仕事に懸ける思いの強さ……意気込みや情熱はステラとリンクする│秋アニメ『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』連載インタビュー:高橋李依さん(ステラ役)
“尊敬”という“心のテイム”があったんじゃないかな
――では、主人公のレインについてはどのような印象をお持ちになりましたか?
高橋:最初はステラもテイムされちゃうのかなってドキドキしました(笑)。
――人間代表としてテイムされる、と(笑)。
高橋:はい。もちろん契約するということはなかったんですが(笑)、人間としてレインに見習うべきものを感じていましたし、学ぶことも多いと話していたので、ある意味、“尊敬”という“心のテイム”があったんじゃないかなと。
――なるほど~(笑)。
高橋:ただ、レインはビーストテイマーじゃなくても、テイムというスキルがなくても、きっと最強種の女の子たちとわかり合えたんだろうなと思います。実際、スキルなしにステラの心を動かしましたし、人としての魅力が伝わってきたので、実は職業やスキルよりもそちらのほうが重要な要素なんだろうなと思いました。
――特に印象に残っているレインの行動やセリフはありますか?
高橋:私が特にいい人だなと思ったのは、捕らえられたニーナちゃんを助けるときに先に治療をしてあげたところです。触れて安心させる前に、まず何をしてほしいのかを瞬時に理解して、ヒールを掛けてあげる。些細な順番ですが、そういう部分が相手の心を開くんだろうなと思いました。私がもし体がボロボロの状態で檻に閉じ込められていたら、まずは治療してほしいなって思いますし、いきなり触られたらびっくりすると思うんです(笑)。
しかもレインは何か下心があるのではなく、「そうしてあげたいからそうする」というタイプ。その優しさ、人の好さが行動の順番にも表れているなと感じました。
――レインは、まず目の前の人とちゃんと向き合うということをしていますよね。
高橋:そうなんです。ニーナちゃん以外でも、例えばソラちゃん、ルナちゃんだったら「精霊族だからこういうふうに接しよう」ではなく、ちゃんと相手と向き合って対話をして、それでいて何か困っていることにも気付けて。そういうところが素敵だなと思います。
――レインとのやりとりなどで印象に残っているシーンはありますか?
高橋:死神が出てきた即死魔法のところが面白かったですね。この状況でもすぐいつもの調子に戻れるレインやカナデたちにほっこりしましたし、見守るステラとしても楽しかったです。ただ、驚いたのはこのあと魔族が出てきて、レインが立ちすくんでしまうところ。
あれだけ過酷な状況を乗り越えてきたレインがどうしてこんなに怯えるんだろうと、そのリアクションの大きさが気になったんです。そうしたらレインの故郷を火の海にした魔族だとわかって……。最強種のみんなとの楽しい生活が当たり前になってきた中で、レインの消せない過去が改めてクローズアップされたことにゾクッとしました。
――第12話のステラは、魔族との戦いで民を守るという形で大活躍しました。
高橋:ソラちゃんとルナちゃんが自分たちだけでは村の人たちを誘導し切れないから協力してほしいと頼ってくれたのも嬉しかったですし、それをすぐさまに受け入れたステラも素敵でした。
最初は少し気になっていたんです。レインの仲間はみんな最強種なのに、どうしてこのタイミングでただの人間であるステラが登場したんだろうって。でもこの場面を見て、最強種とはまた違う形で力を持った人間もいるし、そういう人も絶対に必要になるんだとわかって、改めてステラの存在の大きさに気づけました。
――街の人たちもまたいい人ばかりなんですよね。
高橋:そうなんです。とは言っても、やはり精霊族を信用できないという人がいる中で、前に出てきてくれたホットドッグ屋さん。あのシーンはすごくよかったです。「同じものを美味いと思えるなら、人間も精霊族も変わらねえわな」って、なんていいセリフだろうって(笑)。ホットドッグ屋さんに感謝です。
――では最後に、最終話まで演じられて改めて気づいた作品やキャラクターの魅力について伺えますか?
高橋:この作品は、つらい過去があり仲間にも裏切られたレインが、自分の大切な場所を見つける物語です。今作に触れることできっと温かい気持ちになれると思うので、何かを頑張っている方や幸せを感じたいという方は、ぜひ何度も繰り返しご覧になってください。
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画像をクリックすると、関連記事にとびます。秋アニメ『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』作品情報
イントロダクション
「――レイン。君はクビだ」
勇者と共に魔王討伐を目指すビーストテイマーのレイン。 ところがある日、仲間から役立たずと罵られ、勇者パーティーを追放され てしまう。
自由に生きようと冒険者の道を選んだレインは、試験の最中、魔物に襲われている少女カナデに遭遇。
カナデを逃すために身を挺すが、彼女は魔物を一撃で倒してしまう。カナデこそ規格外の力を持つ「最強種」の一つ、猫霊族の少女だった!
レインの才能と優しさに惹かれたカナデが告げる。
「私を、使役してみる?」
最強の猫耳少女と契約し、冒険者として新たな人生を歩み始めるレイン。
だが、レインを追放した勇者たち、そして別の「最強種」がその力に気づき――。
スタッフ
原作:深山 鈴・茂村モト (掲載「マンガUP!」スクウェア・エニックス刊)
監督:濁川 敦
シリーズ構成:あおしまたかし
キャラクターデザイン:山本周平
メインアニメーター:田邉 博
プロップデザイン:染谷友梨花、りお
美術監督:田尻健一、村田裕斗
色彩設計:小山知子
撮影監督:松本乃吾
編集:新見元希
CGディレクター:山本ゆきえ
音響監督:本山 哲
音楽:林ゆうき、桶狭間ありさ、近谷直之
音楽制作:日本コロムビア
アニメーション制作:EMTスクエアード
製作:「ビーストテイマー」製作委員会
キャスト
レイン:千葉翔也
カナデ:和氣あず未
タニア:大久保瑠美
ソラ:田中美海
ルナ:指出毬亜
ニーナ:高野麻里佳
ステラ:高橋李依