映画『グリッドマン ユニバース』広瀬裕也さん(響 裕太役)×榎木淳弥さん(麻中 蓬役)インタビュー|裕太の物語が描かれる劇場版、オールスター感も見どころのひとつ
円谷プロダクション✕TRIGGERによる新世紀エンタテインメント『グリッドマン ユニバース』が3月24日より全国公開中。
円谷プロダクション制作の特撮ヒーロードラマ『電光超人グリッドマン』(93年)を原典に、TRIGGERが制作したTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』(18年)。そしてそれに続く形で放送された『SSSS.DYNAZENON』(21年)。この2つの世界がクロスオーバーした完全新作の劇場作品が『グリッドマン ユニバース』である。
『SSSS.GRIDMAN』の主人公・響裕太を演じる広瀬裕也さんと、『SSSS.DYNAZENON』の主人公のひとりである麻中蓬を演じた榎木淳弥さんに、映画の魅力を語ってもらった。
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気になるのは裕太と六花の恋のゆくえ?
――映画化の話を聞いたときの率直な感想を教えてください。
広瀬裕也さん(以下、広瀬):僕にとっては、初主演作品でもある『SSSS.GRIDMAN』はとても大切な作品のひとつです。アニメーションとしてあんなに素敵な作品に仕上げていただけて、反響もいただけて、しかも『SSSS.DYNAZENON』という次のシリーズまであって。それが今度は劇場アニメとして帰ってくるというのは、とても嬉しかったです。観てくださっているファンの方々と同じ気持ちで、『SSSS.GRIDMAN』の世界が映画で観られるんだ!って思いました。
榎木淳弥さん(以下、榎木):僕は2つの作品が合わさるということで、これまで一緒にやって来なかったキャストの方々と一緒に作品作りができるということの楽しみが、一番大きかったです。
――TVシリーズから劇場アニメになり、演じ方に変化などはあるのでしょうか。
広瀬:当時できていたことができなかったり、できなかったことができるようになっていたりすることはあるんですけど、自分は『SSSS.GRIDMAN』のおかげで成長できた部分もあるので、変に決めようとしたり、ちゃんとしようとしている自分がいたんですよね。だから監督に最初、「力が入っているよ」って言われた気がします(笑)。
でも分散収録とは言っても、掛け合えるようにしてくださったので、誰かと掛け合うと、自然と4~5年前に収録していたあの頃に一瞬で戻れるんですよね。みんなといればすぐに戻れるんだなっていう感覚はありました。相手の芝居をちゃんと聞いて返すことで、流れに乗っていけた気がします。
――初主演作品だと印象深いですね。
広瀬:そうですね。当時はまだ何もわからなかったので…しかも僕が演じた響裕太は記憶喪失ってところから始まるので、先のお話も特に教えてもらえず、台本をいただいて知る感じだったんです。
だから事前の映像チェックもあまりせずに、裕太と同じ気持ちで一緒に探っていこう!みたいな感じでアフレコをやるしかなかったんです。読み込んだところで、当時の僕にはできないので、裕太と同じ気持ちでぶつかるしかない!って思っていました。
だからディレクションもあまりなく、そのままやることで、あの世界に生きる彼らしさが出ていたんだろうなって思います。
榎木:TVシリーズのときから、あまりディレクションがない作品だったんですよ。わりとこちらに委ねてくださることが多かったんです。なので、僕もあまり考えずにスタジオに行って、指示されたことに対応していこうかなという感じでした。
広瀬:僕も最初以外はほとんど何も言われなかったです。見せ方的にこうしてほしいっていうのはあったけど、何度もリテイクしたこともなかったと思います。ないですよね?
榎木:ほぼ一発で終わる感じでしたね。だから映画になっても、そのスタイルはあまり変わらずでした。
――ではあらためて、自身が演じているキャラクターについて、どんなキャラクターなのかを教えてください。
榎木:僕はあまり、どんなキャラクターかというのは考えていないんです。何でこういうことを言っているのかな、とかは考えるんですけど、あまりキャラについては考えないんですね。
もちろん、どんなキャラクターなのかを考えるのが大切な作品もあると思うんです。たとえばデフォルメした感じで作るものとか。こういうキャラクターです!となっているものは考えますが、この作品は、あまりデフォルメしていないキャラクターだったので、考えるとキャラっぽくなってしまうんですよね。だからあえて考えないようにしています。
広瀬:僕も似ているかもしれないんですけど、TVシリーズの裕太は記憶がなかったので、僕もどんな人間なのか知らないんですよね。だから自分が思うこととか、物語の流れ、相手との掛け合いによって変わっていたんじゃないかなって思います。麻中蓬には南 夢芽(CV.若山詩音)が、響裕太には宝多六花(CV.宮本侑芽)がいて、それによってキャラクターも変わっていったのかなって思います。
なので、TVシリーズをもう一度アフレコをし直すとなったら、全然違う感じになるような気もするんです。テストと本番でも、ちょっとニュアンスが違っていたりしたので。なので、一緒に録る意味があったし、雨宮 哲監督も、それを面白いと感じてくださっていたと思います。
スタッフ:テストテイクが本編で使われていることもありました。
広瀬:本番だと、どうしてもやろうとしちゃうときがあるからなぁ。
榎木:2回目だからね。
スタッフ:映画でもテストテイクから監督はチェックされています。
榎木:そうなんですね。それは知らなかったなぁ。
――お互いの作品のキャラクターの面々をどう見ていましたか?
広瀬:『グリッドマン ユニバース』で一緒に掛け合いをしてみて気づいたんですけど、『SSSS.DYNAZENON』チームは、ちょっとオトナなんですよ(笑)。
ストーリー的に、『電光超人グリッドマン』のオマージュは入っているんですけど、それを抜いても『SSSS.GRIDMAN』のキラキラ青春!って感じだけではないものがあったんですよね。
もともと、重いところも描いていくストーリーではあったし、かつもう結ばれている蓬と夢芽だったので、なんか妙に落ち着いているお芝居で、オトナっぽいな~って思っていました。
こっちが「六花ー!」とかワチャワチャやっている中、すごくオトナな雰囲気だったので、『SSSS.DYNAZENON』の全員が先輩に見えました(笑)。ちせ(CV.安済知佳)や暦(CV.梅原裕一郎)も含めて。
榎木:でも出会ったら同学年感はありましたけどね。恋愛的には、確かにこっちのほうが進んでいるので、まだまだだな~って思いました(笑)。
広瀬:恋トークになってきちゃった(笑)。でも、PVの最初のほうで「俺、六花に告白しようと思う」って言っていたから、裕太と六花がどうなるのかは気になります。