アニメ

2022-10-22 18:09

秋アニメ『ぼっち・ざ・ろっく！』はオタクが共感できる人生の教科書!?　青山吉能さん・鈴代紗弓さん・水野朔さん・長谷川育美さんインタビュー│青山さんの演技を見る際は抱腹絶倒の覚悟が必要!?

キャストが感じるキャラクターの魅力、演じる際に心掛けたポイントとは？

――演じるキャラクターの魅力と、演じる際に心掛けた点についてお聞きかせください。

青山：育美も言っていましたが、きらら作品と“本質的な陰”がどうしても結びつかないんじゃないかと思っていて。ひとりは、オーディションのときから「本質的な陰ができる方にお願いします」と書いてありましたし、半ば諦めの気持ちで本気の陰キャを演じたら奇跡的にご縁が結ばれたので、きらら作品でもこんなにやっていいんだとも思いました。

現場でも細かく音響監督さんや監督さんにディレクションをいただきながら、陰キャを突き進めています。会話する際は目を見るのが普通ですが、ひとりはそれができない。ひとりからすると、陽キャが普通にしていることが全くできないので、「（普通に）会話をしないでください」と言われたりしました。

あとは、床を見て喋っている感覚という、今までの声優人生でやってこなかった引き出しも出ています。自分の人生も、ずっと明るかったかと聞かれるとそうでもないので、今ひとりちゃんと縁が結ばれ、ネガティブな感情の塊が声優として活きているんだと思います。

15の自分を肯定するわけではないのですが、人生を懸けているなと思います。後藤ひとり人生！

鈴代：謎の名言が（笑）。

青山：そんな魅力的な子で嬉しいですね。

――鈴代さんはいかがですか？

鈴代： この4人はバランスのいい子が集まっていると思います。虹夏ちゃんはちょっと難しいのですが、陰・陽に当てはまらない存在といいますか、どちらも統べている存在。光属性なのは間違いないと思います（笑）。彼女の持っている本質的な明るいところが言葉にも出ているイメージがありますし、実際に明るくみんなを引っ張っていく姿は虹夏ちゃんだから出来ることだなと感じています。

ですが、バックボーンの面では、虹夏は一番重たいなと感じていて。そういった背景を人に言うのはかなり勇気がいることだと思います。話す相手ともある程度の信頼関係を築けてないと言えないですし、聞く方も構えてしまうような内容のセリフが時々出てきていて。それでも相手に変に構えさせずに話すことができる女の子だと思います。

アフレコをしている最中にも、元々持っているおおらかな雰囲気を全体的に出していきたいと思いました。会話の端々に人間性が出ている子なので、個人的には難しいなと思いながら毎回アフレコに臨ませていただき、ディレクションを受けていくなかで、より虹夏のことが好きになりました。すごくいい子だなと思います。

――水野さん、長谷川さんはいかがでしょうか？

水野：最初、リョウちゃんは、クールでダウナーな感じなのかなと。もちろん、根本的にそれはありますが、すごい変人じゃないですか。

――独特な子ですよね。

水野：私自身、この子はなにをやっているんだと思うところもあって……お金を貸してほしいとか、草を食べるところとか（笑）。あまり感情に起伏がない喋り方なので、ディレクションでは人との距離感やバンドの周りの音があるなかで喋るところなどを色々と指摘していただいて、徐々にリョウちゃんがわかるようになっていきました。

でも、ぶっ飛んでいるところが出てくるときに、どれほど感情を出していいのか最初はわからなくて。自分のなかでセーブしながら演じていましたが、物語が進むにつれて、もっとやっていいことに気づきました。それから一気に殻が破けて、ぶっ飛んだ方向に行けたので、後半になるにつれてリョウちゃんらしさがもっと出せているんじゃないかなと思います。楽しみにしていて欲しいです。

長谷川：喜多ちゃんは、もう完全に陽キャなので、このメンバーでは一番わかりやすいです。アフレコの序盤にひとりに対して真剣に受け答えしたところ、「もっと全然明るい感じで」「なにも気にしてないお花畑の感じで大丈夫だよ」というディレクションをいただいたので、自分が思っているよりもハッピーで天然、マイペースなんだろうなと感じました。

大人になってくると、変に理由をつけて躊躇ってしまったり、やめてしまうことが増えてくると思います。ですが、喜多ちゃんはすぐ行動できるタイプで、自分の心に正直にプラスの気持ちで動けるのは魅力的ですし、羨ましいと思いながら彼女の魅力を感じています。

イマジナリーフレンドや「マンゴー」、様々な登場人物にも注目を！

――序盤の見どころだと思うところを教えてください。

長谷川：序盤はもちろん、全体を通しての話になりますが、ひとりがすぐにイマジナリーフレンドを作り出すんです。ひとり役の青山が何役も兼ねていることが多くて、その中でも「ギタ男」というキャラクターが妙に爽やかでめちゃくちゃ面白いんです。

そういったキャラクターが随所に出てくるので、ひとりが作り出し、ひとりを肯定してくれる仲間たちを、ぜひ楽しみにしてほしいです。

水野：実は、私も全く同じことを言おうと思っていました（笑）。

長谷川：本当に!?

水野：ネタバレにならない範囲だと、原作を知っている方だとわかるのですが「マンゴー」がどうしても好きで（笑）。

長谷川：うんうん、序盤だもんね。

水野：アニメになると、もっと原作よりもシュールになっているので、動いている「マンゴー」を皆さんに見ていただきたいです。

長谷川：私たちの初めてのイベントのときも、「マンゴー」をネタにしていたので、序盤のキーアイテムみたいな感じですね。

水野：そうですね。

――青山さんはいかがでしょうか。

青山：作品の特徴でもあると思いますが、ぼっちは毎話ずっと喋っています。人と喋れない分、独り言をこぼすシーンがものすごくあるんですよ。回を重ねるごとに人と喋れるようにはなっていますが、序盤はほぼ独り言で、とてつもなく早口で半ば呪文のようです。

かといってずっと同じトーンだとエンターテインメントとして面白くなく、人は常に同じことばかり思っているわけではないので、どのように幅をつけようかなと思いました。音響監督さんとたくさんディスカッションをしながら収録をしたので、そういったぼっちの独り言感を楽しんでいただきたいです。

序盤をしっかり見ることによって、後半で如何にぼっちを含めた4人の性格が変化したのかがわかりやすくなると思います。演じていても、細かく一つの文字も妥協せずやっているので、皆さんにはそういったところをぜひ注目していただきたいです。

――先ほど、長谷川さんと水野さんのお話にあったイマジナリーフレンドも、楽しみにしているファンの方は多いと思います。

青山：そうですね、特に序盤によく出てくるのですが、実は私が演じているキャラクターはぼっちだけではないので、ぜひ兼ね役も見て聞いて楽しんでいただきたいです。

――鈴代さんはいかがでしょうか。

鈴代：基本的には4人の会話劇になりますが、他にもぼっちの家族など新しいキャラクターもどんどん登場してきます。

虹夏ちゃんの場合はお姉ちゃんも出てきたりしますし、ライブハウスのPAさんなど、作品に登場するキャラクターたちの濃さも結構強めだと感じています。なので、ぜひ4人の掛け合いとあわせて楽しみにしていただけたら嬉しいです！

――ちなみにそのなかで好きなキャラクターはいますか？

鈴代：序盤に出てくるキャラクターだと、やっぱりお姉ちゃんです！　お姉ちゃんを演じている内田真礼さんのダウナーな雰囲気がすごく好きなんです。お姉ちゃんの系譜を継ぎたいなと思いながら演じている側面もありますので、そういった意味でもお姉ちゃんを楽しみにしていただけたら嬉しいですね。

抱腹絶倒の覚悟をしつつ、放送をお楽しみに！

――最後に本作を楽しみにしているファンの方々へメッセージをお願いします。

青山：本当に楽しみにしていた作品ですし、（取材時は）放送前なので皆様にどのように受け取っていただけるのか……正直なところ今は楽しみと不安が五分五分です。後藤ひとりの声はこんな感じじゃないんだがと叩かれる......。掲示板にスレがたくさん立つことをすごい想像しながら生きています。

一同：（笑）

青山：ですが、キャスト陣もスタッフさんも、ものすごく魂を込めて作っているので、「認められないとおかしいだろ！」と思っている強気な自分もいます。作品を共に愛していく道を皆様と一緒に歩めたらいいなと思いながら、これからも作品への愛を忘れずに取り組んでいけたらいいなと思っています。ぜひ、TVアニメ『ぼっち・ざ・ろっく！』を楽しみにしていただけたら嬉しいです！

鈴代：最初からギアを上げてくれたのは間違いなく青山さんだと思います。その熱量に周りも私自身も付いて行かせていただきました。そんな中、スタッフさんとキャストの熱など諸々全部が相乗効果を生み、よりよい作品作りができているのではないかなと感じていますし、その歯車の一つに自分もなれたことがすごく嬉しいです。

また、原作からかなり面白い作品ですが、アニメにはアニメならではの表現や動きがあります。脚本だけでも面白くて笑ってしまいますし、アニメでどのように描かれるのか私自身もとても楽しみです。ぜひ、肩の力を抜いて楽しくご覧いただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

水野さん：放送前なのであまり詳しいことは言えませんが、先ほどおふたりが仰っていたように、たくさんの方々が魂を込めているのを私もひしひしと感じています。もちろんキャスト4人も魂を込めていますが、中でもよっぴさんの魂を込めた演技を近くで見ていたので、「面白くないはずがない！」と私は思っていますし、アフレコの時点で笑いをこらえるのに必至でした。

青山：酷い女ですよ！　ハードルが上がるじゃないですか！

水野：ぜひお腹が痛くなる覚悟をしつつ、楽しみにしていただけたらなと思います。

長谷川：本当に毎話、家でVチェックをするたびに1人で笑って、アフレコ現場でみんなのお芝居聞いても笑っていました。特によっぴですが！　もう抱腹絶倒！　こんなにいっぱい引き出しを持っているんだと（笑）。

青山：あ〜！　もう、ひどい！

長谷川：映像もお芝居も色々な表現が見られたりと、様々なものが詰まっている作品になっています。毎回収録する直前に音響監督さんから「楽しんでやっていきましょう！」と声をかけていただきますが、私たち自身も楽しんで演じさせていただいてます。

みなさんも言っていましたが、制作陣のみなさんが面白い作品を作ろうとしているのが毎週アフレコを重ねるたびに伝わってきます。私もその気合いに応えねばという気持ちでやらせていただき、本当に素敵な現場でお仕事させていただいているなと常に感じています。

また、バンド作品でもあるので、原作ファンの方は特に音楽面について気になっている方も多いと思いますが、こちらも気合いが入っていますので、期待していただければと思います。TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく！をよろしくお願いします。

――ありがとうございました！

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく！」作品情報

放送情報

◆TOKYO MX、BS11、群馬テレビ、とちぎテレビ
10月8日より　毎週土曜日24時00分～
◆MRT宮崎放送
10月8日より　毎週土曜日25時28分～
◆MBS
10月8日より　毎週土曜日27時08分～
◆RKB毎日放送
10月13日より　毎週木曜日27時00分～
◆AT-X
10月10日より　毎週月曜日22時30分～

配信情報

◆ABEMA
10月8日より　毎週土曜日24時00分～
※地上波同時配信

◆各配信プラットフォーム
Netflix/dアニメストア/U-NEXT/アニメ放題/Amazon Prime Video/バンダイチャンネル/Hulu/ニコニコ生放送/GYAO!/ FOD/ひかりTV/WOWOWオンデマンド/
TELASA/J:COMオンデマンド/みるプラス/auスマートパスプレミアム他

10月11日より　毎週火曜日12時00分～順次配信

イントロダクション

芳文社・『まんがタイムきららMAX』にて2018年より連載中の、はまじあきによる人気4コマ漫画『ぼっち・ざ・ろっく！』。

極度の人見知りで陰キャな少女・後藤ひとりが《結束バンド》というバンドに加入し、伊地知虹夏、山田リョウ、喜多郁代の3人の個性的なメンバーとともに成長していく様を描いた本作は高い支持と多くの共感を受けている。

そんな本作を映像化するのは、『Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-』や『その着せ替え人形は恋をする』など、圧倒的なクオリティの映像制作で注目を集め続けるCloverWorks。

ライブハウスを中心にバンドを通して成長していく彼女たちの物語が2022年10月開幕！

陰キャならロックをやれ！

あらすじ

「ぼっちちゃん」こと後藤ひとりは、ギターを愛する孤独な少女。

家で一人寂しく弾くだけの毎日だったが、ひょんなことから伊地知虹夏が率いる「結束バンド」に加入することに。

人前での演奏に不慣れな後藤は、立派なバンドマンになれるのか――

スタッフ

原作：はまじあき (芳文社「まんがタイムきららMAX」連載中)
監督：斎藤圭一郎
シリーズ構成・脚本：吉田恵里香
キャラクターデザイン・総作画監督：けろりら
副監督：山本ゆうすけ
ライブディレクター：川上雄介
ライブアニメーター：伊藤優希
プロップデザイン：永木歩実
2Dワークス：梅木葵
色彩設計：横田明日香
美術監督：守安靖尚
美術設定：taracod
撮影監督：金森つばさ
CGディレクター：宮地克明
ライブCGディレクター：内田博明
編集：平木大輔
音楽：菊谷知樹
音響監督：藤田亜紀子
音響効果：八十正太
制作：CloverWorks