嵐子と末広のロマンスの悲劇。謎のパンダ・御徒町さんのリアルの中の人の正体も解禁! 『アキバ冥途戦争』嵐子役・佐藤利奈さん&御徒町役・平野綾さん&凪役・皆川純子さん鼎談【連載第11回】
CygamesとP.A.WORKSのタッグで贈る新作オリジナルTVアニメ『アキバ冥途戦争』が2022年10月6日(水)より放送中です。
メイドフェスのお萌様登りの反響で大繁盛のとんとことん。第10話「メイド心中 電気街を濡らす涙雨」では、末広に誘われて嵐子はデートに。幸せな一時を過ごしていましたが、謎のパンダ・御徒町、謎の男・末広の正体が明らかとなり、運命の歯車が思わぬ方向に動き出します。
嵐子を連れてアキバを出る決心をした末広でしたが、御徒町に撃たれてしまいます。そして、御徒町から真相を聞き、銃を握りしめた嵐子は何を思い、どう動くのか……。クライマックスまで見逃せません。
インタビュー連載第11回には、万年嵐子役・佐藤利奈さん、御徒町役・平野綾さん、凪役・皆川純子さんが登場。謎のベールに包まれていた御徒町さんについてや、第10話までの道のりについて語ってもらいました。
「すごいキャラクターを演じさせてもらいました」
──平野さん、皆川さんは、本連載に初めてのご登場なので、いろいろなお話を伺いたく思います。ちなみに、佐藤さんには多くの連載回にご登場いただいています。
万年嵐子役・佐藤利奈さん(以下、佐藤):私はこの連載インタビューでたくさんお話させてもらっているんです。
凪役・皆川純子さん(以下、皆川):そうだったんだね! いつもどんな話をしているの?
佐藤:いつも「どういうことなんだ」「この作品ってなんなんだろう」という話をしています(笑)。
御徒町役・平野綾さん(以下、平野):やっぱり皆さんわからないんですね(笑)。
佐藤:みんなそうなっていますね(笑)。
──第10話はこれまでの伏線を回収するような怒涛の展開でした。そして、御徒町さんの正体と、御徒町さんの中の人がダブルで明らかに……! きっと皆さん驚かれたはずです。
佐藤:ね、第1話ぶりの登場で。ずっとキャラクターとしては出ていましたけど。
平野:きっと、みんなただのパンダだと思っていただろうなと。まさかあれが喋り出すとは、と驚かれたのではないでしょうか(笑)。急に出てきて、急に喋ったと思ったら、印象的なシーンしかなくて。
一同:(笑)
平野:全部が衝撃的でした。
皆川:怒涛の展開だった……。
佐藤:確かに情報量が多かった〜! 密度が濃い回でしたね。
平野:もうなんて言ったらいいか……。すごいキャラクターを演じさせていただいたなと思っています(笑)。
皆川:そうだよね。綾ちゃんということはみんな知らない状態で、いきなりのパワーシーン(笑)。私も何から何まで衝撃的でした。
平野:私は自分で演じながらも、御徒町さんが可哀想過ぎて笑ってしまいました。「こんな悲惨なことある?」って(笑)。
佐藤:(回想で)車に轢かれたシーンは、ふたりで「可哀想!」と。「騙されて、殺し殺されかけて……」そんなことって……(苦笑)。
皆川:殺し殺されかけて、ってすごい話だ(笑)。でもあのシーンは泣きそうでした。凪ではなく、皆川純子として。ピュアすぎたんだなって。いい子だったんだろうなって。しかも誰も救急車を呼んでくれないんだよね?
平野:呼んでくれません。台本に「自分の服のリボンで止血をする」と書いてあって、可哀想すぎると。しかも、そのあとのセリフが「…いいなあ、私はパンダになりたい…」(笑)。切なすぎる。
佐藤:みんなポカンとしていましたよね(笑)。
皆川:感情が追いつかなかった(笑)。どう受け止めたら……と。
平野:第1話から第10話までの間に、少し喋る機会があるのかなとも思っていたんです。第1話で出演したときに、スタッフさんから「次(のアフレコは)10話なんで」と言われて(笑)。「それまではパンダに徹します!」って。
そのときに、今後のざっくりとした展開を伺っていたんです。でもそこに行き着くまでのディティールが濃すぎて。
皆川:濃すぎたねぇ(笑)。
平野:御徒町さんのことも衝撃でしたが、途中段階がめちゃくちゃ面白いと。
佐藤:面白いよねえ。
──凪も物語の鍵を握る重要なキャラクターですが、皆川さんは第10話に至るまで、凪をどのような心情で演じられていたのでしょうか?
皆川:もう1つに上げられないくらい(笑)。全体的に感情が追いつかなくて、どう受け止めていいか分からなかったんです。役的に笑っちゃいけない重い空気もあるし、怖さもあるんですけど……笑っちゃうんですよね。
佐藤:(笑)
皆川:どうしようこれ、何これって。感情の置き所がわからない。
佐藤:みんな同じこと言ってる(笑)。言い表す言葉がないんですよね。
皆川:だよね。だって第1話からずっと「何これ」って状態でしたから。でもとりあえず納得しなきゃいけないなと思って、平常心でアフレコするように心がけているんですけども(笑)。
いつも3人、4人とかでアフレコしていますが、先に他の人が録っている場合はそれを聞きながら収録するんです。いつもは可愛らしい女の子を演じている、名だたる女性声優さんたちによる荒い口調が聞けるんですよね。「うるぁぁぁぁ!(巻き舌)」って。
一同:(笑)
皆川:なんだかいきいきしてて「みんな楽しそうにやってんな〜」って思って聞いてました(笑)。
佐藤:楽しそうですよね。これだけ振り切っている作品はなかなかないから。(皆川さんは)そこのボスですからね。
平野:ね〜!
皆川:凪の場合は、いきいき楽しそうではないですけども(笑)。私もアフレコ前半の段階ではあまり情報をもらっていなかったんですよ。ケダモノランドグループのトップであることくらい。でも“いつも満たされていない”雰囲気が彼女から漂っているように感じていました。
だから彼女は何を目指してケダモノランドグループのトップになろうと思ったんだろうなぁ、と気になっていたんです。彼女がいつも満たされていなかった理由がここ(アフレコ終盤)に差し掛かって、やっと少し分かった気がします。何をしても満たされないんだろうな、寂しい人なんだろうなとは思っていますね。
佐藤:可哀想に。あの衣装も、きっと自分を奮い立たせるためなんだろうなと思うと愛しい。
平野:うんうん。
皆川:すっごい衣装着てるからね(笑)。
佐藤:実はすごく優しい人なんじゃないかなと、私は勝手に思っています。
皆川:あ、本当?
佐藤:そうでもないですか?
皆川:いや、そうなのかも。でもなんか、本当に骨の髄まで寂しい人という感じがします。そのあたりはもう少し話したいこともあるんですけど、現段階では言えないんですよね(笑)。