映画

2022-10-25 18:30

『映画デリシャスパーティ♡プリキュア夢みる♡お子さまランチ！』同時上映作『わたしだけのお子さまランチ』を彩った北川理恵さんとMachicoさんとロングインタビュー「私たちだからこそできる歌に」

レジェンド・五條真由美さんと奏でるハーモニー

──今回おふたりは「ココロデリシャス」のカップリング楽曲の「NO PRIDE, NO LIFE！」（北川理恵・五條真由美・Machico名義）と、『映画デリシャスパーティ♡プリキュア夢みる♡お子さまランチ！』で同時上映される『わたしだけのお子さまランチ』主題歌の「レッツ！ fun fun time!」（北川理恵・Machico名義）でご一緒されています。まずは「NO PRIDE, NO LIFE！」についておうかがいさせてください。マイクスギヤマさん、深澤恵梨香さんが手がけられた「NO PRIDE, NO LIFE！」は、『プリキュア』シリーズ史上初めてと言っていいほど力強い曲ですね。

北川＆Machico：ね！

Machico：「本当にプリキュアの楽曲なんですか？」と聞いてしまったくらい。今までも熱い曲はありましたが、あそこまで振り切ったものは初めて聴きました。

仮歌の段階からすごかったです。伸ばしがまっすぐじゃなくて、掘るというか、カッコよく上がっていくイメージ。しかもこの五條さん、理恵さんという豪華メンバーで「大丈夫か、Machicoよ！」って（笑）。

──さきほど姉妹のお話がありましたけど、レジェンドの五條さんがいらっしゃいますもんね。

北川：そうなんです！　五條さんはファンの方にとっても、私たちにとってもレジェンドです。以前デュエットで熱い曲を歌わせていただいたことがあったのですが（「Five Colors」）、五條さんが今度はどう歌われるのかなと、すごくドキドキしていました。しかもこの3人で歌うとなったら、どんな曲になるのかな？って。

©ABC-A・東映アニメーション

──五條さんに先日インタビューさせていただいた際に、北川さんとはデュエットされていたこともあったからだと思うのですが「北川さんの声はなんとなく想像ができた」といったお話をされていて。でも「Machicoちゃんの声は想像ができなかった」と。かわいい印象があったから、ソリッドな声であそこまで刺さるような声だとは想像していなかった、というお話をされていました。

Machico：（息を吐きながら）ふぅ〜!!!!　背筋が伸びます！　そう言っていただけるなんて嬉しいです！

──でもそんな五條さんも最初に聴いたときは「難しいと思った」と。特にコーラスは苦戦されたといったお話をされていました。

Machico：そうなんです。コーラスも難しかったんですよね。本編に気を取られすぎてあまり記憶がないんですけど（笑）。

北川：コーラスは難しかった記憶があります。できあがったものを聴いたときの感動がすごかったです。「すごい、3人で歌ってる……！」って。

Machico：（うなずきながら）私も感動しました。私はプリキュアシンガーになって3年目で。プリキュア楽曲でたくさん成長をさせてもらい、いろいろな武器を使えるようになりました。

それでも使い方は分からず「とりあえず使う！」って感じで、今回の曲の場合は、サウンドに合わせて力強く歌っていたんです。

でもおふたりは違って。北川さんは武器の性能を熟知した上で、セレクトして選んでいる攻撃力。五條さんは、フッと息を吹きかけただけで相手を倒す力強さがある。

先輩になればなるほど、力まずに強さを出せるんだなと思ったんです。強さの中にも余裕がある。「先輩たちエゲつない」って思いました（笑）。

──プリキュアシンガーの人たちは半端じゃないなと。

Machico：本当に。そういう凄い人たちの仲間に入れていただけたことは本当に光栄でした。これから一緒に歌える機会があったら嬉しいなと思っています。生でその場所に挑戦したいです。

──でもそれはMachicoさんも含めてです。Machicoさんもいろいろな武器を使いこなされている印象です。

北川：うん。この真面目さと、謙虚さとで、「自分の武器はなんだろう？」ってずっと向き合いつづけてきた人だからこそ出る言葉だなと思いながら聞いてました。カッコいい。Machicoちゃんは、Machicoちゃんだけの武器があるよ。

Machico：嬉しいです。一緒に戦いましょう（とファイティングポーズをする）。

　
私と五條さんは「デパプリライブ」（『デリシャスパーティ♡プリキュアLIVE 2022 Cheers！Delicious LIVE Party♡』）に出演させてもらうので、きっとその時に一緒に歌えるのかなと思っているんですが……楽しみでもあるんですが、プレッシャーでもあります（笑）。

北川：でもきっと、生で歌ったときのほうがパワーが渦巻く曲な気がする。自分では思いもよらないパワーが出そうというか。

Machico：うんうん。上手い人と歌うときってすごく楽しいんです。私も歌うことが大好きだから、そういう人たちと並んで歌えるって毎回すごく楽しいんですよ。

さきほど理恵さんがおっしゃってくれたように、自分の知らない引き出しを五條さんに教えてもらえるんじゃないかな、という気がしています。それが新しい武器になるというか。

理恵さんと歌う時も、吉武ちゃんと歌うときも、それは感じています。2人とも得意分野や声質が違うから、それぞれの良いところを感じながら「盗むぞ〜！」って（笑）。

繰り返しになってしまいますが、歌を上手い人と歌うのは本当に楽しい！　気持ちが良いんです。それと同時に、自分はまだまだだな、と思います。

──でもMachicoさんにとっては「それが楽しい」。

Machico：そうなんです！　反省することはあっても全然落ち込まない。楽しい。

北川：すごい！

Machico：プリキュアシンガーの仲間入りできたおかげもあります。実力が私より上の人しかいないから（笑）。本当に半端ないです。

1人1人は自由だけど　1人じゃない

──同時上映作『わたしだけのお子さまランチ』主題歌「レッツ！ fun fun time!」についておうかがいさせて下さい。馬瀬みさきさんには、“ふたりで踊れる楽曲を”といった楽曲オーダーがあったとか。ふたりのコンビネーション、さらに4世代プリキュアのつながりを感じる楽しい曲ですよね。

北川：「かわいい〜！」と思いました。歌詞をいただいた時に、同時上映作に4世代が出演することを知って「なるほど、こうやってつながっていくんだ！」って。ワード一つひとつで世代が分かる歌詞というのも素晴らしいなと思いました。これは届けていきたい曲だなって。

──『デリシャスパーティ♡プリキュア』『トロピカル～ジュ！プリキュア』パートをMachicoさんが、『ヒーリングっど♥プリキュア』、『スタートゥインクル☆プリキュア』パートを北川さんが担当されています。

Machico：その世代の幕開けを担当させていただいた、私たちだからこそできる歌だなぁと思いました。馬瀬みさきさんの書かれたメロディーも心がワクワクします。歌っていてもそれぞれのシリーズのことを思い出して笑顔になりました。

『プリキュア』シリーズは世代によってテーマやメッセージが違うのに、まとまりがすごくて。『プリキュア』シリーズとしてのつながりを表した曲になっていて、歌詞の力を感じました。私はこんな歌詞、絶対私は書けない！って思いました（笑）。

北川：ずっと『プリキュア』シリーズに携わっていて、全部のシリーズを愛してらっしゃる青木久美子先生ならではだなと思います。

変身する前・した後のプリキュアたちのことを見ているからこそ、＜1人1人は自由だけど　1人じゃない＞という言葉があるんだろうなって。改めて思うと緊張しますね。私もみんなの思いを背負って歌いたいなと思います。

私たちがオープニングを飾らせていただいたシリーズということもあって、プリキュアみんなの生き様も伝えていきたいなって。

──歌われるときは実際にプレッシャーがあったんですか？

北川：歌っているときはただただ楽しんでいました！（笑）すごく楽しい曲なんですよね。それぞれのパートの、作品ごとの歌い方・メッセージは考えていましたけど、温かな空気感の中でみんなで歌っている絵が見える曲だから、そういう意味では、「この曲を歌えて嬉しい！」という気持ちで挑みました。

──Machicoさんはいかがでしたか？

Machico：私も「歌えて嬉しい」という気持ちが最初にあって。あと、絵本っぽい柔らかな色彩の印象があったので、子どもたちに読み聞かせるような気持ちで歌っていました。

ページをめくるごとに、いろいろなシリーズのプリキュアたちに会えるような……そして、みんなで輪になるようなイメージがありました。だから今持っている気持ちをみんなでシェアしようね、という優しい気持ちで終始歌っていました。

私が先にレコーディングだったので、あとから理恵さんの声が入ったものを聴かせてもらったんです。理恵さんの、包み込んでくれるような優しい歌声が私の気持ちも包み込んでくれました。包み込まれたがり（笑）。

北川：（笑）。MachicoちゃんがAメロを歌ったあとに、バトンをもらう形でBメロの＜大丈夫！＞と歌いたいなと思っていたんです。だから私はMachicoちゃんのあとに歌いたいなと考えていました。

レコーディングではMachicoちゃんの声を聴きながら歌って。Machicoちゃんの声があったからこそ、寄り添いやすかったです。

ふたりで歌うところも、きっとMachicoちゃんが私のことを想像して歌ってくれたんだろうなと感じました。だからすごく歌いやすくて。

一緒にプリキュアシンガーを3年間やらせてもらってるからこその信頼関係も、仲良し具合も、この曲に出たんじゃないかなと思っています。

あと、Machicoちゃんがさっき絵本のお話をしていましたけど、4世代のプリキュアたちが絵本の中でパーティしてる中に、きっと私たちも入れてもらえているんだろうなって感覚がありました。

私たちプリキュア　love！はいちばん言いたい言葉

──＜so(ソ) what(ワ)？so(ソ) what(ワ)？＞＜盛りだくさん口福（こうふく）へ＞など、遊びココロもたくさん散らばってるところも特徴的です。

北川：そうなんですよね！

Machico：「Cheers！デリシャスパーティ♡プリキュア」にも通じるような、日本語ならではの遊び方。そういうところもリンクしてるなって思いました。

──『デリシャスパーティ♡プリキュア』ボーカルアルバム～Welcome to Delicious Party～に収録された、Machicoさんの「Save your smile」にも＜大丈夫＞という言葉があります。北川さんの＜大丈夫＞は、Machicoさんが歌っていた＜大丈夫＞とはまた違った印象がありました。

Machico：あの＜大丈夫＞は、「みんなに大丈夫だよ」って優しく伝えるようなイメージだったんですけど、理恵さんの大丈夫は「なんだって大丈夫だよ！」という包み込むような強さがあるんですよね。

北川：そんなそんな（笑）。

Machico：ふたりで歌って、私が歌って、理恵さんがソロになるときの一言目が＜大丈夫＞。安心してバトンを渡せるなと思いました。

私は理恵さんと『ヒープリ』ではじめてご一緒させていただいていて。作品的にも愛で包み込むような作品だったということもあり、理恵さんの優しさが表れた声だなとも思いました。

──最後の、おふたりによる＜私たちプリキュア　love！＞は愛に溢れていました。

北川：＜私たちプリキュア　love！＞は、私たちがいちばん言いたい言葉です！

Machico：うんうん！　その言葉を最後に書いてくださるところが、本当に素敵だなあって。

北川：何年も『プリキュア』シリーズに携わらせていただき、『プリキュア』シリーズが大好きな私たちだからこそ、最後のフレーズには気持ちが入りました。

きっと『プリキュア』シリーズが好きな方も感情移入できるんじゃないかなって思います。ライブで声が出せる時代であれば、＜私たちプリキュア　love！＞ってみんな叫んでくれるんだろうなって。

それこそ、この曲には＜どんなに離れても通じている　つながってる＞、＜当たり前になってた普通の　日々が今はとても愛しい＞と、今この時代を生きる私たちの気持ちも反映されています。

そして、この4世代だけではなく、今はなかなか会えないプリキュアのことも、思い出したら会えるよ、というメッセージが込められているんじゃないかなと私は感じています。

そして、過去を思うというのは、未来を思うことでもあると私は考えていて。「過去のプリキュアたちも（あなたのことを）支えていくから、未来に向かって一緒に進んでいこうね」って想いも感じられる曲だなと思いました。