「手嶋のためのインターハイ」に納得。凡人・手嶋と強者・泉田は対照的な存在――アニメ『弱虫ペダル LIMIT BREAK』手嶋純太役・岸尾だいすけさん&泉田塔一郎役・阿部 敦さん Wキャプテン対談
2022年10月に約4年ぶりに帰ってきたTVアニメ第5期『弱虫ペダル LIMIT BREAK』が2023年3月25日に最終回を迎えます。
前シリーズ「GLORY LINE」では2年目のインターハイの3日目が始まる直前で終わり、4年の時を経た「LIMIT BREAK」では総北と箱根学園が熱いバトルを展開し、感動的なドラマの数々を送り出しました。
そんな「LIMIT BREAK」の最終回直前に、総北の手嶋純太役の岸尾だいすけさんと、箱根学園の泉田塔一郎役の阿部 敦さんのWキャプテン対談が実現! 「LIMIT BREAK」を振り返った感想や印象的なシーン、お互いのキャラクターの印象や変化、最終回への想いなど語っていただきました。
熱望していたインターハイ3日目が実現! 視聴者が熱さについてこられるか心配に!?
――現在放送中の「LIMIT BREAK」を振り返ってみた感想をお聞かせください。
手嶋純太役 岸尾だいすけさん(以下、岸尾):まず5期ができたことが嬉しかったです。2年目のインターハイを最後までやれることを熱望していたので、時間はかかってしまいましたが、最後までやれてよかったです。2クールの中にインターハイ3日目が盛り込まれて、ここまで積み上げてきたものが見事に昇華されていて感無量です。
泉田塔一郎役 阿部 敦さん(以下、阿部):前シリーズの「GLORY LINE」から約4年越しになりますが、前作では白熱したインターハイ2年目の2日目が終わって、「さあ、3日目が始まったぞ」というところで一旦終わって。視聴者の方も続きが見たいでしょうし、僕らもきちんとやり切りたいという想いがありました。今回、その希望が4年越しに叶ったこと自体がすごいなと。これだけ時間が空いてもお届けできるのは、視聴者の皆さんの応援とスタッフさんが動いてくださったおかげだと思うので、その想いに応えるために一生懸命に演じたいなと思いました。
――前シリーズがインターハイの最高潮に入る寸前に終わったので、その高まった状態にご自身のテンションを持っていくのは大変だったのでは?
岸尾:僕らは「やっと来たか!」という感じで、楽しく収録できました。むしろ1話目からすごく盛り上がっていたから「見ている方がついてこられるかな?」と心配するくらいで(笑)。
阿部:今までも「ここで終わるの?」という場面でシリーズが終わって、半年くらい空いて「ここから始まるの?」という場面から始まっていたので、たぶん慣れていたんだと思います(笑)。
渡辺先生の「手嶋のためのインターハイ」に納得
――「LIMIT BREAK」では手嶋の見せ場や活躍も盛りだくさんでした。
岸尾:原作が連載されている『週刊少年チャンピオン』編集部の方から、渡辺 航先生が「手嶋のためのインターハイだから」とおっしゃっていたとお聞きして、「なるほど!」と。先生がそう言っているのなら大手を振って、主役のつもりでやってもいいかなって思いました(笑)。だから演じがいがありましたし、とにかく楽しかったですね。
――葦木場との激闘も印象深かったのでは?
岸尾:葦木場はニュータイプですよね。今までも感覚が研ぎ澄まされていて、会話してないのにしゃべっているようなシーンがいくつかありましたが、今回は「君のことがわかるんだ」みたいに完全に言葉で返してきましたから。まさにニュータイプVSオールドタイプだなと(笑)。手嶋と葦木場は昔からの友達であり、ライバルだったからこそ、お互いに考えていることがわかって、心の中のモノローグの会話ができてしまうんでしょうね。
それにしてもこのインターハイ2年目は長い戦いですよね。1日目も真波とのとんでもない激闘がありましたが、3日目は頭からピンチに陥るものの青八木と切り抜けて。「それは努力で何とかなるレベルの体力ですか?」と聞きたくなるくらいの戦いで、遂には箱根学園のエースである葦木場に勝利して。今思うと裏主役だったからなのかなと(笑)。平凡で弱い男だけど、誰よりも想いが強かったから勝てたのかなと思っています。
――葦木場役の宮野真守さんとは何か話されましたか?
岸尾:収録は一緒で、当時、宮野くんがPrime VideoのCMをやっている時だったので、「Prime Videoでも『弱ペダ』が見られるね」くらいしか話してません(笑)。長い付き合いになりますし、収録でああしようみたいなことを話すことなく、ディレクターの指示通りに演じました。余談ですが、彼が2015年に劇場版で吉本 進役で出演したのに、後に葦木場役で出てきた時は「おかしいじゃないか!?」という話もしました(笑)。
――一方の泉田も熱いシーンの連続でした。
阿部:スプリンターの泉田は最後までついていけないという宿命があるので、最後はユキ(黒田)を信じて託しましたが、山岳の平坦区間で700メートルの差をつけて、送り出せたのは良かったです。(新開)悠人に背中を見せて、「箱根学園とはこういうものだ」と無言で語ることができたシーンは個人的にもいいシーンだったと思います。
――前年に総北に敗れて涙した泉田でしたが、今回成長や変化を感じましたか?
阿部:前回の箱根学園は常勝校でしたが、インターハイ2日目で小鞠くんと戦ったり、クライマーチームを引っ張ったシーンでは1年目のインターハイと同じセリフがあったりして。想いは同じだけど、1年目から引き継いだものや自分の中に生まれた覚悟などが乗っかって、似ているけど違うものになっているなと感じたし、「熱いな」とか「いいシーンだな」と思いながら演じていました。