この記事をかいた人
- 逆井マリ
- 神奈川県横浜市出身。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。
ーーどの曲にもさまざまな思い出があると思うのでナンセンスな質問かもしれませんが、特に思い出深い曲というといかがですか?
Machico:やっぱり「Magical Happy Show!」かなぁ。初心を思い出します。あとやっぱり「花音」《アルバム「Ambitious*」より》は入れたくて。はじめてネガティブなことを言葉にした楽曲なので、その分、この曲を聴くと……いろいろ思い出しますね。
皆さんに名前を覚えてもらえるようになるまでの自分の葛藤を思い出します。同期の子たちのように活動できないのは自分に魅力がないからだ、って思っていた時期だったので。だからこそ、今いただけているお仕事をより頑張ろうって思えます。
ーーしかも「花音」は最後に<真っ直ぐに伝えるよ わたしだけの歌を>という力強いメッセージもあって、決してネガティブなだけではない曲ですよね。
Machico:そうですね、意思の強さを感じます。
ーー意思の強さと言えば……今回連続で収録されている「Everlasting Glory」《アルバム「マチビトサガシ」より》、「ENISHI」《TVアニメ『幻想三國誌 -天元霊心記-』より》はライブ本編のクライマックスに披露されていて。圧巻のパフォーマンスで、それこそ意思の強さを感じました。
Machico:ありがとうございます! 「ENISHI」は本当はもっとかっこよくタイトルコールしたいんですけど、以前「それでは聴いてください、えにし!」って言ってしまって(苦笑)。いつもうまく言えないんです。
ーーあははは。
Machico:ライブの本編はアニメの最新タイアップ曲(「ENISHI」)で終わらせたいと思っていたんです。同じバラードだけどまた違うパワーを持っている曲だから、その前に「Everlasting Glory」を入れました。でも「Everlasting Glory」は……めちゃくちゃ難しい!(笑)
ーーあのタイミングでよくあれだけのロングトーンが出るなぁ、と思っていました。
Machico:いや、もうしばらくは無理かもしれない(笑)。でもあれができたから、自分の自信にもつながりました。
ーーそれにしても、アルバムのクレジットを見ていると錚々たるクリエイターが参加されていますよね。
Machico:すごいですよね、意味が分からないくらい豪華(笑)。皆さんに感謝です。
ーータイトルもぴったりです。
Machico:ありがとうございます! ワンマンのタイトルをそのまま持ってきたんですけど、10周年を象徴するような分かりやすいワードがほしかったので、これを貫こうかなと。
ーーあ、じゃあ先にライブタイトルを決められたんです?
Machico:そうです! ベストアルバムの発売が一度延期になったので、ライブのほうが早くて。先にワンマンライブのほうをつけました。だから分かりやすいようにアルバムもこのタイトルにしようと思いました。メモリーズっていうのもありきたりだなって感じもあったので、なんかそれっぽい言葉はないかなって(笑)。それでTrajectoryという言葉を見つけて、意味合いを見たら軌跡、軌道って意味もあって。
それで宇宙的な要素をグッズにも反映しています。アルバムのジャケットは天球儀で宇宙っぽさを出して。あとは軌跡、今までの足跡は周りにある本で表現してもらいました。「今までの歴史が詰まってるよ!」っていうデザインにしてくれました。
ーー今までにはないデザインですよね。衣装もスチームパンク風というか。
Machico:デザインも衣装もすごく気に入っています! いろいろな衣装を用意してくださって、中にはロングスカートもあったんですけど、「30歳だからこそミニワンピを着たい!」と思ってミニ丈に。
ーーすごく可愛いワンピースですけど、大人っぽさのあるデザインですよね。
Machico:そうなんですよね。クラシカルな品のある感じの衣装で。でも今あらためて考えると、この衣装にしてよかったなと思いました。シンプルだから後ろの背景がめちゃくちゃ映える!って。
ーーこれってスタジオなんですか?
Machico:アンティーク雑貨屋さんなんです。この天球儀はそのお店で販売されているものとのことで、、それを貸してもらったんです。絶対に壊せない!と(笑)。みんなで一生懸命守っていました。
ーー「Shall we…?」のMVも素敵でした。撮影のお話もぜひおうかがいしたいなと。
Machico:ありがとうございます。はじめて「こうして欲しい」ってお願いしていて。今まではお任せが多かったんですけど、今回は作詞で参加させてもらっていることもあって、だからこそお伝えできました。リズムがしっかりした曲なので視覚的にもリズムを感じられるような曲にしたかったので「リズムに合わせてシーン替えを積極的に欲しい」ということや、レトロフィルムっぽい加工をしてほしいってお願いして。そういうこともあって、今の完成形になりました。
今回は私以外の方々もはじめて撮影に参加してくださっていて。いつも一人だったところが、ファンの方じゃない人に見られているというのが、すごく緊張してしまって(笑)。「リップだ」って言われているのに7割も歌えず、何回もやり直させてもらいました。レコーディングしたあとすぐだったので、まだ曲が落とし込めてなかったんです。
ーーそうだったんですね。というか、そのあたり、スケジュールがものすごく過密じゃないですか?
Machico:そうなんです(笑)。ありがたいことに。「もうちょっと歌詞覚えやすくすればよかった!」「良かれと思ってテレコ(逆にすること、入れ替えること)にしたけど、つなげておけばよかった!」とか思ってました。逆にテレコの順番が分からなくなってしまって(笑)。カメラがまわっている時以外は「どうしてリップできないんだ~」ってものすごく落ち込んでいました。「大丈夫大丈夫!」って言っていただきながら。
そういうこともありましたけど楽しかったです。階段をゆったりと歩いたり、網タイツを引き上げたり。艷やかなシーンも取り入れて欲しいということもお願いしていたんです。やりなれてはいないからつたないところもあったとは思いますが楽しかったです。ちゃんと色気出てたかなぁって。えへへ……。
ーーバッチリ出ています(笑)。限定盤に付属されるBlu-rayには、これまでのMVや「Shall we…?」のMVが収録されていますね。
Machico:ちょっとずつカメラに慣れていくさまが見られると思います(笑)。ライブとなるとできるんですけど、カメラの前で動くのが本当に、本当に苦手なんです!(笑) 気にしすぎてしまって、自然体の笑顔を出せないことが多くて。なんだったらライブ映像を収録してくれたほうが良いんじゃないかっていうくらい。
ーー見ている側はそんなふうに感じないんですけど、でもステージ上のMachicoさんが輝いていることは間違いないです!
Machico:ありがとうございます。私、構えずに動いているときのほうが良いですよ。ライブ映像を見ていると「かわいく映ってんじゃ~ん!」って思うことがあるんですけど、「かわいく撮ってもらうぞ!」って構えていくと「あんまりかわいくない~!」って。もうちょっと頑張りたいところです。
ーースケスケの衣装も楽しみにしています!
Machico:衣装は今後も楽しみにしていてください!「これがトップス!? 布面積少なすぎません?」って自分でもびっくりします(笑)。
ーーそれにしてもベストを聴いていると早くも次のライブを見たくなります。
Machico:私もやりたいんです。地元・広島の凱旋ライブは決まってはいるんですけど、その間にもなにかやりたいなと思っています。でも、今は凱旋ライブが楽しみです。10周年を締めくくるようなタイミングで、広島県広島市ではなく、出身地の広島県呉市っていう。ありがたいです。広島市でやらせてもらったことはありますけど、呉市ははじめてで。呉市の「くれ観光特使」に任命させてもらったので、どうにか自分の活動の中で呉市に足を運んでもらえるようなことができたらいいなって思っていたんです。だからすごく嬉しいです。
ーー10周年を締めくくるゴールであり、スタートであり。
Machico:そうなんですよ! ここからMachicoの新章がはじまるかなぁって。まずは目の前の仕事を頑張ろうって思えます。
ーー最後に、今後の活動についても、お話できる範囲で教えて下さい。
Machico:今のところお伝えできるのは来年の凱旋ライブです。その前には呉市のクレイトンベイホテルにて、トーク&ライブイベントもあります(2022年9月10日開催)。その他の活動で言うと……この間舞台にも初めて出させていただきましたが、その現場がすごく温かくて。初めての舞台ということで「セリフ覚えられるのかな」って不安もあったんですけど、すごく楽しくできて。もしまた挑戦させてもらえる機会があったら、表現の幅を広げるという意味でも、またぜひ舞台に立ちたいです。
声のお仕事で言うと……私はもともと海外のコメディアニメ、ドラマがすごく好きで、それがベースになっているんです。例えば『スポンジ・ボブ』とか『アドベンチャー・タイム』とか。いつか、そういった作品の吹き替えもやってみたいです。ハイテンションな演技って技術がないとできないものなので、だからもっと技術を上げていかなきゃいけないんですけど。でも今後も頑張っていきたいなという気持ちがあります。
それと、このアルバムの翌週に発売するTWO-MIXさんのトリビュートアルバム『TWO-MIX Tribute Album "Crysta-Rhythm"』にも参加させていただきます。トリビュートアルバムに参加することは初めてで。私は「LIVING DAYLIGHTS」を歌わせてもらうんですが、原曲を聴いている時に高山みなみさんの声が心地よすぎて。練習するつもりで聴いていたんですけど、ついつい意識がそっちに……(笑)。こうやってお声がけいただけてすごく嬉しいです。いろいろなところでお世話になれるように、人間力を高めていきたいと思います。
[インタビュー/逆井マリ]
神奈川県横浜市出身。既婚、一児の母。音楽フリーペーパー編集部を経て、フリーのライターとしてインタビュー等の執筆を手掛ける。パンクからアニソン、2.5次元舞台、ゲーム、グルメ、教育まで、ジャンル問わず、自分の“好き”を必死に追いかけ中。はじめてのめり込んだアニメは『楽しいムーミン一家』。インタビューでリアルな心情や生き方を聞くことが好き。
発売日:2022年7月20日(水)
【初回限定盤 CD+Blu-ray】COZX-1930~1 ¥4,400
【通常盤 CD Only】COCX-41809 ¥3,300
<CD収録内容>
・アーティストデビュー10周年記念楽曲
「Shall we…?」
作詞:Machico/作曲・編曲:御恵明希(シド)
他、未定
<Blu-ray収録内容>
「Shall we…?」ミュージックビデオ+メイキング映像 予定
・アニメイト:ブロマイド
・ゲーマーズ:ブロマイド2枚セット
※特典は先着順となっており、無くなり次第終了となります。ご了承ください。
※一部お取扱いの無い店舗もございます。予めご了承ください。
※購入や詳細は、各販売サイトをご確認ください。
3月25日生まれ。広島県呉市出身。ホリプロインターナショナル所属。
代表作:
『ウマ娘 プリティーダービー』(トウカイテイオー)
『アイドルマスター ミリオンライブ!』(伊吹翼)
『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』(草薙寧々)
『ライフル・イズ・ビューティフル』(小倉ひかり)など。
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