嵐子と末広のロマンスの悲劇。謎のパンダ・御徒町さんのリアルの中の人の正体も解禁! 『アキバ冥途戦争』嵐子役・佐藤利奈さん&御徒町役・平野綾さん&凪役・皆川純子さん鼎談【連載第11回】
「豚に真珠」が全面に横たわるインパクト
──第10話のアフレコはいかがでしたか?
平野:嵐子さんの「豚に真珠コーヒーだブー」のところが本当に面白くて!
──とんとことんの「ご主人様にカフェイン注入♡」の場面ですね(笑)。今回は「豚に真珠」がキーワードになっていて。
平野:最後のシーンでは、末広さんのケースから真珠の指輪が転がり落ちて……。
皆川:切ないシーンなんだけどね。その前に凪が「豚と心中するつもりか?」って(笑)。
佐藤:凪さんがまさかの、電話口から「豚と真珠」をかぶせてくるっていう(笑)。こだわりどころがすごいんですよね。
皆川:本当に、すごいこだわり方(笑)。この作品、スタッフさんのこだわりが半端ないですよね?
──末広さんの正体も衝撃でした……。
平野:私はアフレコに2回しか参加していないので分からなかったのですが、末広さんってだいぶ前からいたんですか?
宣伝P:第5話からとんとことんの常連として登場しています。嵐子の生誕祭にも最初の客として来店していて、店長が嵐子に変装して接客しているんです。そのあたりからずっと映っていました。
皆川:その末広さんが、まさかの……。
佐藤:驚きましたね。
──ここで一気に物語が動きましたね。
佐藤:第8話では野球やっていましたしね(笑)。「御徒町さんがこの中にずっといたんだ!」と、今振り返ってみると面白くて(笑)。
皆川:中身を知ってから見るとまた面白いよね。
平野:確かに!
──店長が猫に餌をあげているときに御徒町さんを誘ったんだなぁと。増井監督もおっしゃっていましたが、店長は物語を動かすキャラクターですね(笑)。
平野:そういえば、御徒町さんを引き入れたのも店長でしたね!「おいでおいで」って。
皆川:店長、愛しい。最高。
佐藤:すごく真面目な御徒町さんがこの中に入ってたんだ!って。めちゃくちゃ真面目だもんね、御徒町さんは。
──平野さんはどのようなお気持ちで御徒町さんを演じられたのでしょうか?
平野:「聞いて下さい」と、嵐子に向かって自分のことじゃないように昔話を始め、いつの間にか自分の身の上話にすり替わっていくんですが……。ちょっとでも感情を出してしまうと、それはそれで違うような気がして。昔の話は淡々と語る雰囲気を意識していました。でもくすぶっているものがあって。
「ご主人様を嵐子さんに殺させてはいけない」というセリフはめちゃくちゃ怖かったです。まだその気持ちがあるんだって。世の中が悪いのではなく、自分が悪いとずっと思っているんですよね。
佐藤:……可哀想。
皆川:何も悪くないのに……。
平野:でもきっと、「こういうものなんだろうな」と思って全部受け止めている人なんだろうなって。
皆川:受け止めざるをえなかったんだろうね。抗ったところでもう……ね。
平野:自分じゃどうしようもないなって確信していたんでしょうね。そういう感じでやってみます、って。
佐藤:綾ちゃんも抗わず、全部受け止めて。
──そもそも御徒町さんのオファーをいただいたときは、御徒町さんに対してどのような印象があったのでしょう?
平野:元々はパンダの絵しかいただいていなかったんです。私、パンダ役をやったことがあったので「パンダだからお話が来たのかな?」くらいに思っていました。だからその中に人間が入っていることを知ったときにはビックリしました。
私自身アニメのレギュラーがすごく久しぶりなんです。「何年ぶりだろう」ってくらい。だから久しぶりに皆さんとアフレコできると喜んでたらパンダでした(笑)。
一同:(笑)
平野:いろいろ衝撃でした。私はこの話数しか知らないので、他の話数を見るのが今から楽しみなんです。どういう流れでここまで来たのかを詳しく知りたい。
皆川:……すごいよ?
平野:すごい!?
佐藤:(笑)。
──皆川さんのお言葉に重みがある……。
皆川:でも何がなんだか、だと思う(笑)。とにかく凄い。言葉にできない。
佐藤:さっきも話しましたが野球をしたり、ある時にはトマトジュースに羊と共に沈められたり……。
平野:えええ?(笑) 想像がつかない。
──トマトジュースのシーンでは、御徒町さんが暗躍しましたよね。
佐藤:そうそう! 御徒町さんは結構動いていて、存在感がずっとあるキャラクターです。声のなかった、その空白すらも埋められるキャストさんでなければ……、ゆえに綾ちゃんなんですね。
平野:いやいやいや。私は完全に皆さんに助けられています。哀愁あるパンダです(笑)。
佐藤:本当に可愛いキャラクターです。今回も嵐子を(末広さんのもとに)行かせまいとして、いろいろ仕掛けてくるんですけど、それも超可愛くて。エレベーターの中にいたりね。御徒町さんって、そもそもどこの派閥の人だったんだろう? いろいろ気になることがたくさんあります。いつか番外編として描いてほしい。