冬アニメ『久保さんは僕を許さない』花澤香菜さんOPテーマ「ドラマチックじゃなくても」インタビュー|“キュッとなる”切ないメロディと歌詞、短編映画のようなMVも魅力
2023年2月1日にリリースされた声優・花澤香菜さんのニューシングル「ドラマチックじゃなくても」。表題曲は、自身が主役・久保渚咲役を務めるTVアニメ『久保さんは僕を許さない』のオープニングテーマとなっています。主役&主題歌アーティストの両方を務めるというのは、彼女自身初ということで、今回は楽曲に込めた想いなどもたっぷり語ってもらいました。
キャラクターについてのインタビューは、別記事を参照ください!
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切ないメロディと歌詞にキュッとなる
――花澤さんは、『久保さんは僕を許さない』という作品にはASMRの企画動画から関わっていますが、主題歌を歌うと聞いていかがでしたか?
花澤香菜さん(以下、花澤):まず、久保渚咲役を続投できるかもわからなかったんです。アニメ化することは喜ばしいことですけど、はたしてそのまま続投できるのかしら?って気持ちがあったので、そのまま久保さんを演じることができることにびっくりしましたし、さらに主題歌も担当できるということで、すごく嬉しかったです。
ただこの作品って、白石くんと久保さんしかほぼしゃべっていないんですよね(笑)。私の声ばかりになるということは、責任重大だぞって思いました。私が嫌いな人は絶対に見れないだろうなって。
――そんな人はいませんけどね!
花澤:(笑)。責任は重大だけど、嬉しいな、楽しみだなという感じでした。あと、個人的に白石くんに声が付くのが楽しみだったんです。実際に聞いてみたら、本当にぴったりで! 河西(健吾)くん自身の声はすごく個性的だし、つややかだし、主人公声にしようと思えばできるんでしょうけど、それをあえて消してやられているんですよね。
――抑揚をあえて付けずに演じていましたね。
花澤:そうそう。その感じが白石くんだなぁって思いました。
――思い入れのある作品の主題歌ということで、どんな感じで制作していったのですか?
花澤:まず北川勝利さんが作品のイメージで曲を作ってくださって、それを聴くという流れだったんですけど、デモを聴いた時点で本当に素晴らしくて。オープニングなので、明るさや派手さを考えた上での切ないメロディーがあって、その2つが同居していることがすごいと思いました。あとは、やっぱり歌詞がいいなと思いました。
――歌詞は、藤村鼓乃美さんと北川勝利さんの共作になっています。
花澤:素朴なんですけど、誰にもきっと当てはまるところがある歌詞ですし、物語にもぴったりだし、ピュアな感情がものすごく詰まっているんですよね。
――キラキラしているだけではなく、切なさが詰まっていますよね。
花澤:この日常の何気ない時間が、振り返ってみるととっても大切なものになっているんだよっていうね。人生の時間の短さとか儚さを感じますよね!
――その時間を生きているときは、それが大切なものだって気づかないけど、そういうものなんだよって気づかせてくれる歌詞でした。
花澤:そうそう。
――切ない部分として、未来をイメージするじゃないですか。この時間が永遠じゃないかもしれないって。それがキュッとなるんですよね。
花澤:そうですね。私もすごく気持ちがわかるなぁと思いながら歌っていました。学生時代もそうですけど、今も全然思いますからね。たとえば家族と会っている時間に、次いつ会えるのかなとか、いつかは会えなくなっちゃうんだよなってふと思うと、うるうるしてきちゃうという。
――その視点が絶妙だなと。これは個人的な意見ですが、女性的な視点なのかなとも思いました。自分の思い出ですけど、学生時代は先のことなんて何も考えずにバカなことをしていたので。
花澤:そう思うと「白石くん、今が一番いいときだよ! この瞬間忘れないで!」って言ってあげたくなっちゃいますね(笑)。
――ちなみに、藤村さんは、北川さんとの共作で「ユメノキオク」「Don't Know Why」「運命の扉」といった楽曲の作詞を手掛けていますけど、どんな方なのですか?
花澤:実は藤村さん自身にはあまり会ったことがないんです。北川さんを通して出来上がった歌詞をいただく感じではあるんですけど、それこそおっしゃってくださった女性目線のいろいろな要素を入れてくださっていると思うんです。まぁ、北川さんの歌詞もめっちゃかわいいんですけどね(笑)。北川さんのほうがもっと理想の感じなのかな? でも、女性目線のリアルなところが入っていると私も歌いやすいので、そういうところなのかもしれないですね。