TVアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』ポッド153役・あきやまかおるさんインタビュー|「『NieR』シリーズファンへのサービス精神が旺盛な作品」
2017年2月23日にスクウェア・エニックスから発売され、全世界累計出荷・ダウンロード販売本数700万本を突破している大人気アクションRPG『NieR:Automata』(ニーア オートマタ)。ついに2023年1月7日より、TVアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』が放送開始となりました。
地球侵略を目論む<エイリアン>と称される異星人が生み出した<機械生命体>と、人類が生み出した<アンドロイド>が長きにわたり戦闘する世界が舞台となる本作。最終兵器の新型アンドロイド<ヨルハ>部隊に所属する<2B>は地球に派遣され、先行調査員の<9S>と共に任務にあたります。しかし、数々の不可解な現象に遭遇……。人類のために戦い続ける、命なき<アンドロイド>たちの物語が描かれます。
TVアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』の放送が開始し大きな話題となっている中、アニメイトタイムズではキャスト陣にインタビューを実施。今回は、<ポッド153>を演じる声優のあきやまかおるさんが登場です。作品に対する印象やアフレコのエピソード、機械であるポッドを演じる上で意識していること、さらに第1話〜第3話の感想をお話しいただきました。
『NieR:Automata Ver1.1a』はゲーム以上の没入感
ーーはじめに、あきやまさんが感じる『NieR:Automata』の魅力を教えてください。
あきやまかおる(以下、あきやま):子どもだましではない重厚なストーリーを軸に、キャラクター、音楽、風景……様々な要素からその重厚さをさらに深くしていると感じます。そして、決して現実の世界をベースにしているわけではないのにリアリティもあって。キャラクターの行動や彩度の低い世界観などがよりリアリティを強くしていますよね。
一方で、シューティング要素もあるというゲーム性には驚かされました。リアリティのある世界観なのにちゃんとゲームであるという、予想していた通りにはいかない部分も魅力かもしれません。「こういうゲームはこういう遊び方になるだろう」という概念を壊してくれた、一筋縄ではいかない厚みをすごく感じる作品です。
ーーでは、TVアニメ『NieR:Automata Ver1.1a』にはどのような印象を抱きましたか?
あきやま:ゲームでは描ききることのできない細かい部分がアニメでは描かれているため、より理解度が深まりました。例えば、表情。ゲームだとどうしても定点でキャラクターを見ることが多いので、その時々のキャラクターの表情を想像力で補完するところがあるんですよね。その点、アニメでは表情がアップになるシーンも多いから、よりキャラクターとの距離も近いような感覚になります。それは声も同じで、一部のシーンではテキストだけで想像して補完していた感情が、声がつくことで鮮明になる。それもまた理解度が深まる要素の一つです。
自分の演じるキャラクターだけではなく、ほかの方たちが演じるキャラクターの見えなかった部分が見えてきて、ゲーム以上に『NieR』の世界にいるような没入感が得られましたね。
アフレコ初日はキャスト全員“黒い服”
ーーゲームのアフレコから約7年経過していると伺いました(ゲームの発売が2017年、収録はそれよりも前)。今回、ポッド153を演じられる心境はいかがですか?
あきやま:ゲームからアニメ化の間にイベントを含めて新しいシナリオをキャストのみなさんと演じる機会があったものの、アニメの初回収録でスタジオに集まった時は「本当にアニメが始まるんだ」「いよいよここまで来たか」というソワソワした感じがありました。
しかも、初回のアフレコは夏だったのですが、みんな黒い服で現れたんですよ。私は黒と白のコーディネートで行ったんですけど、特に示し合わせていなかったのに、みんなもモノトーンの服装で! イベントでもないのに衣装を着てきた感じになりました(笑)。初回なので気合いが入っていたのか、ソワソワしながらもみんな真っ黒という(笑)。
ーー『NieR』の世界観に合わせたコーディネートになったんですね(笑)。
あきやま:そうなんです(笑)。
また、ゲームからアニメまでの間の積み重ねがあったから、座組ができあがっている感もありました。イベントなどで直接話す機会もあって、人となりを知ることができて、役者同士の仲も深まっていたので。ゲームがリリースされた直後にアニメ化したらそれはそれで素敵なことだとは思うのですが、逆にこの数年間があったからみなさんとさらに関係性をつくれているのではないかと感じています。
ーーゲームは基本的にお一人ずつの収録だと思うのですが、アニメでキャストのみなさんと集まって収録するのはまた違う心持ちにもなるのでしょうか。
あきやま:今はコロナ禍の関係で人数を絞ってのアフレコですし、ポッドはほかのキャラクターとあまり会話をするわけではないので、そこまで大きな違いはないのですが、生で2Bと9Sの会話が見られるのはお客さん視点としてすごく嬉しかったですね(笑)。少人数だからこそアットホームな雰囲気の中で演じられるのも良かったと感じています。