「僕にとっては最初に大切なことを教えてくれた”師”です」入野自由さんと畠中祐さんの出会いから今まで、そして互いの“変わらない魅力”とは――『オダイバ!!超次元音楽祭-ヨコハマからハッピーバレンタインフェス2023-』開催記念インタビュー
「2次元、2.5次元、3次元の垣根を取っ払い、次元を超えてひとつになろう!」というコンセプトで誕生した新時代の音楽番組『超次元音楽祭』。
今年も、ぴあアリーナMMにて、2月11日(土)・12日(日)の2日間にわたり『オダイバ!!超次元音楽祭-ヨコハマからハッピーバレンタインフェス2023-』が開催されます。
1日目には、angela、入野自由さん、大橋彩香さん、畠中 祐さん、宮野真守さん、ミュージカル『刀剣乱舞』 刀剣男士、R3BIRTHが出演。 イベントのMCは番組と同様にバナナマンのお二人が務めます。
今回、アニメイトタイムズでは、本イベントの開催を記念して、入野自由さんと畠中 祐さんにインタビューを実施。音楽番組「Love music」の収録を終えたお二人を直撃しました!
二人の出会いから今まで。濃厚すぎた『遊☆戯☆王ZEXAL』の収録話
——「Love music」の収録、お疲れ様でした! 「オダイバ!!超次元音楽祭」へ向けての対談収録でしたが、いかがでしたか?
入野自由さん(以下、入野):個人的に、ああいった形でカメラの前で喋る機会があまりないので、正直疲れました(笑)。
畠中 祐さん(以下、畠中):あはははは。そうですよね(笑)。なんだかんだいって、もう1時間ぐらいずっと喋り続けていましたもんね。
入野:テレビで流れるからちゃんとしなきゃという気持ちもありましたし、しかも、祐との対談という形でしたから。
——すごく話が弾んでいらっしゃいましたね。このインタビューでも、お二人の出会いから今に至るお話をお伺いしたいのですが、畠中さんと入野さんといえば初共演作品となる『遊☆戯☆王ZEXAL』です。
入野:僕自身、16歳のときの祐との記憶が一番強いです。それから今日までの間がすっぽり抜けているので、当時の感覚がすごく残っています。
畠中:全然、当時の感覚で来てもらっても……(笑)。でも、確かに16歳の頃は本当に自分がガキンチョだったので……。さっきの収録も、入野さんからしたらちょっと恥ずかしかったんじゃないかなと……。
入野:いや、恥ずかしくはないよ。
畠中:本当ですか!?
入野:何を話したらいいんだろう?みたいなところはあったかな(笑)。
一同:(笑)。
入野:たびたび、祐がいろんなところで僕の話題を出してくれていることは聞いているんですけど、「悪いなぁ」「申し訳ないなぁ」って思っちゃうんです。
——なぜ、そのように思われるのでしょう?
入野:個人的には、役者としてああしたほうがいい、こうしたほうがいいと伝えることは基本的にしたくないと思っていましたし、それは僕がやるべき仕事ではないと。当時は、その線引きみたいなものを、自分の中ですごく考えながら話していました。これが正しい!という風に縛られてほしくないと、自分なりに考えて話していたと。
さっきの収録で話を聞いていると、(畠中さんが)意外と当時のことを覚えていて怖かったです(笑)。
畠中:いえいえ! 当時のことを覚えているのは、役者同士の不可侵領域に踏み込むことだったり、何かの思考を縛ったりするような言葉ではなくて、もっと本当に大事なものを入野さんが教えてくださったからなんです。
「このセリフは誰に向かって話してるの?」というような、そういう基本的なことすらも16歳の自分はわかっていなかったので……。それがどういうものなのかを一緒に考えながらも、そっと背中を押してくれる感じだったので、今でも入野さんの言葉が残っています。
自分が考える取捨選択の中で弾かれずにずっと残り続ける言葉は、たぶん今でも大事にしなきゃいけないことで、本当に基礎の基礎だと思うんです。それを当時、言葉を選んで僕に呼びかけてくれていたので、だからこそ今でも自分の中に残っているんだなと。
本当に自分にとって、すごく大事な時間だったと思います。
——すごく濃密で貴重な時間を過ごされたのですね。
入野:他の人が収録しているブースに入って何かを言い出すことは、生涯ないと思います。頼まれてしたことではありましたが、普段は絶対にそんなことはしませんし、そもそもそうなるようにスケジュールが組まれていたんです。
畠中:確かに!
入野:特に、ある話で台本の1ページ目から何でこういうことになっているのかを、ずっと問いかけ続けたことを今でも覚えています。1ページずつ、一緒に読んでたよね。
畠中:読んでましたね。
入野:当時はスタッフチームが長考することも多かったので、その間に答えを出すわけじゃなくて、「何でこうなってると思う?」「僕はこう思うけど」という会話を何度もしたことがありました。その収録は印象に残っています。最後にいなくなるキャラクターのことを最初から引きずり過ぎじゃない?と言ったこともあったよね(笑)。
畠中:ありました(笑)。
入野:台本では先の展開がわかっていても、お芝居をしているときは知らないよね?というような話を何度もしていたのが懐かしいです。
畠中:ゴールが見えちゃう芝居をするなよ〜!と当時の自分に言いたい(笑)。
一同:(笑)。
畠中:入野さんが教えてくださったことは、絶対どの現場でも必要なことなんです。でも、当時の僕はその基本も教えてもらわないと何も分からないぐらいの状態でした。
入野:ある意味、それが良いところだったのかも。何も分からない素っ裸な状態をスタッフ側は求めていたと思いますし、そこで変に服を着させないようにするというか。素っ裸のままだけど、ここはちゃんとパンツは履いていてほしいみたいな(笑)。
——ちゃんと決めるべきところは決めるけど、何も分からない状態だからこそ生まれるものも大切な要素だと。
入野:はい。「あぁ~! そこにいっちゃったか!」という部分が良いときもあって。それができるのは、まだ何も知らなかった祐ならではと思いますし、すごくカッコいいなぁと思いながら見ていました。でも、思い通りにいかないからみんなが苛立っているときもありました(笑)。
畠中:とにかく、何を準備すればいいのかも分からなかったんです。考えて考えて、いろんな服の着方を覚えたとしても、要らないときに捨てるという行為までにはいかなかったと思います。
入野:良かれと思ってやったことが全部裏目に出るタイプの人間だ(笑)。しちゃいけないけど、お芝居の良いところと悪いところの両方を自分でコントロールしたい部分もある。そんなせめぎ合いをみんな楽しんでいた現場だったと思います。
祐とそういう時間が過ごせたのは、僕自身『アイシールド21』という作品でスタッフチームによくしてもらったり、(山口)勝平さんをはじめ、いろいろな先輩から声をかけていただいた経験があったからなんです。
また、「(畠中さんのことを)よろしくね」と言われていたので、自然と祐との関係値が築かれたんじゃないかなと。そうじゃなければ、たぶんそんなに口を出さなかったと思います。
役自体が友達同士ならまた変わったと思いますが、どちらかというとデュエルの師匠と弟子のような関係性だったので、その関係も強く影響していたのかなと思います。
畠中:今から僕が言うことは、入野さんにとって絶対に言われたくない言葉になると思いますが……。
入野:嫌です。
一同:(笑)。
畠中:本当に僕にとっては、最初に大切なことを教えてくれた”師”です。