冬アニメ『魔王学院の不適合者Ⅱ』アノス役 梅原裕一郎さんインタビュー|第2期は細かいところまで見逃さず、心して観てほしい
2020年7月にTVアニメとして第1期の放送から約2年の時を経て、圧倒的な存在感と力を持つアノスが返ってきた! 原作でも人気のシリーズ最大のエピソード《大精霊編》がTVアニメ化、分割2クールで放送される。魔族と人間の戦争を阻止したアノスの前に現れたのは、暴虐の魔王を滅ぼす新たな“神の子”。あらゆる理不尽もものともしないアノスの活躍を見逃すな!
第2期スタート前に、規格外、不適合者であるアノス・ヴォルディゴードを演じる梅原裕一郎さんにインタビュー!
細かいところまで見逃さず、心して観てほしい
――この作品の面白さや魅力は、どこにあると感じましたか?
梅原裕一郎さん(以下、梅原):僕が演じているアノスが圧倒的に強いというのは、当然のこととして皆さん受け入れていると思います。ただ、だからと言って敵が弱いわけでもなく、強い中でその上を行くんですよね。
そして、アノスが勝ったときの、ある種お決まりのような展開が、爽快感があるなと演じていても感じました。台詞でもありますよね。「〇〇すると思ったか?」って。その決め台詞が出てくると「あ、勝ったな」って思うんですよ(笑)。そういう楽しさが観ている方にもあると思うし、演じていても、アノスならきっと大丈夫だろうと思っているところがあります。
――水戸黄門的なお約束パターンですよね。敵に全力を出させておいて、その上を行くところがカッコいいです。ただ、設定としては難解なところもあるのかな?と思いました。
梅原:そうですね。第2期では、学園を離れての話も出てきて、いろいろなキャラクターが絡み合うので難しさはありました。アニメの台本だけを読むと、いったい何の話をしているのやらと思うことがありましたので、そういうときは原作を引っ張り出してきて確認しています。
原作には地の文がありますので、アノスがこういう思いでこのセリフを言っているんだと、感情を整理することができるんですよね。なので観ている方は、伏線だったり、いろいろな情報が散りばめられているので、細かいところも見逃さずに観ていただきたいです。
――現在収録中だとは思いますが、アノス・ヴォルディゴードを演じてみていかがでしたか?
梅原:基本的に高飛車に感じる台詞回しなんです。彼自身がすごく強いというのがあるんですけど、どうしても見下した風に聞こえてします言い方が多くなってしまう。
ただ、彼自身は決して見下しているわけではないんですよね。どちらかというと強さとか人間的な懐の広さが、勝手に他の人より上に行かせてしまっている。彼自身は自然体で話しているので、ディレクションでもよく「決して嫌味なキャラクターではないんです」と言われていました。なので悪役ではないというところに気をつけながら、圧倒的な力の差を感じさせるような台詞回しにしようと思っていました。
――実際に、優しさがありますしね。
梅原:魔族や人間、それこそ神に対しても愛情を持って接しているので、その優しさみたいなところは要所要所で出していければいいなと考えていました。
――でも、話しているだけで他者よりも上にいってしまうってすごいですよね(笑)。
梅原:彼はとにかく迷いがないんです。自分の中に、答えに至るまでの道筋ができていて、それに向かって進んでいけるんですよね。しかも、ただ一人で強いわけではなく、それによって周りの人も引っ張っていく力がかなり強い。それが彼の強みなのかな。一人でもすごく強いんですけど(笑)。
――演技する上で、その「強さ」を出すのは難しそうです。
梅原:アフレコが始まってからはそこに苦労していました。強く見せようとすればするほど弱く見えてしまうんですよね。自然にしゃべっているけど強い、圧倒的力量の差を表現するのにはどうすればいいのかを考えて、声のトーンをできる限り安定しやすい、自分に無理のない範囲にして、作った感じにはしないようにしました。
というのも、第1話のアフレコで、最初は少し高いトーンで作っていったのですが、そうするとどこか虚勢を張っているように聞こえてしまったんですよね。それに気づいて、自分の作ったものは全部忘れて演じるようにしたらOKが出たので、こっちのほうがいいんだなと思いました。