愛美の参上によりアキバに変化が。惨劇を経て、第7話ではなごみが忍者に……?『アキバ冥途戦争』万年嵐子役・佐藤利奈さん、ゾーヤ役・ジェーニャさん、愛美役・ユリン千晶さんインタビュー【連載第8回】
CygamesとP.A.WORKSのタッグで贈るオリジナルTVアニメ『アキバ冥途戦争』。メイドリアンの赤い超新星・愛美の帰参を機に変化のあったアキバメイド界隈。姉妹の契りを交わしたねるらが死亡し、第7話「獣抗争史!秋葉外生命体決戦!!」では「私がなにもできないせいで、誰かが死ぬのは、もうイヤなんです。だからもう、私にメイドはできません!」と、忍者カフェに転職したなごみ。しかし、ねるらに恥じないメイドとして、愛美の前に立ちはだかるなごみの姿が描かれました。そして愛美は……。
連載第8回は、同世代でもある万年嵐子役・佐藤利奈さん、ゾーヤ役・ジェーニャさん、愛美役・ユリン千晶さんが登場!『アキバ冥途戦争』の第7話についてはもちろん、多岐にわたる話題が飛び出し、話に花が咲きました。
おどれの本当とウチのホンマは違うんよ
──まずは第7話の感想を教えて下さい。なごみちゃんがグッと成長しましたね。
万年嵐子役・佐藤利奈さん(以下、佐藤):なごみちゃんの活躍が本当にすごかった! ねるらちゃんの回もすごく良かったですけど、第7話は物語の肝になるんじゃないかなと思いました。昔の嵐子が持っていた信念と、なごみちゃんの信念が近しいところにあって。そんななごみちゃんの信念に嵐子は惹かれているところがあるんだと思います。
今までは子鹿のように震えていたなごみちゃんが殴り返して「私はメイドだああ!」と叫ぶ。わけがわからないけどグッとくる、変な作品だなあと思いました(笑)。以前のインタビューもそうでしたが、この作品って言葉でうまく言い表せないんです。でもパッションが伝わってきました。
──とんとことんのメンバーとメイドリアングループによる戦いも迫力がありました。
ゾーヤ役・ジェーニャさん(以下、ジェーニャ):嵐子さんが本気で戦っているからゾーヤは「みんなを守らなきゃ」というモードになっていたように思います。だから可愛い声を出すことがなかったです(笑)。しぃぽんが「ひーっ!一発撃ったら百発返ってるんですけど!」って叫んだとき、ゾーヤが「十発デス」と答える場面は、アフレコで「すごく良かったです」と言われました(笑)。
佐藤:ちゃんと見てたんだ!って思った(笑)。面白い作品だなあ、本当に。
──そしてお話のクライマックスには、愛美がまさかの死亡……。
愛美役・ユリン千晶さん(以下、ユリン):そうなんですよねえ(笑)。なごみちゃんがめちゃくちゃ愛美に立ち向かってくるんですよね。愛美が「おどりゃ忍者じゃろうが」と言ったときになごみちゃんは「私はメイドだっ!萌え萌えキュン!」と(笑)。
メイドと忍者の、このとっ散らかりようはなんだろうと一見思うんですけど(笑)、でも心打たれる真摯さがあって。一生懸命に生きている人のハートって、人の胸を打つものがあるんだなと思っています。
佐藤:うんうん。みんな信念を持ってメイドの世界に入っていて。中には流されている人もいますけど、愛美さんは特に信念を持った人ですよね。狂犬ではありますけど(笑)。そういったことが第7話では明確に描かれているのかなと思っています。
ユリン:信念といえば、私が第7話でグッときたのが「おどれの本当とウチのホンマは違うんよ」という愛美さんのセリフです。「あなたの言ってる本当と、私の言ってる本当は違うのよ」という意味なんですが、誰が悪、とかじゃなく、各々が正義を持っているということを象徴した言葉だなと思いました。作品内で敵・味方というポジションはあっても「こっちが悪でこっちが正義」ということまでは描かれていないんですよね。つまり誰かが悪者ということではない。それぞれの信念があることにグッときました。
佐藤: そういう引っかかるところがあるんですよね。嵐子と愛美さんってちょっと似ていて。多分ふたりとも、服役している間にアキバが変わっていて、そんな中ラーメン屋さんは変わらずに存在してくれていて、そこで出会って……。きっとふたりとも「世界に置いていかれている」感があって、どこか寂しかったんじゃないかなと思いました。その寂しさってみんなどこかしらに持っているような気がします。
なごみちゃんは「ラーメンだって変わるんだからメイドだって変わるんだ」って言いますが、「そうなんだよね」って。変わるものもあるし、でも、変わりたくないものも愛美さんはしっかり持っている。分からないけど分かる!って(笑)。
ユリン:うんうん。あっちもこっちも向いているけど、その中に正義と信念がある。ご覧になっている方もそれぞれの正義や価値観に刺さるものがあるんじゃないかなと。
──そういう意味では、愛美は信念を持ったかっこいいキャラクターですよね。
佐藤:かっこいい! ぶれないもんね。
ジェーニャ:うん!
ユリン:やった! でも私自身はブレブレなんですよ。
佐藤:本体は(笑)。
ユリン:そうなんです。いろいろな意見を聞いて「こっちもいいな!」「そっちもいいな!」って思うタイプで(笑)。
──でも柔軟ということではないでしょうか?
ユリン:慰めてくださりありがとうございます(笑)。でもその柔らかさって愛美には必要なくて。そこをひた隠しにしながら演じました。とにかく、リアルなんですよね。アニメーションだけどそれぞれの思いがリアル。それを大切にしたいなと。
佐藤:でもメイドっていう。なんかもう、よく分からないんですけど(笑)。
ユリン:世界観のとっ散らかり感がすごいですよね(笑)。メイドで任侠で忍者で……「収集つかないんじゃないかな?」と一瞬思うんですけど、盛り上がるところはちゃんと盛り上がる。よく分からないけど、しっかり心が掴まれる感じがすごいなって思います。
佐藤:確かにこの世界に没頭できるよね。そして、私たちも本気で戦って、本気で楽しんでる。本当に毎回おもしろいんですよ。絵のパワーももちろんですが、制作の方も、キャスト陣もガチで。
ジェーニャ:本当に楽しい。ひどいことが起きてはいるんだけど(笑)、現実逃避できる作品でもある。それって今世界が求めていることだと思う。