アニメ『Dr.STONE 龍水』石神千空役・小林裕介さん&七海龍水役・鈴木崚汰さんインタビュー│小林さん大絶賛! 鈴木さんの演技に「唆りまくりでした! 100億万点。役者として悔しさを感じるほど」
「ただの傲慢不遜なキャラクターにはしたくない」龍水は主人公向きのキャラクター?
──改めて、龍水のキャラクター性について教えて下さい。
鈴木:龍水はテレビスペシャルを見ていただければすべてがわかるっていうくらい、表裏がなくて、気持ちのいいキャラクターです。「いざ海に行くぞ!」というタイミングには欠かせないキャラクターで。科学チームのプラスになる出来事だと思います。
お金持ちの家に生まれ、何不自由なく、欲しいものは全部手に入れてきたという部分で、我がままさや、子どもっぽさが先行しがちなんですけど……龍水のことを深堀りして考えると、大きなことを成し遂げるための努力も絶対にしてきたんだろうなと。だから「ただの傲慢不遜なキャラクターにはしたくない」と思っていました。
一方、女性へのリスペクトがすごくて、紳士的で。ときにはクサいセリフもさらっと言ってしまうところに、ナチュラル・ボーンなカッコよさを感じています。声の部分で言うならば、船に乗って冒険をしていて、潮風を浴びているだろうから、声が枯れるような瞬間もあって良いのかな、といったことを考えながら演じさせてもらいました。
小林:言葉だけで見ると嫌味なセリフでも、龍水が言うと説得力があるんですよね。原作を読んでいるときから思っていたんですけど、どんな態度でも「ムカつくな」とは思えない。人としての魅力があるんですよね。「俺についてこい!」って言えるリーダー気質も持っているので、本来であれば龍水が主人公のほうがわかりやすい気もするんです。そう思わせてくれるキャラクターとして、鈴木くんがしっかりと作ってきてくれました。
──さきほどアフレコのお話があがっていましたが、ディレクションを受けることはありましたか?
鈴木:それがほぼなく。めちゃくちゃスムーズな収録だったんです。
小林:普通だったら「そんな感じで大丈夫です」など一言あると思うんですけど、それすらなかったよね(笑)。
鈴木:大方僕の出したものを受け入れてくださったのですが、とあるシーンでは僕の気持ちが乗りすぎてしまって。僕自身、そのシーンでの出来事を経験したことがなかったので、楽しくなってしまったんです(笑)。でもそこは「龍水は既にいろいろな冒険をして、いろいろな光景を見てきたから、自分が楽しいというより、他のメンバーに対して“すげぇだろ”って自慢するような感じでお願いします」というディレクションをいただきました。
そういうディレクションをいただいたということは、まだ僕の理解が甘かったところがあったんだなと。3期に向けて、また深く掘り下げていきたいなと思っています。
──千空を演じるにあたっては、これまでと変化などはあったのでしょうか。
小林:千空は何も変えず、今まで通りに演じました。千空って人間として確立している存在だと思っていて。2期の最後の司の話のときに、珍しく非合理的な話をする千空も出てきますけど、それは新しく芽生えたものというより、本来あったものがちらっと垣間見られただけだと僕は思っています。だからこそあえて何も変えずに、今まで通り演じることが一番の正解かなと思いました。
──今お手元に台本がありますが、それはおふたりのものですか?
鈴木:僕は自分のものを持ってきました。そこまでたくさん書き込みはしていないんですが(と、ページを見せてくれる)。
小林:僕はさきほど借りたものですが、自分が持っているものとほぼ同じですよ(笑)。僕、本当に何も書かないんです。千空のところにすら線を引かないので。
鈴木:すごい。それは自分には絶対に無理……!
小林:なんとなく覚えちゃうんですよね。
鈴木:いやいやいやいや!(笑) どういうことですか、それは。
小林:よく驚かれるんですけど(笑)。セリフの流れを覚えてしまうんですよ。原作も読んでいるので「次はこういうシーンだよな」って思うと自然と出てくるんです。