熱風を体に当てたりする。
ーーライブに行った方にとっても嬉しいでしょうね。お二人が世界に入っていたからお客さんもサウナの世界に入り込んだのかもしれません。
木村:最後なんて、お客さんが水風呂入った時みたいに「うわぁ~!」ってなってましたね。みんなで整いました。あの曲を知らない人もいると思うので反応が楽しみですね。
ーー『ヒプマイ』の幅広さがわかっていいですよね。
木村:コミカルな楽曲は全部挑戦的です。楽しいですよ。